池田清彦のレビュー一覧
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自分がなぜ「マイノリティ」と呼ばれる人(この本ではマツコ)が好きなのか、それは何を隠そう自分自身に「マイノリティである」という自覚があって、そういう意味でシンパシーを感じる人が活躍していたり自分の主張を展開していることが、単に嬉しい、若しくは勇気付けられるからだと思う。p144で池田氏が「エリート社員はマツコを見ても変だとしか思わない」と言っているが、社会の中心的存在で牛耳る側の人にマイノリティの存在は響いてこないのだろう。
なぜ他人に自分の生き方を押し付けるのか?人に迷惑をかけない範囲で自由に生きることができればいいのにと、この本を読んでそんなことを思った。 -
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あらら・・・滅多斬り~「地球温暖化問題のウソとホント」:「ダイオキシン問題のウソとホント」:「外来種問題のウソとホント」:「自然保護のウソとホント」~難しい数値は措いといて(そういう人が多いから騙されるのだが私もそう),役所や学者(や関連業者)が振り翳す「正義」には気をつけよう。例えば,高尾山に高速道路を通すためのトンネルを造っておいて昆虫採集を禁止するような・・・。ブラックバスは実際に見たことはないけど,醜悪なイメージが私の中で漂っている。「『正義』というのはあなたの頭を破壊する麻薬である。」はい,気をつけます。「人間は一万数千年前までは野生動物であった。」はい,そのとおりですね
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いわゆる環境問題のウソやデタラメを暴く。
地球温暖化、ダイオキシン騒動、外来種問題、自然保護。
地球温暖化騒動に対するお説には全面的に賛成。
この騒動には金儲けが絡んでいることは間違いない。CO2原因説も十分に眉唾だが、仮にCO2が原因だとしても今騒いでいる対策らしきものは焼け石に水としか思えない。
朝日新聞の誤報に始まったダイオキシン問題は、あれほどフィーバーして今はもう昔という感じ。
我々はだれでも一回呼吸するたびにダイオキシン分子を一億個ほど吸い込んでいるという表現はおもしろい。
筆者は生物学者らしいので、外来種の問題はちょっと専門的かな。
最終章の「自然保護のウソとホント」は非常に面白い。
テレビでキャスター達がしたり顔で環境保護を力説する姿を
見ていると、浮ついた言葉が芝居のセリフの様に感じるのは僕だけだろうかと思っていたら、どうも筆者も同意見だったらしくてうれしかった。「地球にやさしくしなくとも、自然を大切にしなくとも、地球や自然は別に何も困らない。~~人間が生態系を人間が生存できないほどに改変してしまえば、人類は絶滅してしまい、後に残った生物たちがそれなりの生態系を構成し、進化していくことになる。p123」
ごもっともだ。世に言う環境保護、自然保護は、実は《自分たち人間に都合の良い、食うに困らない先進国の人々に心地よい》という但し書きが隠れている。
トキやサンショウウオは守るけど、ゴキブリやインフルエンザウィルスは守りたくないんだから、人間だけのための自然保護であることは明白だ。偽善者ぶったコメントはやめろと言いたい。
筆者がすごいのは、僕のようにマスコミ等を批判するだけでなく、あるべき自然保護の姿を提示しているところだ。人間のための環境保護でいいと割り切り、自然保護活動を市場に組み込み、儲かる商売にしろという。なるほど。寄付にたよっている間は所詮金持ち先進国の趣味みたいなもので、興味はいずれさめる(環境ホルモン騒動やUSB騒動も日本人はもうあきた)。儲かれば持続可能な環境保護が可能になるだろう。 -
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ネタバレさくっと読めて勉強になった。
・地球の歴史を一年とすれば、人類の歴史は大晦日の除夜の鐘が鳴るころ
・東北、関東、中部、近畿、中国という道州制の区分は、じつは本州が複数の島に分かれていた、二千年くらい前の地質時代の反映である。これらの「州」は、四国や九州と同じように、それぞれが別の島だった。(省略)人は自然という釈迦の掌に乗っていることを思うべきであろう。
・目の前にあるのは「解答」である。
・われわれは自然を見ることによって、複雑な問いへの美しい解答を見る。じつは解答だけを見ているのであって、問題自体をしばしば考えない。
・人生の解答とは、自分の人生そのものであって、それはなにか複雑な、ややこしい問題への解答なのである。(省略)わからないのは問題の方であって、人生のほうではない。
・「参勤交代」のススメ 養老さん
・原発事故による放射能汚染は、戦後日本の自然破壊の総決算である。
・池田「若い人たちの中には、それまでの生活にもともと閉塞感を持っていて、なんとなく気持ちが行き詰っていて、そこから抜け出すために、どこかですべてをチャラにしてリセットしたいと思っていたのもいたと思うよ」
・池田「これだけの大震災に遭っても日本人が冷静に行動しているように見えるのは、日本の集団主義のようなこととある程度関係がありますよね」「そんな整然としたところが他国の人たちから称賛されたりもしたわけだけれど、それは何も、日本人が他国の人に比べてずっと倫理的で道徳的であるというわけではかならずしもないと思うよ」
・池田「リスクを分散することがセキュリティになる」
・養老「関東大震災から九十年になる。大きな地震は、いつ来てもおかしくないです」
・養老「僕は、以前から、「参勤交代」をしよう、とも言ってきた。当会の人は田舎へ、田舎の人は都会へ、です。(省略)東京から避難民が出る事態になったら、それをいっぺんに受け入れる場所なんてありませんよ」
・養老「日本は輸出入を活発にしなければならないという考えは、ほとんどノイローゼに近いと思う。このノイローゼの根本にあるのは、やっぱりエネルギーですよ。石油を買わなければいけないという強迫観念があるからです」
・池田「人間だって、タガがはずれちゃった人間と、それじゃない人間がいるでしょう。グローバリゼーションを進めているやつというのは、タガがはずれちゃっている人間ですよ。それなのに、タガがはずれちゃったほうがスタンダードになってしまったというのは、おかしな話だね。だけど、多くの人はそれがおかしいと思っていない」
・池田「福島の双葉町の辺りの地図を見るとわかるけど、町(自治体)が細かくわかれているでしょう。(省略)国は、市町村合併をどんどん進めて、へんてこな名前の市とかをいっぱい作っておきながら、一方で、原発がある町については合併させない。そのほうがコントロールしやすいからだよね」「原子力施設を受け入れた自治体というのはカネ浸けになっている。ちなみに、青森県で一人当たりの年間所得が最も高いのは、日本原燃の核燃料リサイクル施設がある六ヶ所村で、なんと一千三百万円を超えている」
・養老「文科省は最大のガンです」
・養老「えねんるぎーを使えばそれだけ楽になるに決まっている。当たり前のことなんだけれど、そのことを普通の現代人がどのくらい理解しているか。やっぱり、生き方そのものを考え直さないといけないんじゃないか。いかに健全に縮小するかを考えた方がいいのではないか」
・日本の潜在資源として期待できるのは地熱、バイオマス(藻類)、メタンハイドレートの三つであり、さしあたってはこの三つの資源開発に全力を注ぐべきと思われる。
(感想)
ばっさりを物を言うお二人の話は、迷いがなくて気持ちよく入ってきた。しっかりとした知見に基づいた上での意見なので、なるほどと思わされること多々。お二人の哲学にも共感できた。自分も「自然をコントロールする側」の一現代人として日々を過ごしているなと気づかされた。 -
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生物の性を軸に進化や種としての繁栄についてかなり広い範囲のことを
ギュギュッと詰め込んで平易に書いてある本だった。
平易にといっても、飛ばし読みをしても「へ~」と思って読めるということで、ちゃんと理解しようと思うと、ひとつのチャプターごとにさらに深く調べながら読まないといけない位色々なものが詰め込まれている感じ。
今回は、飛ばし読みなので私の理解は「へ~」レベル。
著者については、進化をあまり目的論的に考えず、「偶然」や「たまたま」「ほかの重要な形質を獲得するための副産物としてそうなっている」
みたいな感じで考えている人なのかなあ、、と。
私が読んだいくつかの進化に関する本を書いた学者さんたちも、
適応的進化(ネオダーウィニズムというのか??)をあまり支持しないという感じだったから、最近の流行りなのか?日本の学者はそいう感じなのか?いずれにしも、テレビでも時々見かけるような人なので、わりと頭の柔らかい人なんだろう。
特に印象的で今でも覚えている内容(誤解しているものもあるかな?)
本当に内容が多岐に渡り、とても情報を整理しきれていない・・・
○人間では男性は遺伝子を伝えるだけで、細胞の仕組みはメス由来だということ。
男は情報、女は実態 だったかな? DNAという情報は男も伝えていくが、女性は生のシステムそのものをつないでいる。だからこの本にも書いてあったけど、アフリカに人類の起源となる女性(ミトコンドリア・イブ)がいたという説が出てきたのか~。
○種ごとに性別の決まり方はかなり違っている。
環境によって、オスメスを変化させる生き物も結構いる。体の大きさや水温など。また、細胞ごとにオスとメスが決まっている生き物もいる(ネズミだったかな??)※人間にも見られる両性具有とは違う。
○生物は死なないのがデフォルト。
(大腸菌のような生き物に寿命はないらしい。)
高等生物は死を発明したことで、進化できるようになった。
○人間の寿命は120年 細胞分裂しない、神経細胞の寿命がそのくらい -
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マツコ・デラックスという字面を初めて見たのは確か13〜14年前の雑誌「relax」だったと思う。
衝撃だった。ドラァグクイーンという職業(?)、「デラックス」を名前に選んだセンスのよさ、性別のわからなさ、すべてがただものではなかった。10センチにも満たないスペースで異彩を放っていたのだ。してやられた感じは忘れられない。
仕事の合間や電車待ちの時に「デラックス、か…」と呟くこともしばしあったと思う。
で、時が流れて2010年代。
マイノリティであったはずのマツコ様がこんなにブレイクするとは全く想像できなかった。
普通にバラエティにでているのを見て驚くとともに、やっと時代がついてきたのかナ?と思ったりした。
そしていつでもスタンスが変わらない。あの覚悟の決め方は生半可なことではできないだろう。
本書ではそんな彼女が様々なモノゴトをある程度「割り切った」自分の目線でクールに論じる姿勢が清々しく、かつものの見方や思想の賢さに舌を巻いてしまう。
教授・池田清彦氏(彼もまた素晴らしく割り切った物言いをする方だ)の対談形式で送られているこの本。個人的には非常に共感できる点が多く、読んでいる間はただ頷いてしまうばかりであった。読後感もよい。ぜひオススメしたい。新幹線の移動中などのお供にどうだろうか?ライトだけれど深い。良い本だと思う。 -
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ネタバレ今、とても興味がある二人の対談集。
池田清彦さんは、毎週読んでいる週刊朝日のエッセイがとても面白いし、読んでみたい本がたくさんある学者さん。
マツコさんは、見た目は特殊だけれど、至極マトモな意見を真面目に語る人、といった印象です。
池田清彦さんのインタビュー記事で、二人の対談集が出ていることを知り、手に取りました。
文中で特筆すべきは、マイノリティへの考察。
二人とも、自らがマイノリティ(少数派)であることを強く意識している。それは苦しいけれど、ある種の突き抜けた自由がある。自由でいるためには負うべき責任がある、といった当たり前のことをしっかりと語っていてとてもよかった。