池田清彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
対談している年配の男性2人に、こちら側の「負の性欲」が働いてしまうのか、少し不快に感じる場面もあった。
それでも、発言の多くは芯を食っていて、的を射たものが多いと感じた。
本書の主張は「人間も生き物なのだから、本能にもっと忠実に生きよう」というもの。
よく日本の性や恋愛観と対比されるフランスの感性についても、「フランスでは不倫を含む自由な恋愛が社会的に許されがちで、それが本来の人間らしさではないか」と紹介されている。
一理あると思う一方で、現実には倫理観以前に、歳を重ねた人が性や恋愛にアクセスすること自体が難しいのではと感じた。
性的な魅力は年齢とともに落ち、それはお金や容姿の良さでは完全 -
Posted by ブクログ
ネタバレ話が行ったり来たりしていて全体としてまとまってはいないけど、政府や現代のいわゆる「エリート」への批判が面白かった。私もいわゆる「自称進学校」に入った訳だけれども、エリート街道まっしぐら、という安直な考えでただ何も考えずに勉強して(この表現も矛盾している気がするが)、結局社会のためになることはなく日本の凋落の一因になるだけと考えると、腑に落ちない。
最後の方に書いてある、「人生に意味などない」というのは私も同じ考えであったので、あまり言及は無いものの共感した。深沢七郎や中田考さんの本を読むと、なんとなく生まれてきたんだからなんとなく生きてていい、という考えにたどり着いた。でも最近、そう簡単に割り -
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読みました。
生物学者さんらしく、人間を含めて生物の生態や進化をたっぷり盛り込んで、人生や生きることの意味をお話してくれていました。
意味や理由があるからそのような生態になったとは思いますが、現代となっては本来の意味が堅実に果たされているかというと、そうでもないものも多いとこのこと。
人間の体毛・ムダ毛なんかもそのようです。大事な部位を守るために生えてるはずが、体温調節はおろか、外部からの防御力はかなり弱いと言えます。諸説あるとは思いますが、「生きる意味」を語る上でのひとつの提示として聞けばおもしろいなと思いました。
本来必要で進化してきたものすら、意味を果たさないものあ -
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Posted by ブクログ
2023年末に出た、ChatGPTのこれからを論じた本。
1年経ってみると、日常的に使う人とほとんど使わない人に別れてしまったなと言う感じ。ハルシネーションや知識が不足している話については、1年経った今も状況はあまり変わらない。というかこの時点でGPT-4まで出ており、2024年末現在ではo1 Proなので想定できる範囲の進化だなあと感じる。
内容は、ベーシックインカムと絡めて論じている人が複数人いるのが今となっては懐かしい。初期は仕事が奪われるというところからこう考える人が多かったイメージ。初期の粗削りな議論を見て理解できる今にこそ読むのがおすすめです。 -
Posted by ブクログ
「頭がいい」という言葉自体がデフォルメ化された大括りな表現だ。分解すると、計算が早い、記憶力が良い、課題解決力が高い、創造性がある、論理的思考力が高い、表現力がある、機敏である、理解力・読解力・状況把握力が高いなどなど。これらの能力を駆使して自己欲求充足の競争を有利に運ぶならば、頭が良いやつには騙されてはいけない。
では、頭が良くて、お人好しはいないのか。感覚的には頭の良し悪しと、人柄の良し悪しはあまり関係がない。頭が良いから利己的、という訳ではない。お金持ちが利己的、権力者が利己的、という方が、相関がある。また、お金持ちと権力者は「頭が良い」と相関がある。ゆえに、頭が良い、という大きな境界 -
Posted by ブクログ
《感想》
人間の「オス」について、精神科医の和田秀樹氏と生物学者の池田清彦氏が対談形式で(良くも悪くも)好き放題話している、というコンセプトの本。両者とも生放送NGの「危ない人」らしい。ポリコレ批判やエロの真剣話は結構好きなので楽しませてもらったが、興味深いと思った箇所もあれば、それはちょっと一面的では…と思った箇所も両方。本書のコンセプト上仕方ないが、読み手としてはもう少し整理されたものを読みたかったかな。対談形式だからこその利点もあるだろうが。
《メモ》
①我慢しないことが脳の若返りの秘訣。好奇心を抱いたことにはチャレンジすべき。
②自分の好きなことだけをするよりも、適度に面倒くさいこと