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優生学はかたちを変え、何度でも甦る。一度は封印されたはずの「優生学」が奇妙な新しさをまとい、いま再浮上している。優生学とは「優秀な人間の血統のみを次世代に継承し、劣った者たちの血筋は断絶させるか、もしくは有益な人間になるよう改良する」ことを目的とした科学的社会改良運動である。かつて人類は、優生学的な思想により「障害者や高齢者、移民やユダヤ人といったマイノリティへの差別や排除、抹殺」を繰り返してきた。日本では「ハンセン病患者の隔離政策」がその典型である。現代的な優生学の広がりに大きく寄与しているのが「科学の進歩」や「経済の低迷」、そして「新型コロナウイルスの感染拡大」だ。新型コロナウイルス感染症の本当の恐ろしさは、病気が不安を呼び、不安が差別を生み、差別が受診をためらわせることで病気の拡散につながっているところにある。今こそ優生学の歴史を検証し、現代的な脅威を論じる。
...続きを読むPosted by ブクログ 2021年09月14日
優生学ときいてピンとくる人は少ないだろう。わたしもその1人であった。しかし、この本を読みこんなにも優生学がこの世界で、日本で生きづいていることを知った。過去のこと、自分には関係ないと思わないで多くの人に読んでもらいたい。コロナの世界になって、「人間は自分の身に危険が及ぶようになると心の寛容さを失い他...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月16日
「優生学」には必ずしも興味があるわけではなかったが、この著者の著作であるということで読み進めた。
私自身は、安楽死について、著者と考えを同じくすることは、少なくとも現時点ではないが、考えなければならない論点は提供されたと思っている。
池田さんは、ツイッターでは、どこかふざけた、あるいは皮肉を込めたツ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月12日
この本を一言で言うと生権力のこわさを感じた。
生権力は一言で言うと人間の健康です。
この健康であるために、医師は人々の不安を作り、その感情を医療によって救われると説き、それを繰り返すことで、患者は信者に移り変わっていく。
医療は誤謬性を認めないので宗教と紙一重になりやすい。
それを医師は分かっていな...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月03日
津久井やまゆり園事件とナチスT4作戦。思い上がった為政者気取りが、生殺与奪を握る。人間は誰しも平等な命とは言わないが、反知性的な正義感で弱者を殺害するとは何事か。社会にとって有益か有害か、そんな価値観でトリアージした所で、その裁判官も制度設計も万能ではない。虚しい沈澱物同士による些少な淘汰スパイラル...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月21日
旧優勢保護法問題から、相模原事件も含めて、決して古くはなってない優生学、優生思想について分かりやすく述べられている。また現代は出生前診断など優生学が形を変えて出ているし、現在はコロナの問題も優生思想の点から考察できる状況も多い。ただ優生学と優生思想と優生政策は微妙に、その歴史も含めて違う部分もあるの...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月13日
優生学的思考は昔からあって、今もまだその思想が残っている。
資本主義社会である限り、この思考はなくならないと思う。
役に立つ、役に立たないで人間を判断する事が差別や偏見を生み出している。
私も人間を生産性の有無で判断していたように思う。
さらに、それを無意識の中で考えていた事が本当に怖い。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月23日
1995年まで優生保護法が続いており、優性思想としてはつい最近まで残っているため、たとえ政策が変わってしまっても人々の意識にはまだまだ優性思想が残っている印象。
満州での支配において、国民の健康増進が軍事課題であり、1940年にナチスをモデルとした「国民優性法」がとられる。総力戦体制の一環と捉えら...続きを読む
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