池田清彦のレビュー一覧
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進化論をめぐるダーウィン、ファーブル、メンデルの関係性や進化論がどう信じられるようになったのか、進化論懐疑主義者の言い分(交雑により一気に新種が生まれる事例は、生物が徐々に進化するネオダーウィニズムでは説明がつかないことなど)が書かれている。またips,stap細胞についても書かれている。
実際に生物が種の壁を乗り越えて進化した場面を見たことはないのに、進化を事実として受け入れがちな日本人と、すべての生き物は創造主がつくったとするキリスト教原理主義の創造論の影響で進化論を疑う人達のこと、ゲノム編集のこと、ネオンデオタール人と現生人類が交配していたかもしれないこと、ファーブルがどうダーウィ -
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試し読み
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地球温暖化、がん検診、原発問題、高血圧はメタボ健診などなど、議論になるようなトピックには共通性がある。どれも、過剰な法規制のもと、莫大な利権が発生するということ。国家、官僚、企業は怪しい「科学」を世界の常識にすり替えて利益を得ることに長けている。難しいのは学者もしばしばその一端をになっているので、一般人が科学の正否を判定することが極めて難しいということ。少なくともなにかが起きているときに、そのおかげで利益を得るものは誰なのかをちょっと想像してみるくらいはした方がいいだろう。
生物学者である池田清彦氏は、科学者の立場から遠慮なくその欺瞞を暴いていく。爽快だけれども、大丈夫かな、圧力かかったりし -
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養老孟司、池田清彦、吉岡忍が、読書について、テーマ毎に語った内容を記した本。
養老孟司の本の読み方は、作者の意図や想いを行間から読み取りながら読む。なぜ、この部分が書いていないのかとか、逆に無いものからその意図を読み取る。非常に難しいが。
読み聞かせについて。子供に本を読み聞かせる効果は、読んだ内容は全く意味がないとバッサリ。ただ、お母さんが笑顔で、愛を持って読み聞かせることで、子供は愛されていることをカラダで感じる。インプット、変換、アウトプット。その流れのなかで、そのインプットの多様性がまずは大事であると。
中盤からは、読書についての放談会。「温泉教授の日本百名湯」が寝床で読む本だ -
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ものすごい「できる子」をつくれると期待するとがっかりさせられる内容です。あくまで、普通より少し「できる子」の育て方となっています。
子どもの様々な臨界期がまとめてあるので、習い事をさせるときに大変参考になるとおもいます。しかし著者の考えてでは、天才は奇人であるゆえ必ずしも幸せな人生を送れるわけではないと主張しています。今の社会(日本)では、普通に勉強をがんばって、東大に入って、大企業に就職した方がイージーな生活ができるのが現状です。
突起した才能を潰さずに伸ばしてやるのが親の役割で、たとえそれが天才レベルではなくても、人生を豊かにするものとなります。
※本文中、「(笑)」が多すぎ、今読 -
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脳死・臓器移植反対の立場を旗幟鮮明に掲げた本です。
立花隆の脳死に関する本をいくつか読んで、脳をアイデンティティの座とみなす立場から、その機能が完全に解明されていないうちは器質死をもって脳死と判断するべきだという主張に共感を覚えていたのですが、本書ではその立花の説に対する批判がなされています。著者が批判するのは、自己同一性が崩壊するのは機能死でも同じだということと、さらには心臓死でも自己同一性が崩壊するのであり、脳の器質死をもって人間の死とすることにこだわる理由はないはずだ、というものです。
立花の考えている「アイデンティティ」は、臨死体験のような証言に基づいていることもあって、かなり高次 -
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人生の箴言を色々な角度から分かりやすく面白く伝えてくれる良書です。
生物学的な話はあまりないのですが、その研究から見えてきたものを人生にフィードバックして人生観を伝えているのですが、『いい加減』=『良い加減』だらしないわけではないけれど真面目でもない、程良い脱力が安心できます。
僕自身が元々は貴重品で真面目な性格だったのですが、窮屈で脅迫的で自縄自縛で生き苦しいというか、余裕がなくて、一言で言えば『疲れた』ので(笑)、20歳を過ぎた頃から適当を志向するようになり、『大体成功してれば良いんじゃね?』くらいに力を抜き始めてからは随分と楽になりましたね。血液型はA型ですが、最近はO型に見られるように