中島岳志のレビュー一覧

  • 「利他」とは何か

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「利他」について5人が違うアプローチで切り込んでくる。「利他」を推奨するような本なのかと思っていたが、純粋に「利他」を科学している内容で、これはこれで大変興味深い。仏教的なアプローチはありそうだが、言語的なアプローチなど思いもしなかった。能動でも受動でも無い「中動態」も考えさせられる内容だった。おすすめ。

    0
    2022年10月20日
  • 「利他」とは何か

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    利他: うつわになること。意図的な行為ではなく人知を超えたオートマティカルなものであり、そこに利他が宿る。

    0
    2022年09月13日
  • 自民党 価値とリスクのマトリクス

    Posted by ブクログ

    本人の著作、対談、インタビューから価値観と政治役割の認識を整理。
    単純化してはいるがわかりやすく、俯瞰的な位置づけを把握するのによい。
    関心の第一歩。

    0
    2022年09月11日
  • 自分ごとの政治学

    Posted by ブクログ

    政治は最近というか前から興味があったけど手に付け難かったジャンルだった。
    いつかはちゃんと向き合わなければいけない内容であり、自分に深く関係していることは分かっていても、なかなか簡単に理解できるものではないと思い、遠ざけていた。

    でも、この本はすごく基本的なことが、分かりやすく書かれていて、しかも読者のニーズの的を射た内容だ思った。

    個人的には、ガンディーの政治に対しての考え方になるほどと思った。
    政治とは本来どうあるべきなのかを深く考えさせてくれる人だと感じた。

    基礎的な内容(右翼左翼とは何なのか、保守主義とは、また「リスク、お金とリベラル」を軸としてできる象限など)も分かりやすく、理解できた。

    定期的に読んでも良い本ではないかなと思った。

    0
    2022年08月29日
  • 親鸞と日本主義(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    本書を読んでいくつも気にかかることがあった。個人的なこともあり、また、もう少し大きな問題もある。

    個人的なことといえば、父のことである。父は10数年前に病没したのだが、入院中にせん妄状態になり、「天皇陛下に申し訳ない」と言い出した。かれは、旧職業軍人で、終戦時には連隊長で、日本に生還したのはかれの部隊の5%ほどであったという。戦後すぐは主だった部下の家族のもとを訪ねてその戦死の様子を伝えていたという。私がそのことを知ったのは、最晩年のことで、かれは戦争体験のことはごくわずかしか語らなかった。

    しかし、そのかれが、死の間際に申し訳ないといったのは、陛下から預かった部下や武器を失ったことであった。せん妄状態とはいえ、晩年でもそのようなことは語ったことがなかったので、ある種のショックを受けた。幸せな戦後を家族とともに送ったはずだったのに、穏やかでない死を迎えたと思えた。もちろん、戦中戦後まもなくであれば、かれの行動や言動は、おそらく共感を持たれたのではないかと想像するのだが。

    本書と関連することで言えば、祖父は本書に登場する近角常観に接し、職業軍人であった父はおそらく時期的には弟の常音の教えを受けたようだ。常音は私が生まれた頃に亡くなったのだが、両親は戦後も、常音の縁者(信者と言ってもいいだろう)会を重ねていたようだ。私自身。子供の頃に何度も、東大谷の親鸞御廟の社務所での会合に参加する両親とともにでかけ、妹とその間境内で遊んでいた記憶がある。また、自宅にも少なくとも私の小学生の頃までは、常音の縁者だった両親の友人たちが訪れていた。

    うる覚えではあるが、父は最後の戦場(終戦を知らずに?1945年9月まで、フィリピンの山中をさまよっていた)に赴くおり、常音を訪ねて心がけを聞いたという。親鸞の教えを近代日本に蘇らせるべく葛藤し宗教改革を目指した、清沢満之や暁烏敏、近角常観の系譜の一端に、父もそして、父と1944年に結婚した母もまた、「近角宗」の教えに感化されていたのである。その後も、両親は浄土真宗大谷派の寺院の檀家の一員として、様々な会合に出向いていた。

    本書は、近代日本の宗教改革を目指した清沢らの背景には親鸞自身の持つ思想があり、くわえてそのかれらの理解が「日本主義」と親和性を持っていたがゆえに、かれらの宗教改革が帝国日本のファシズムに加担することになったとする。本書を読むとたしかに、その流れがよく理解できたのだが、とはいえ、真宗教団自身はどうだったのか、ということが気にかかるところだ。

    むしろ、真宗教団は彼らの解釈を利用して体制迎合して戦場に真宗信徒を送り出すことの加担したと言えるのではないだろうか。戦場に教誨師を部隊とともにおくり、天皇のために死ぬことについての宗教的な心証を信者に与えようとしたようだ。真宗は、少なくとも中世から近世にかけて一向一揆は明らかに反体制的であったはずであったが、しかし、徳川幕藩体制に入ると、体制側に組み込まれる。差別戒名のことや宗門改めの名目をもったキリスト教弾圧に体制側として加担していたことは確かと言えるだろう。

    親鸞は「弟子一人ももたず」と述べていたように、かれは、思想家として「絶対他力」を唱えるものの、かといってそれを他者に教えることはしなかったのではなかったか。教えるという行為は「自力」と親和性があると理解したからだろう。親鸞自身の教えからすると、真宗は教団を作らなかったはずだ。しかし、その後、蓮如以降、一向宗として体制と対立して独自の宗教王国を作ろうとするという思考は、逆に体制への組み込まれやすさを生み出すことになったのではないだろうか。明治維新以降の真宗の宗教改革は畢竟、蓮如の踏襲であって、親鸞へのそれではなかったのではないだろうか、と思えてしまう。

    とすると、本書が今後の課題として抱えるのは、真宗教団というややもすると体制へと迎合しようとするながれが、清沢らの改革派をとりこみ、かれらの「日本主義」的理解を利用しようとした流れを批判的に検討することなのではなかとおもえるのだが、どうだろうか。

    0
    2022年08月29日
  • 自分ごとの政治学

    Posted by ブクログ

    簡潔に書かれていて、読みやすい。入り口にすぎないけど、ここに書いてあることすらも私は知らなかった。ガンディーの話はちょっとよくわからなかったけど、そのほかはとてもスッとはいってきた。自分がよく考えたってどうにもならないさという空気と、関係ない感じ、なんで勿体無いんだろう。本当に結構日本てヤバいのではと思ったな。

    0
    2022年05月31日
  • 保守と大東亜戦争

    Posted by ブクログ

    戦時中に大人だった世代が言う保守論法と、
    終戦後に育った世代が言う保守論法はこんなにも違うのだな

    そして今、自虐史観だ!と声を荒げることがもはや時代遅れになってる

    世代によってこれだけ感じることが違うと知れる良い本だった

    0
    2022年04月30日
  • 別冊NHK100分de名著 メディアと私たち

    Posted by ブクログ

    大変読みやすかった。大澤真幸の解説が特に秀逸。メディア論を多角的かつ具体的に学びたい方の導入書としておすすめ。

    0
    2022年04月05日
  • NHK「100分de名著」ブックス オルテガ 大衆の反逆 真のリベラルを取り戻せ

    Posted by ブクログ

    真理は手に入らない、人間は不完全な存在であり常に自己懐疑的視点を持ち続ける。他人の意見に耳を傾け、自分と異なる考え方に対して寛容になり、合意形成を粘り強く模索する。何かと他人を論破してやろうとする今のご時世で、本書を何度も読み返し、常に自省を促していきたい。

    0
    2022年03月19日
  • 自分ごとの政治学

    Posted by ブクログ

    ☑︎ 政治とは、"簡単には分かり合えない多様な他者とともに、何とか社会を続けていく方法の模索"である
    ☑︎"宗教は、同じ場所に到達する別々の道です"

    0
    2022年03月16日
  • 支配の構造 国家とメディア――世論はいかに操られるか

    Posted by ブクログ

    1.なぜ相変わらず私達国民はメディアや政府に騙されてしまうのか、対策はないのか、を考えるために読みました。

    2.現代メディアは「単純化」という罠仕掛けてあらゆる情報を分かりやすく伝えています。ゆえに、視聴者は飛びつきやすく、自分が考えなくても「考えた気になってしまい」、結果として手のひらで転がってる状態になってしまいます。
    本書では、4人の著者が自身のオススメの本を通して、日本のメディアがどのようにして国民に情報提供をしてきたのか、そして、国民がどう変化してしまったのかを述べています。

    3.「真実は伝わりにくく地味であり、嘘は単純で分かりやすく伝わる」ということを普段から心がけて情報収集にあたっています。メディアはいわば伝えるプロなので、手段を問わず、視聴者を取り込んでいきます。それが仕事であり、自分の収入に直結するからです。しかし、そのメディアの方々どんな気持ちで仕事してるのだろう?正直、私はメディア、テレビの情報は一切信用しておらず、データも改竄されてることを前提にニュースをチェックしております。ここまでやるのはやりすぎではありますが、自分の疑問フィルターが弱い分、騙されやすいことも理解した上での対策です。今の日本人はこの疑問フィルターが強い人と弱い人が二極化しました。弱い人に訪れる未来は不幸です。
    人生は決断の連続である以上、相手が誰であれ、後悔のない選択をしていきたいなと思いました。

    0
    2022年02月10日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

    Posted by ブクログ

    第2弾の方が面白かったから、遡ってこの第1弾も。識者による未来予測だから、概ね似た内容になるのはむべなるかなで、『とんでもないな』って思うことは無い反面、そこまでインパクトの大きい論説には出合えなかったり。ただ、そんな中でも探検家・角幡さんの投稿はかなり移植で、だからこそ際立って面白く感じられた。コロナ突入のちょうどその時期、極地単独踏破を敢行していたなんて、まさにリアル浦島太郎。そんな状況に身を置かれていたとは。色んな意味で得難い体験。面白かったス。

    0
    2021年12月09日
  • 支配の構造 国家とメディア――世論はいかに操られるか

    Posted by ブクログ

    メディアの功罪がいくつか語られているが、最も罪深いのが「単純化」だ。ネットの世界も同じだが、単純化しないと新聞が売れないし視聴率も取れない。「わかりやすくお伝えします」というのは紙面リニューアルやニュースの新番組で聞かれる決まり文句だが、それが良いことだという共通理解がある。とんでもない。わかりやすく伝えるという事は、細部を意図的に切り捨てていくことだ。世の中そんなにわかりやすくはできていない。こうして大多数の国民から、どんどん複雑なことを理解する能力や耐性が失われていく。メディアが単純化しているのは彼らに事実を伝える情熱が欠けている事のほかに、それが求められていないからでもある。一方的にメディアと国民のどちらに責任があるのかは難しい問題だ。

    0
    2021年11月15日
  • こんな政権なら乗れる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     強いリーダーシップの一方的な決断ではなく、
     「事態を正確に読み解く力」
     「現場からの声を傾聴する力」
     「自らと異なる主張や分析が正しければ受け入れる力」
     というのが、本書を貫くテーマ。

     具体的な実績を野党は、というけれど、
     与党も何も出来ていないのでは?
     

     

    1
    2021年09月15日
  • 支配の構造 国家とメディア――世論はいかに操られるか

    Posted by ブクログ

    4人の論客がそれぞれ一冊ずつ名著を引用しながら議論を展開する。内容はメディアと社会の関係性、その歴史、そして今後のメディアの展望。個人的には近代小説が近代国家の解説に加担したという部分が興味深い。文語から口語へ移ると同時に、文字が知識人階級から大衆へと解放されていく。魯迅の白話運動はその典型だろうか。そういう意味で近代国家は知識人階級と大衆を同等に扱うことによって成立している仕組みとも考えられる。メディアに影響されやすい性質を内在する大衆が中心を担っている社会であるからこそ、メディアによる煽動や忖度など、社会の中に存在する危険性には注視する必要がある。

    0
    2021年08月25日
  • こんな政権なら乗れる

    Posted by ブクログ

    リベラルの反対は保守ではなくパターナルか、なるほど。そしてパターナルな与党のオルタナティブであるべき野党もまた規模の小さいパターナルになっている、という点にはこれもまたうなずける観点だった

    今の体制にNOを攻撃的に突きつけたくなる。その方がカタルシスを感じられるからなのだろう

    毎日のように流れてくるニュースを見聞きしているとその不可解さに攻撃的な言動をしがちである。だがこの本を読んでると自分の眉間の皺が緩まっていくのがわかる。

    必要なのは時間をかけてでも対話しながら一緒に考えていく。民主主義を盾に強引に多数決という数の論理で押しきるんじゃついてこない

    1
    2021年07月26日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

    Posted by ブクログ

    コロナ後の未来のお話が1年経った今も現在進行形の状況でもフィットする内容でした。専門分野の方達がそれぞれの違った視点で社会とパンデミックの関わり合いがとても参考になりました。今後さらに深掘りしたいですね。

    0
    2021年06月15日
  • 別冊NHK100分de名著 メディアと私たち

    Posted by ブクログ

    このシリーズは有名な著作を分かりやすく解説してくれるのでお気に入り。
    アメリカ大統領選やコロナによる社会情勢の不安もあって、メディアに対する不信感が高まっている現在では非常に参考になる内容だった。
    特に山本七平の『空気の研究』を解説していた部分は興味深いものだった。日本人独特の「空気を読む」という特性に関して、クリスチャンとしての山本が宗教観を交えながら分析するもので、今度改めて読んでみようと思った。

    0
    2021年01月25日
  • 自民党 価値とリスクのマトリクス

    Posted by ブクログ

    『自分ごとの政治学』を読んで、そういえば『自民党』が積読されっぱなしだったことを思い出して読む。

    お金(リスクの社会化・個人化)と価値(リベラルとパターナル)をそれぞれ縦軸、横軸にして、9人の自民党の政治家の立場を、それぞれの著書もしくはインタビュー記事などを通して、分析したもの。

    今の首相も官房長官ももちろん対象になっている。
    今の自民党は、パターナル・リスクの個人化に突き進む人が中心になっていることがよくわかる。でも、そうでない政治家もいるわけで、人柄ではなく、ヴィジョンとともに、「合意形成のための人間的な『プラクティカル・ナレッジ』(実践的な知)」を持ち合わせた人であるかを見極められるようになりたいし、自分自身も、合意形成に努力できる人でありたいと思った。

    とはいえ、自分と違う意見や考えの人の話を「聞く」ことはできるけど、そこからどう合意形成していけるようにするかって、実はとても労力も忍耐も必要なことだ。内田樹さん(だったかな?)が、それぞれに不満は残ってもほどほどのところに着地点をおくことが必要というようなことを何かで書いていたけど、それを見つけることが難しい現実。でも、嘆いていないで、うまくいかないからと、失敗したからとあきらめずに、試行錯誤することが大事なんだよね、と言い聞かせてみる。

    0
    2021年01月04日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

    Posted by ブクログ

    誰もが気になっているだろうし、自分も気になっているコロナ後の社会。それを考えるヒントになりそうだと思って読んでみた。

    読んでみて、やはりコロナ後の世界は誰にもわからないのだという、当たり前だけれどちょっとホッとする自分なりの結論。でも、少なくともコロナ以前に戻ることはないし、新しい社会を作り上げる(あるいは、遠い未来に実現するはずだった社会を、少し近い未来に実現する)ことになるのだろうという予測はたった。

    その時に、どんな未来が待っているのか、自分はその未来でどのように立ち振る舞うのかを、いま考えなければならないという感覚を持った。

    0
    2020年11月14日