あらすじ
もっとも分かりやすい、著者初「政治」の入門書!
学校で教わって以来、学ぶ機会がない「政治」。大人でさえ、意外とその成り立ちや仕組みをほとんんど知らない。しかし、分かり合えない他者と対話し、互いの意見を認め合いながら合意形成をしていく政治という行為は、実は私たちも日常でおこなっている。本書では、難解だと決めつけがちで縁遠く感じる「政治」の歴史・概念・仕組みが2時間で理解できる。政治の基本概念は、どのように私たちの生活に直結しているのか。自分なりに政治の「よしあし」を見極めるポイントはどこにあるのか。「右派と左派」「民主主義」から「税金と政策」まで。思わず子供にも教えたくなる、政治と自分の「つながり」を再発見するための教養講義。
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Posted by ブクログ
恥ずかしながらいまさら政治の勉強をと思い読みました
わかりやすく右と左の違いや立憲とはなにかなど勉強できました。
やはり中島先生の文章が好きです。
Posted by ブクログ
政治は過去の人々が作り上げたものを受け継いでいくものなのかも。
選挙に行こう?でもなんで?って言われた時の、最も納得のいく解をもらえた本。
Posted by ブクログ
ページ数としては短いながらも要点がまとめられており、
気づけばいつの間にか読み終わっていた。
楽しく学べるので1000ページくらい読みたかった。
右翼(原理主義):原点になっている過去の時代に回帰すれば、理想社会の実現が可能と考えている
左翼(進歩主義):未来に向けて社会が進歩していった先に理想社会があると考えている
時代のベクトルが逆に向いているという発想はなかったので新鮮だった。
左派 vs 右派 という構図の無効化
左派は、近代の進歩主義に対する懐疑的な事件(原発事故)があり、自然との調和を講じる。
右派は、原理主義の考えに基づき過去の叡智を求めるが、人間の理性は必ずしも正しくないと考え、少しづつ知識にアップデートを加える漸進的な変化を講じるようになった。
左派と右派という対立軸で語られなくなった今、筆者が着目しているのが「お金(リスク)」と「価値」の2軸4象限である。
この4象限を今の政治家や政党の立ち位置にあてはめて考える。
リスクには「リスクの個人化」と「リスクの社会化」があり、リスクの個人化は税金が安い代わりに、社会保障などのサービスが乏しく、個人の自己責任によって社会を維持するものである。
リスクの社会化は、税金が高い代わりに、社会保障などの行政サービスが充実しており、社会で助け合おうという考え方である。
価値には「リベラル」と「パターナル」があり、
リベラルは個人の考えを尊重し、価値観に対する権力的な介入は少ない。
パターナルは個人の価値観を無視し、権力的な介入を強めて行うものである。
「民主」と「立憲」の対立
民主は多数決によって判断するもの
立憲は多数決で賛成が出ても、憲法に照らし合わせてやってはいけないことはやってはいけないと制約によって判断するもの。
立憲は今までの死者が積み上げてきた過去の経験値によって生み出された憲法を礎にしている
一方民主は今を生きている者同士での対話である
現代では死者は軽んじられ今を生きている者だけで
政策を論じようとする傾向にある。
死者の思いを背負ったうえでよりよい社会を作っていく「立憲」民主主義を今こそ思い出さなければいけない。
Posted by ブクログ
氏の手になる、新聞や雑誌への寄稿は、なるべく目を通すようにしている。鋭く的確な時評も多く、新たな視点を獲得できる可能性が高いから。そんな彼による、基本的な政治のはなし。面白くない訳がない。単純に右か左かって割り触れるものではなく、その中にもグラデーションが存在する。それは多分、当たり前のことなんだけど、上手く言語化して分かりやすく提示されている。
Posted by ブクログ
昔学んだ知識ではどうにも世の中が理解できないなぁという、まさに学び直したい私にピッタリの「きほん」が、丁寧に書かれている本。
言った者勝ちのような、主張の強さが押し切られてしまうような世の中で、この先の社会はどうして行けば良いのか、ものすごく大切なヒントを頂けた気がします。
Posted by ブクログ
読みやすい、わかりやすい、スラスラ読めるけど私たちの生活や今の社会を思い浮かべながら読むことができる。
私にとって、特に「ガンディー」のところや、「死者」のところは新しい見方でした。
Posted by ブクログ
ちょっと前に随分評判だった政治学の本。政治について全然知らないので読んだ。
四章立てになっており、
一章では左派右派では現代日本の政治は捉えられないことを、
ではどう分類するのかというと二章でリベラル/パターナル、リスクの社会化/個人化の四象限で描けると語る。
三章ではガンジーを引き合いに自分の生活が政治へ結びつけることが出来ると説き、
四章では民主と立憲の対立や、立憲は死者からの信託であるが近年軽視されていると締めくくる。
という理解をしました。
民主主義の脆さについても紙面が割かれていた。
最近「人間は愚か」という考えがネットミームとして出てきているが、これが社会の隅々にまで浸透した時、「もう個人の意向を吸い上げる民主主義は古い、これからは一部の優秀な人間に統治してもらうべきだ」みたいな政治思想が出てくるかもな〜とか思いました。
あとガンジーの若年エピソードがパンチがあって凄い。禁止されている肉食をしたりたばこを吸ったり性欲に溺れたり、自己嫌悪で自殺未遂をしたり、マッチポンプが過ぎるよ。
Posted by ブクログ
なんと易しい言葉で、多くの気づきを与えることか!
政治学の基本(右派、左派、保守、リベラルなど)、民主主義と立憲主義、死者の存在の仕方。
食べる、移動する、買う…日常生活を丁寧に生きることで、政治問題に必ずたどり着く。
ガンディーの例にも見る通り、日常の延長線上に政治はある。。
著名なリベラル・パターナル、リスクの社会化・リスクの個人化の表も出てきます。
Posted by ブクログ
右とか左とか、リベラルとか、今までは分かったようで分かっていなかった言葉の意味がちゃんと理解できた。
政治学の本だけど、難しいことは書いてなくて、だからわたしみたいに言葉の意味が分からない人にこそ楽しんで読んでもらいたいし、この本の存在を知ってもらいたい。
わたしは、モノやサービスを選んでお金を支払うことは、投票することだと思っているんだけど、これも政治だったんだな。
自分の本当に身近なところに、政治は存在している。
でも、やっぱり選挙はちゃんと行かなきゃいけない。
いまを生きるわたしたちや未来のためはもちろん、過去の人たちが礎を築いてくれたおかげで、少なくとも日本は戦争のない国になっているんだから、過去の人に恥ずかしくない世界を創らなきゃいけない。
Posted by ブクログ
これからを考えるべき若い人にも、過去過ちを許したことがあるかもしれない大人にも読んでほしい一冊。
過去と未来を見据えた政策を支持していきたい。
そして憲法の絶対的権力を守っていかなければならない。
近年の政治的決定は全て利権で動いてるいるような印象。
私たちのお金と私たちの権利が奪われていること、それに対し選挙で介入できることを国民一丸が自覚しなければいけないと思う。
Posted by ブクログ
政治なんて難しくて分かんない、と決めつけてきた。だけどこの本は、そんな苦手意識をガラッと変えてくれた。ちゃんと政治家を見る目を養って選挙に行きたいと思うようになった。
Posted by ブクログ
非常にわかりやすく「右派と左派」「おおきいせいふあと小さい政府」「リベラルとパターナル」などの言葉が解説されている。確かに今の時代は「生きている人」が中心であるかのような世の中だと思う。自分もそういうイメージを持っていたが、その考え方が大きくなると良くないなと思った。今まで世の中に関わってきた「死者」の積み上げたものを踏まえて物事を選択する必要があるのだと思う。政治学に詳しくない人でも読めて面白かった。
Posted by ブクログ
ネット上で個人の政治的思想を揶揄するときに用いられる「右派」「左派」といった対立軸で政治を語ることの無意味さ、そして、どのような対立軸で政治的思想を捉え直すべきか、がわかりやすく理解できた。
また、「立憲」「民主」の正確な理解とそのバランス感覚を活かすことで、憲法のより深い学習ができると感じた。
Posted by ブクログ
政治に興味を持たないとなあ〜と思い、軽い気持ちで手に取った一冊ですが、思いのほか衝撃を受けました。
一言で言うと、「死生観をも揺るがす一冊」
まず、政治とは何なのか、誰のためにどのようにして作られたのか、よく出てくる「左翼」「右翼」「リベラル」「保守」などを丁寧に解説してくれます。
これを読むと、今までどこに立てばよいかまるで分からなかったところから、何となーくですが、「自分はこの辺の立場かな?」というのが見えてきます。
今まで蚊帳の外のような気持ちだった政治初心者からするとこれがとても嬉しかったです。所属できるチームに目星がついた感じ。笑
次に現代の政治があるのは、「死者」の存在があってこそという内容。よく考えれば当たり前のことかもしれませんが、今を生きること、目に見えているものに必死でここに意識がいってなかった私は頬を引っ叩かれた感覚でした。
まさに「死生観をも揺るがす一冊」です。
具体的な政策などは一切分かりませんが、政府がどの方向性に向かって行くのか、各政党、政治家のポジションを調べたり注目してみようと思いました。
Posted by ブクログ
ニュースを見ていて、なんとなくわかっている気になっていた政治用語。
改めて調べたり、人に聞いたりすることも今までなかったけど、シンプルかつ分かりやすい説明でよく理解できた。
当たり前過ぎることは、大人になってからはなかなか聞きづらかったりもする。そういう時にもってこいの本。
100ページほどのボリュームと余白の多さなので、短時間でササッと読めるのもいい。
政治の他にも哲学、日本語など様々なジャンルがシリーズであるみたいなので、また少しずつ読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
個人的には政治について非常に分かりやすく書かれていると感じました。
右、左とはなぜそういうのか?立憲と民主は対立する概念なのか?など、普段あまり考えないことを学べました。政治の仕組みは生者だけのものでないという考え方は確かにそうだな、と思えました。
Posted by ブクログ
知らなかった右、左の由来、リベラルとは。
横軸の価値(リベラル↔パターナル 寛容、自由↔父権的)、縦軸のリスクとお金(社会化↔個人化)、すんごいわかりやすい解説。
最後の、死者とともに生きる、という言葉も印象に残った。
Posted by ブクログ
短くてとても読みやすかった。
自分は政治に疎いと思うがこの本は入門書として良いと思った。
政治的な意味で使われる「右」「左」という言葉の定義や成り立ち、リベラル、パターナル、保守、リスクの社会化などの解説も分かりやすかった。
Posted by ブクログ
政治は最近というか前から興味があったけど手に付け難かったジャンルだった。
いつかはちゃんと向き合わなければいけない内容であり、自分に深く関係していることは分かっていても、なかなか簡単に理解できるものではないと思い、遠ざけていた。
でも、この本はすごく基本的なことが、分かりやすく書かれていて、しかも読者のニーズの的を射た内容だ思った。
個人的には、ガンディーの政治に対しての考え方になるほどと思った。
政治とは本来どうあるべきなのかを深く考えさせてくれる人だと感じた。
基礎的な内容(右翼左翼とは何なのか、保守主義とは、また「リスク、お金とリベラル」を軸としてできる象限など)も分かりやすく、理解できた。
定期的に読んでも良い本ではないかなと思った。
Posted by ブクログ
簡潔に書かれていて、読みやすい。入り口にすぎないけど、ここに書いてあることすらも私は知らなかった。ガンディーの話はちょっとよくわからなかったけど、そのほかはとてもスッとはいってきた。自分がよく考えたってどうにもならないさという空気と、関係ない感じ、なんで勿体無いんだろう。本当に結構日本てヤバいのではと思ったな。
Posted by ブクログ
☑︎ 政治とは、"簡単には分かり合えない多様な他者とともに、何とか社会を続けていく方法の模索"である
☑︎"宗教は、同じ場所に到達する別々の道です"
Posted by ブクログ
政治に苦手意識があって、でもそうも言ってられない情勢になり、手に取った一冊。
難しい言葉は一切無く、政治に触れる準備をさせてくれた様な印象。
自分ごととして考えるキッカケは、生活の中から拾える。
この本で政治を知る入り口に立つ心構えが出来たので、ここから勉強していかなければ。
Posted by ブクログ
p66
- [[スワデーシー]]という概念における富の流出は「先進国vs発展途上国」として常に発生しうる普遍的なテーマではないでしょうか。「チ。地球の運動について」での「労働vs対価」とは異なるものと思う。労働者は、対価(賃金)+スキル+社会的地位など、得られるものは賃金だけではないと思うからです。...が、対価を得るためだけの手段としての労働をしているのであれば、「富の流出」に極めて類似してくると思います。
p86
- 2015年の安倍政権において、憲法五十三条の条件を満たして、野党が臨時国家を要求したが、憲法には「要求があってから何日以内に開催しろとは憲法には書かれていない、いつでもいいんだ」という理屈を強引に持ち出して拒否していたと知った...。2024年12月に自公国の3党間の幹事長レベルでの、「103万円の壁」、「ガソリンの暫定税率の廃止」に対する、石破内閣の、「実施期限は書かれていない、いつでもいいんだ」という理論に似ていると感じた。
Posted by ブクログ
「保守」「リベラル」「右翼」みたいな言葉の意味がはっきり言ってよくわからなかった私ですが、明快で読みやすかったです。いわゆる右派・左派が現代では元々の立場を離れて近づきつつあり、あまり意味がないことや、その代わりの軸としての「お金・価値観」の提案は、現実に今ある課題との向き合い方をうまく説明していると思いました。
バークの主張と日本国憲法のつながっている部分「過去に学ぶ・死者を背負う」というのはかなりしっくりきますし、必要性を感じます。