中島岳志のレビュー一覧

  • アジア主義 西郷隆盛から石原莞爾へ
    孫文が漢民族ナショナリズムから満蒙を日本に譲るって言ってた、ってのは知らんかった。満州も内モンゴルも中国の一部になってる今の時代から見ると切り離す方が無茶言うてる気がするけど、今の目と当時の目が同じとは限らないのね。あと、反ユダヤ主義が日本で紹介された時に、バカバカしいからほっといたら広まってしまい...続きを読む
  • アジア主義 西郷隆盛から石原莞爾へ
    孫文が漢民族ナショナリズムから満蒙を日本に譲るって言ってた、ってのは知らんかった。満州も内モンゴルも中国の一部になってる今の時代から見ると切り離す方が無茶言うてる気がするけど、今の目と当時の目が同じとは限らないのね。あと、反ユダヤ主義が日本で紹介された時に、バカバカしいからほっといたら広まってしまい...続きを読む
  • 親鸞と日本主義(新潮選書)
    著者による「血盟団事件」を読んだ時に、宮沢賢治と5.15事件の青年将校たちに共通に流れる血としての日蓮宗を知った時、宗教が現実と交わる時に発揮する禍々しさにたじろぎました。本書では親鸞の教えの「他力本願」「悪人正機説」がいかに日本が戦争に突入する時のナショナリズムの形成に繋がっていったかを検証してい...続きを読む
  • 保守と立憲 世界によって私が変えられないために
    同い年なのよね、中島岳志。同じ年に同じ大阪の大学に通ってた(当時は別々の大学やったけど)人がTVでコメントとかしてるの見て「オレらもそんな歳になったのか」と思った覚えがある。報道ステーションでまだレギュラーではなかった頃、政治学の研究者をやってる先輩と飲んでる席で「中島岳志ってどう思います?」って聞...続きを読む
  • 「リベラル保守」宣言
    中島岳志さんに注目してるというのに、この本を読んでないのはダメだろうと読むことにした。

    そもそも中島さんは「保守」であることを常々宣言しておられる。私としては、中島さんの言っておられることはいつも素晴らしいと思っているのに、「保守」というイメージは昔から全く好きでなく、どうしたものかと思っていた。...続きを読む
  • 「リベラル保守」宣言
    面白かった。
    確かに、俗的・古臭が漂う醜い保守でもなく、
    教条的でなんでも反対し、あぶなっかしい左翼でも
    ない、人間の本質をとらえ、そのうえでの
    歴史をかさねてきたものの重要性を鑑みた保守。
    また、自由を集団的狂信や多数者による専制を疑う
    リベラルというのがしっくりくると思われます。
    橋下・安倍のな...続きを読む
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    グローバル化について本当の意味での豊かさを実現出来るの?と、問いかける一冊。教育や医療や昔ながらの商店街にもグローバル化を持ち込むことで、金銭的な豊かさは良くはなっても、二極化が進むだけだよ。中間層が一気に引き落とされるよ、心が貧しくなるよ、といった本。グローバル化に違和感感じる人にオススメしたい一...続きを読む
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    ポストグローバル社会論と日本の未来を考えるシンポジウムの記録。
    第2回の、イケダハヤト氏と高木新平氏の視点がユニークで面白い。
    マスコミ報道ではわからない橋下市長に選挙で敗れた平松氏の思想や人となりも知ることができる。
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    私淑する内田樹先生の参加している本です。対談をまとめた形の本なのですが、示唆に富んでいてとてもおもしろい内容でした。
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    グローバリズムを疑う。成長し続けることを前提とした資本主義はいつか限界点に達する。資本主義は常に新たな市場、貧しい者、安価な労働力を求め続ける。つまるところ貧富の差があることを前提としている。もっとも裕福になったはずのアメリカや日本で、逆に貧富の差が増大しているということは、やはりそれを必要としてい...続きを読む
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    グローバル化、新自由主義、何だか地に足が付いていないことがどんどん進んでいるような…。身体感覚のない言論が過激さを加速する。匿名のネット上での発言が問題になるのも納得です。

    ここのところの内田氏はグローバル化、グローバル企業と国民国家が相入れない関係であることを盛んに書いています。株式会社の平均寿...続きを読む
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    この本のもととなったシンポジウムは2012年の衆議院選挙の前後になされたもので、出版されたのが今回の参議院選挙の直前。
    丁度そういう時期に読んで、中々興味深かった。
    特に、20代の若者の率直な意見は面白かった。
    こういう多様性というのがどんどん広がってきて、色んな人が色んな事を言い、実践できる社会に...続きを読む
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    国民政治とグローバル企業・資本主義は基本的に相いれないものだ、という内田氏の主張が何よりのキーワード。
    国に対して競争のし易い環境を!と要求する企業がいかに独善的か、、というのを考えさせられる。グローバリズムを標榜する企業・政治家にロクなものは無い、と改めて認識。
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    内田:この20年ほどの「構造改革・規制緩和」の流れというのは、こういう国民国家が「弱者」のために担保してきた諸制度を「無駄使い」で非効率だと謗るものでした。(P.5)

    中島:かつての70年代くらいの若者にとって、未来というのは輝けるものとして存在した。とすると、今ある自分の現実に対して「俺にはもっ...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    冒頭の伊藤さんの話は分かりやすく読めたが段々、理解が追いつけず、最毒が必要と感じた。
    全体を通しての印象は「利他」も含め、一見、善い言葉も使うときには正しく理解しなくてはならないということ。特に利他はその最たるものの一つ、と思った。
  • 保守と立憲 世界によって私が変えられないために
    執筆当時のタイムリーネタが多く2024年現在では古く感じたが、他の本でも書いてる政治家のスタンスを四分割して理解しやすくする手法は好き。
    一般に先人の叡智を利用している現状を表すのに巨人の肩の上という表現を使うがこの本ではストレートに「死者」という言葉を使う。独裁国家や安倍晋三元首相(今は死者)を例...続きを読む
  • 「リベラル保守」宣言
    「戦争を知る世代が持って欲しい良識」

    本書で語られる保守は自分の持っていたイメージとは違っている。
    理性の完全性を疑い、歴史の検証に耐えた伝統などを重視する態度が保守のおそらく本質で、単なる反左翼の思想ではないようだ。
    リベラルと保守は相反する概念だと思っていたが、「自由」と「寛容」を重んじるリベ...続きを読む
  • 自分ごとの政治学
    「保守」「リベラル」「右翼」みたいな言葉の意味がはっきり言ってよくわからなかった私ですが、明快で読みやすかったです。いわゆる右派・左派が現代では元々の立場を離れて近づきつつあり、あまり意味がないことや、その代わりの軸としての「お金・価値観」の提案は、現実に今ある課題との向き合い方をうまく説明している...続きを読む
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    コロナ後の世界というのはわたし自身にとっても明確にいろいろな意味でそれまでと変わりました。
    わたし自身は50代半ばですがワクチン接種は拒否しています。
    コロナウイルス自体に関しましては、日本人にとってはもともと大騒ぎをするほど大して問題ではなかったのですが、健康な人達までもがコロナワクチン注射を受け...続きを読む
  • 保守と立憲 世界によって私が変えられないために
    保守とパターナル、リスクの個人化/社会化で見る政治の姿勢。
    確かに論点は多様化し、個別政策の差は大きくないかもしれないが、優先順位、手順に違いが現れるものか。

    ・特定の時代・時間に制約され、能力的限界に規定されているという謙虚で積極的な「諦念」を持つこと

    ・歴史の風雪に耐えてきた伝統・慣習・良識...続きを読む