池田清彦のレビュー一覧
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上っ面だけの多様性尊重社会を身近に行きながら疑問を感じ、生物学的観点から説明してくれていることを期待して購入。女性活躍に関しては出産育児を加味せず実力主義を推進していることで残念ながら考えが違った。
しかし日本がいかに画一的な組織であるか、そのリスクが以下ほどかを説明してありもっと真剣に取り組むべき問題であると認識。
コミュニケーションは自分が変わってからこそ価値があるというのはその通りで、その為に柔軟な頭を持っていなければならない。考えがぶれているとか、一貫性がないことが攻められがちだが楽しくいきたほうが勝ちなのだ。そして考え方に多様性があったほうが柔軟に生きていける。大いに賛成。 -
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ありきたりと言えばありきたり。
・概念が孕む同一性はひとつしかない、と信じて疑わない人
・自分の考えていることこそが正しいので、他の人も当然、同じことを考えていなければおかしい、と思い込む人々
「多様性」「ダイバーシティ」とか言いながら我々はこれまで、そんな教育を受けてきていないし、そんな社会風土で過ごして来たわけでもない。
日本はオワコンじゃないか?とさえ思ってしまう。
・選挙に行っても何も変わらない、などと言う人はマインドコントロールされているわけで、選挙にいかなければ何ひとつ未来を変えることはできないのだ。
ほんとうの意味で「多様性」を受け入れよう
まだ、わたしもバカなんだ -
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日本をはじめとする各国で問題視される孤独の問題。
精神的な意味だけでなく健康面からも孤独がもたらす弊害は大きく、喫煙よりも寿命が短くなるのに寄与しているなんていう結果もある。
そして日本は少子高齢化の進行により、ますます多くの人が孤独に苦しむようになる。。
という孤独だが、そもそもなぜ我々人類は孤独をそこまで恐れるのだろう?他の生物は孤独をどのように扱っているのだろう?
という疑問を元に生物学者が様々な生物の社会的生態や人類の太古の歴史を紐解いていく話。
途中の日本社会に対する批判はちょっと本誌で書くことではないのでは?と思ったりしたマイナスポイントはあるものの、小さな社会に囚われがちな -
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生物学ネタか人生訓か?どっちも楽しめた私は満足
明石家さんま出演のテレビ番組『ホンマでっか!?TV』でおなじみの生物学者、池田清彦先生の著作です。
ゲノム解析した結果、人間のDNAに刻まれた本来の自然な寿命は38歳なのだそう。だから人間それを過ぎたらあとは余りものの人生なんだし、他人や社会に押し付けられたルールではなく自分で規範を設けて(時には規範を破る快感も味わいながら)好きに生きていこうというメッセージがこめられています。
人生訓と生物学トピックを、やや力技でからめているような、ただ単にたがい違いに繋ぎ合わせただけにも思える構成ですが、中年の生き方と生物学どちらにも興味がある私は楽し -
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現代の日本人はシステムや権力に従順で、逆らわないことや意見を抱かず、社会のシステムに乗って生きることが最も心地良く安定した人生になるとのこと。確かに選挙の投票率は低く、政治的関心は薄い。目先の生活に直結する批判しか出来ず、国家や社会の将来について考える人は少ない。
むしろ何か意見を持つと、意識高い系と変な目で見られる兆候もある。そして大多数が求める(もとい、理解できる)低俗な娯楽や言動だけが賛同される。ユーチューブやSNSで日々発信されている大部分の内容が、筆者にはそのように見えるのだろう。
このような状態を精神的な自己家畜化が極まった状態と称し、自己家畜したヒトで溢れるこの国は「バラエテ -
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書店で見かけて気になったもの。先だって読んだ高橋新書の中で、"バカ"のつくタイトルの多さにチクっと物申されていた影響で、そのすぐ後に本書を読むのも何だかなぁ…とは思いつつも、それはひとまず置いといて。序章で著者自身が書いているように、本書でいうところの”バカ”は、いわゆる話が通じない人、って意味でのそれ。著者特有の極端な物言いはさておき、いわゆる”バカ”にガンガン苦言を呈すってのは、やはりそれなりに痛快。そして”バカ”論は、空気を読むとか忖度するとか、出る杭は打つような、画一化を狙った国の政策から大本が生じている、というあたりに向かっていく。やっぱりここでも、注意を払わなき
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2020年、COVID-19が席巻した世界では次々と社会の歪みが露呈した。そのコロナ期とポストコロナ期に、次世代の若者たちがどう生きるべきかを内田樹をはじめとした様々な年代の言論人たちが語る。
内田さんが声をかけて集まった様々な分野の今をときめく著名人たちがコロナとコロナ後の世界をテーマに執筆しました。内田さんのセレクトだけあってみんなけっこう尖っていて(偏っていて)どれも読み応えのある内容でした。中学生向きということで平易な文章で一編が短いのも読みやすくていいと思います。そしてみんな分野が違うので、コロナ期というものを違う角度から見ているのも面白い。また、分野が違っても結局、多くの著者が今 -
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親ガチャ、という言葉は刺激が強い。けれど、どこか、中空だ。親は選べないけど、こうした私がいるのは、先祖から延々とつないできた命の営みの必然だったりする。問題は、この言葉が一見生まれによる不運さ、を切り取っているようで、強烈に親ガチャで決まるような社会は生きるに値するのか? という問いを内包しているのではないか、ということだ。生まれに着目すれば、次にでてくるのは育ち。育ちとは何か。環境と引き継いだものの影響の及ぼしあい。
しかし、親ガチャで決まるということは、この間の一切合切が、省略されたレールの上に載っているということか。透明カプセルのなかで、社会そのものをスルーする。そこにあるのは、うまく -