池田清彦のレビュー一覧
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ネタバレさくっと読めて勉強になった。
・地球の歴史を一年とすれば、人類の歴史は大晦日の除夜の鐘が鳴るころ
・東北、関東、中部、近畿、中国という道州制の区分は、じつは本州が複数の島に分かれていた、二千年くらい前の地質時代の反映である。これらの「州」は、四国や九州と同じように、それぞれが別の島だった。(省略)人は自然という釈迦の掌に乗っていることを思うべきであろう。
・目の前にあるのは「解答」である。
・われわれは自然を見ることによって、複雑な問いへの美しい解答を見る。じつは解答だけを見ているのであって、問題自体をしばしば考えない。
・人生の解答とは、自分の人生そのものであって、それはなにか複雑な、やや -
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生物の性を軸に進化や種としての繁栄についてかなり広い範囲のことを
ギュギュッと詰め込んで平易に書いてある本だった。
平易にといっても、飛ばし読みをしても「へ~」と思って読めるということで、ちゃんと理解しようと思うと、ひとつのチャプターごとにさらに深く調べながら読まないといけない位色々なものが詰め込まれている感じ。
今回は、飛ばし読みなので私の理解は「へ~」レベル。
著者については、進化をあまり目的論的に考えず、「偶然」や「たまたま」「ほかの重要な形質を獲得するための副産物としてそうなっている」
みたいな感じで考えている人なのかなあ、、と。
私が読んだいくつかの進化に関する本を書いた学者さんた -
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マツコ・デラックスという字面を初めて見たのは確か13〜14年前の雑誌「relax」だったと思う。
衝撃だった。ドラァグクイーンという職業(?)、「デラックス」を名前に選んだセンスのよさ、性別のわからなさ、すべてがただものではなかった。10センチにも満たないスペースで異彩を放っていたのだ。してやられた感じは忘れられない。
仕事の合間や電車待ちの時に「デラックス、か…」と呟くこともしばしあったと思う。
で、時が流れて2010年代。
マイノリティであったはずのマツコ様がこんなにブレイクするとは全く想像できなかった。
普通にバラエティにでているのを見て驚くとともに、やっと時代がついてきたのかナ?と思っ -
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ネタバレ今、とても興味がある二人の対談集。
池田清彦さんは、毎週読んでいる週刊朝日のエッセイがとても面白いし、読んでみたい本がたくさんある学者さん。
マツコさんは、見た目は特殊だけれど、至極マトモな意見を真面目に語る人、といった印象です。
池田清彦さんのインタビュー記事で、二人の対談集が出ていることを知り、手に取りました。
文中で特筆すべきは、マイノリティへの考察。
二人とも、自らがマイノリティ(少数派)であることを強く意識している。それは苦しいけれど、ある種の突き抜けた自由がある。自由でいるためには負うべき責任がある、といった当たり前のことをしっかりと語っていてとてもよかった。 -
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セックス、死について考察。
有性生殖は、なぜこれだけ広まっていて
優位か判然としないらしい。
有性生殖、死それぞれ、何かのついでかもしれない。
たとえばミトコンドリアとの融合によるDNAの損傷の副産物。
(これは、まだ科学で解けない13の謎の内容かな?)
性と死は密接に関わっている?
面白いのは、性というのはそれほど厳格なものではないらしい。
魚では無性生殖と有性生殖は、環境によって切り替わるし、社会状況によっても切り替わる。遺伝子とも限らない。
個人的な感想としては、不足、不幸、渇望、動きを作る(増やす)仕組みなのかなと。
つまり世界のかき混ぜ棒。
理不尽だが個別の生に不足や不満が無い -
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[ 内容 ]
クローン人間作ってなぜ悪い?
地球温暖化なんてホントにあるのか?
科学とオカルトって、どう違う?
…オソロシイ勢いで進歩し専門化してゆく科学に、多くの人びとはついてゆけない。
そのくせ、いかがわしい科学(まがい)は無根拠に信じてしまう。
かように厄介な科学的現実から虚飾を剥ぎ取り、本質を見極めるにはどうしたらいいのか。
そこで、生物学の風雲児(?)池田センセが最新の科学トピックに縦横に斬り込み、徹頭徹尾「論理」で腑分けする。
[ 目次 ]
若者の理科離れ
自然保護と原理主義
狂牛病
市民バイオテクノロジー情報室の発足
好コントロール装置と健康
セカンド・オピニオン
科学的知識の -
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[ 内容 ]
生物は死ぬのが当たり前、と考えるのは間違っている。
最も原始的な生物であるバクテリアやアメーバは基本的に死なない。
ではなぜ、ヒトに寿命はあるのか?
じつは単細胞生物から多細胞生物への進化が、死すべき運命をもたらしたのだ。
本書は、生物学者の視点から、寿命や老化の仕組みについて分かりやすく解説。
不老不死が無理でも、遺伝子組み換えやクローン技術によって、ヒトの寿命を延ばすことは可能なのか?
長寿社会の未来を空想する。
[ 目次 ]
第1章 寿命の起源―生命のはじまりはどこにあるのか(生命の起源についての諸説;代謝システムと遺伝 ほか)
第2章 生物にとって寿命とは何か―寿命をも -
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生物の特徴は代謝と遺伝である。生物にとっての最重要課題は動的平衡を保つシステムを細胞分裂を通して伝えていくことである。しかし体細胞が多様化し複雑なシステムを構築した結果、細胞分裂時に少しずつエラーが発生し、蓄積されていく。
例えば、遺伝子の突然変異による分裂制御機構の崩壊によりアポトーシスせずに無限に分裂増殖していくのが癌細胞であり、脳のニューロンの周りにベータアミロイドというタンパク質が付着してニューロンの機能を奪うのがアルツハイマー病である。
細胞分裂時のエラーを修復する機能がない体細胞は寿命がきまっている。ヒトの細胞の分裂回数は約50回が限界で、それを越すとアポトーシスを起こして死んでし