池田清彦のレビュー一覧
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この本に書かれる主張が受け容れ易いか否かは置いておくが、少なくとも、考えさせられるテーマやキーワードが豊富である事が特徴的だ。著者は、ホンマでっかTVでよく知られる池田先生。流石に博識。テーマに沿った考察に用いる引き出しの中身は多い。しかし、本著は所謂評論なのであって、いち考え方でしかない。だからこそ、いや、私ならこう考えるが、とひとりでに思考が進み、同意したり反証しようとしたり。それがまた楽しい所作にもなるが。
例えば、アモク・シンドローム。自尊心を傷つけられた人間が自己破滅的になり、自分は死んでも構わぬが周りも道連れだと、大量虐殺に及ぶ。男にしかいないらしい。しかし、これって誰しも実行は -
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ネタバレ「ホンマでっか!?TV」でお馴染み、池田清彦さんの『進化論の最前線』
ダーウィンの自然選択説とメンデル遺伝学が融合した「ネオダーウィニズム」。生物の進化の主な要因は突然変異と自然選択であるともっともらしく言われることが多いそうですが、実際はまだまだ解明できていない謎がかなりたくさんあるとのこと。そんな生物の進化について、「わかっていること」と「わかっていないこと」を池田先生が平易な文章で教えてくれました。
約700万年前に分岐したヒトとチンパンジー。DNAにおける塩基配列はたった1.2%の違いしかないそうですが、ヒトが大きな脳を持つことができたのは脳の肥大化を抑制するDNAを失ったことによ -
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ルリボシカミキリの項に書かれている「自然現象は複雑で、たった1つの原因で説明できるほど単純ではないのである」。これは自然現象のことではあるけど、何かあるとすぐに騒ぎ立てる人たちに聞かせてあげたい。そう思う反面、この本自体もそういう起爆剤になりかねないなあ、という危惧。
本書には何かの背景に利権があるから、それを知っておけ、という指摘が度々出てくる。その指摘自体の多くは僕も納得の行くものなのだけど、そうするとすぐ陰謀だ利権だと白黒ハッキリみたいな話になっていく。白黒の目盛りを身につけた上で、灰色でいようよ、と思うのですが…怒られちゃうかな。 -
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さらりと読めます。
マイノリティの中の優越だったり、
自分に対する特別感だったり、
自分の浅ましさについて私も良く考えるのだけど、
そうやって何度も思い起こすということをしないと、
人はすぐに、人を見下したり、差別したり、浅ましいことをし始める。
それもひっくるめて、私だし、人って優劣をつけるからこそ成り立っているものも結構あるのだと思うし、完全に差別のない社会が誰もが望む社会なのかと言われたら、イエスとは言えないんじゃないかという自分もいる。
でも、それでも、気づける範囲でフェアでありたいと願います。
思い上がりも、視野の狭さも、見識の低さも
これがあたしな