今野敏のレビュー一覧
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ネタバレ・隠岐の島の湾岸工事をしていたダイバーが死亡する
・福岡県警からの要請を受け、STメンバーが出張する。どうやら神との戦いになるとのこと
・福岡に到着したSTメンバー。しかし現場である沖ノ島には許可がないと上陸できない上、「不言様(おいわずさま)」という古くからの慣習のせいで地元民は島で起こったことをなかなか話そうとしない。この時点で警察としての捜査機能が大きく損なわれ、探偵小説のような証言と状況からの推理が必要になってくる
・現在は建設会社の顧問をしている警視正にまでなった警察OBの圧力で、福岡県警は積極的に捜査しようとせず機能不全に陥っている
・犯人は第一発見者の作業員。現場監督は口裏合わせの共犯
・ダイバーが沖ノ島に転がっている国宝級の物品と盗掘し、建設会社経由で海外に売りさばこうとしていたことが殺害動機。作業員と現場監督は沖ノ島を神聖視し強い信仰心を持っていたので、ダイバーの行動が許せなかった
・二人が口裏合わせをし、状況を捏造した証拠写真を提出していた
・警察OBは最初会社を守るために警察の捜査を嫌がっており被害者と建設会社の関係を隠していたが、犯罪は見逃せないとダイバーを斡旋・盗掘品を海外に売りさばいていた会社役員を警察に突き出した -
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ネタバレ・異なる3つの都道府県で特徴的な遺体が発見された。全ての遺体に『桃太郎』と五芒星が刻まれていたのだ
・捜査を進めるうち、被害者は全て岡山と関わりがあることが明らかになり、ST一同は岡山へ出張することになる
・三人の被害者は社会的に問題のある人物たちであり、特に岡山県に対して不利益のある行動をとっていた
・岡山県警では連続殺人事件に関わりがあると思われる誘拐事件の捜査が行われていた
・STメンバーは岡山の桃太郎伝説を調べるため、警察で広報をしていた岡山の民話に明るいOBの元を訪れる
・(OBを装って桃太郎伝説をSTに語ったのは行方不明で捜索中の男だったが、誰もOBと行方不明者の顔を知らないので分からなかった)
・岡山県に伝わる桃太郎伝説は、桃太郎の側が侵略者であり、鬼に同情的
・殺人の実行犯が各県警で捕まり始める。三人の実行犯を掲示板で募集したのは警察OBだった
・OBは優秀な刑事で、岡山県警の次長になる予定だったが、キャリアの移動が重なりその機会を失う。また、部長のセクハラを咎めた結果、セクハラの濡れ衣を着せられ自主退職に追い込まれる
・桃太郎は侵略者であり、警察内で起こった不祥事を暴露するための計画だった
・最初は殺人計画ではなく、誘拐して桃太郎と五芒星の紙を貼り付けるだけのつもりだったが、実行犯が暴走して連続殺人になってしまった
・犯人の自殺を止めるため、計画の内容を明らかにしたことをマスコミに次長が発表する。課長と部長が妨害するが、セクハラの当事者だった女記者たちの尽力もあり犯人の目に届く
・犯人は身柄を確保される。連続殺人の火種となった課長と部長は降格処分を受ける -
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昔ながらの義理と人情を重んじる阿岐本組。
またまた兄弟分・永神から潰れかかった銭湯の立て直しを頼まれる阿岐本組長。
心配性の代貸・日村をよそに阿岐本組長は、赤坂の潰れかかった銭湯・檜湯の再建にやる気をみせる。
まずは情報収集と、福利厚生を兼ねて、阿岐本組一行は、2泊3日で日本で最も古い銭湯・道後温泉へ。
道後温泉で日村は阿岐本組長から、1日ゆっくり何も考えずに休めと。
心もカラダも休めるためには銭湯は必要だと。
檜湯の再建もまずは掃除から。
そして、笑顔。
女子高生・香苗の笑顔から、佐田が、お客さんが、佐田の家族が動き出す。
檜湯の佐田の家族も巻き込んで、再建は進む。
やっぱり銭湯のペンキ絵は富士山でなければ。
阿岐本組長の底知れぬ人脈と器の大きさには驚かされる。
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昔ながらの義理人情に厚い任侠道を進む阿岐本組。阿岐本組長は、兄弟分・永神から、倒産寸前の駒繁病院の再建を託される。
やる気満々の阿岐本組長と、病院再建など無理だと逃げ腰の代貸・日村。
駒繁病院の再建には、暴力団のフロント企業の医療サービス代行会社との契約の見直しが不可欠とわかる…
同じくして、阿岐本組の地元で暴力団追放運動が起こる…
『汚れたところにいると、人の心も荒んでくる』と、阿岐本組が再建した私立高校・井の頭学院と同じように、またも掃除から始める阿岐本組。
女性にモテる真吉の天賦の才を活かし、受付の女性に笑顔を戻し、病院内の雰囲気はだんだん明るくなっていく。
相変わらず阿岐本組長のやることは的を射ている。
細かいことはわからないはずなのに。
いかに人をやる気にさせるかだと。
阿岐本組長は動じない。
誰が相手であろうとも。
すべてが見えているかのように。
阿岐本組長の器の大きさ、計り知れない。
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安積班シリーズ神南署編、長編。
新装版になったのを見つけて久しぶりに再読。
初版は1997年なのだが、銀行の管理職行員が、妻が働いていることが世間体が悪いというイメージになっているのに驚く。25年という年月で世間体も様変わりした。
オヤジ狩り(懐かしい)に遭った銀行員・山崎が当初は犯人を捕まえろと息巻いていたのに何故か二週間後に突然告訴を取り下げる。直後、山崎を襲った少年グループが襲われて…。
当時バブルの崩壊で臨海副都心構想が頓挫、その影響でベイエリア分署も交通機動隊の分駐所となって他の部署は新設された神南署に移された。安積らはもちろん神南署に移ったが、何故か速水も一緒に移っている。そして今回は事件関係者が少年ということで速水も捜査本部に加わり安積とコンビを組んでいる。
神南署は渋谷と原宿の間にあり、両署の管轄の隙間にあるとあって、面倒な案件(手間ばかりで犯人が捕まりにくい、犯人検挙の実績が上がりにくい事件)ばかり回って来るというところはベイエリア分署時代と同じ。それでも安積らは腐らず仕事をしている。
事件の方は当時の時代を反映していて、今野さんの作品にしてはちょっと凝ったところもあって面白い。
一方で少年に対する、特に須田の優しいまなざしは今野さんらしくて良い。いつか須田が少年に『チャンスは生かすことができるんだということをちゃんと教え』てあげて欲しい。
毎回安積の村雨に対する評価が酷くて気の毒になってしまうのだが、今回は手柄を立てた村雨に安積が喜ぶシーンがあって嬉しい。それでも安積の村雨に対するねぎらいはさり気ない。そこは村雨も心得たもので、これくらい当然ですよ的なクールな顔で返している。
でも後にちゃんとメンバーを(速水も含めて)飲みに誘ってフォローも抜かりない。
ライバル相楽に対して思わず熱くなったり村雨と馬が合わないと感じたり、女性記者が夜討ちで自宅に来るとドキッとしたり、なかなか人間臭い安積だが捜査では容疑の濃い人間であろうが常に丁寧な言葉遣いと冷静な態度なのが好感持てる。
しかし速水が感心するように、態度とは裏腹に『真綿で首を絞めるように追いつめていく』厳しさもある。
『どんな場合でも私たちに嘘はつかないほうがいい』
『私たちに嘘をつくということは、いま現在より状況を悪くするということなんですよ』
安積に正面から見据えられて厳しく追及されれば思わず鼻水を流してしまいそうだ(安積によれば、それが自白を始める反応の一つらしい)。
今回も安積始めメンバーの格好いい姿が見られて良かった。相楽もこのあたりから少し丸くなってきたか?
巻末はドラマで村雨役を演じた中村俊介氏との対談。
※関連作品一覧
安積班神南署編 本作のみレビュー投稿あり
①「蓬莱」 脇役で安積班メンバー登場
②「イコン」脇役で安積班メンバー登場
③「警視庁神南署」 本作
④「神南署安積班」