あらすじ
バカが物言うネット社会、他人の恣意性の権利を縛る法律やルール、首相が平気でウソをつく国、老人や弱者に幸せのない未来――70歳をすぎ、定年を迎え、今や立派な老人になったからこそ分かる「言ってはいけない本当のこと」を直言。世の欺瞞に流されず、毎日をダマシダマシ生きるための、ものの見方や考え方のヒント伝える「人生の処方箋」。
ボケ老人の行方/LGBTと日本社会/人は何に騙されるのか/ふるさと納税/ファンタジーを真面目に信じる人たち/自動車の未来/家事力と主婦の脳/真贋と希少性について/定年を迎えて昔のことを振り返る ほか
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Posted by ブクログ
生物学者で、カミキリムシの収集家の顔もある著者。本書を執筆した頃は70歳を超えて定年退職し、自身の経験や境遇も交えて『いい加減が丁度いい』生き方と、『日本のバカさ加減』への反発を怖い物なしの姿勢で語る。
著者は定年後の本書だけでなく、昔からハッキリと世間に対する主張をしてきたようだ。『日本のバカさ加減』については、コンプラ至上主義に対して『ルールを守ること自体が目的化している』ことや自己責任という考え方が衰えた風潮に対する批判に大いに共感を覚えた。しかし時折左寄りに過ぎる発言が目立つのが残念で、話半分とまで言わずとも3分の1くらいは差し引いて読んでおきたい。
良くも悪くも、『自分』をしっかり持って長い人生をほどほどの力加減で好きに生きてきているお手本にはなる。