今野敏のレビュー一覧
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安積班シリーズ短編集。
長編とは違って短編集は様々な人々にスポットが当たるのがいい。
まずは相楽。
これまでは安積をライバルとしてやたら挑戦的だった彼が、少し前から変わって来たように思えたのだが、この作品では東京湾臨海署の一員になったことが明確となる。
年上の部下からも『誤解されやすいタイプ』だが『真っ直ぐな人だとわかった』と言われ慕われている。
長年シリーズを読んできた者としては感慨深い。
そして須田。
須田をよく知らない人間からは『のろま』と言われるほどマイペースな刑事だが、実は他の人が気付かないようなところに目を向ける優秀な刑事だ。
それだけではない、過去の作品にもあったように『傷ついた(人間を)放っておけない』、『そういうやつ』なのだ。
須田とコンビを組む黒木は剣道五段という、安積も知らなかった経歴が明らかになったが、それは『試合で勝つより、刑事として剣道を役立てることを常に考えて』いるからというイメージ通りな理由から敢えて隠していたらしい。暴徒を警棒だけで制圧する格好良さも見せてくれた。
シリーズが長くなってきたもののいまだ若手と呼ばれる桜井くん。
安積から『どんなやつか』よく分からないという可哀想な印象の薄さだが、彼とコンビを組む村雨からすれば『誰かに抑えられて黙っているようなやつじゃない』とのこと。『頑固』だが『無駄に逆らうようなことはしない』『ちゃっかりした』面もある大物という。安積も意外な評価通りの仕事ぶりを見せてくれる。でも船には弱いらしい。
さらに可哀想なのは桜井とコンビを組む村雨。相変わらず安積にネガティブな印象で見られている。そんな酷い人じゃないよ、と声を大にして言いたい。
と思っていたら、ちゃんと村雨フォローの回があって良かった。須田が言うように村雨は『気配りができる人』なのだ。相楽同様、誤解されやすいタイプなのだろうけど。
交通機動隊の速水は相変わらず『何でも知って』いて、涼しい顔でカーチェイスやってくれるし、その横でただ『目をつむりたくなった』安積が可愛らしい。
また地域課一筋の大牟礼もまた地域課ならではの視点で事件解決に導いている。
もちろん安積の上司としての格好良さも全開。
『部下と刑事の誇り』を守るためであれば、どんな立場の人であろうとやりあう覚悟がある。
でも本庁のエリート風を吹かせるやつらに特に嚙みつくのは、やはり彼もまた上昇志向があるからなのかなと思ったりもする。
『誇りを持つことは大切だ。だが、そのために他人を貶めるようなことがあってはならない』
安積の熱血漢振りにブレーキを掛ける大牟礼もまた素敵だ。
いろんな警察官がいて良いというスタンスがこのシリーズの良さ。悪役も安積班の引き立て役だけではなく、シリーズが進むにつれて変化があったりして楽しめる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ武術を稽古していた頃ならば、今よりももっと響く内容に感じられたことだろう。
読んでいる最中はそんなふうに思っていた。終盤、章の終わりごとに「はい、次いこ次」「こんなんでええかな」みたいな合いの手が入るまでは。
パンツを下ろしたら偽物だったという評が押井守にはあるようだが、これまでは個人的にはそれは、まあまあ笑って受け入れられるたぐいのものではあった。
前述した合いの手は読み手が勝手に感じてしまった印象でしかないが、不誠実さを感じさせたことは間違いなく、パンツを下ろしたら偽物だったという評を非常にネガティブに受け止めさせる一事となった。
不誠実という印象は、対談形式でかつ取止めもなく話が広がっている内容によって強調されている。三ヶ月程度で六冊くらい「押井守の著作」に触れてきたが、本書の内容の半分くらいはそれらでも語られたことである。純粋な文章作品であれば、使い回しということになる。
そういえば一時期エンターブレインはどうでもいい武術本を乱発していた。あるいは本書もその一環であるのかもしれない。
不誠実と感じられる印象は拭い難いものの、武道というものの成立や変遷を独自の切り口で語っていることは間違いない。
「武術」というわかりやすい定義のない「武道」とはなにかを考える一助にはなろうと思う。 -
Posted by ブクログ
「任侠病院」今野 敏著
1.舞台
経営が傾きかけた病院。
その病院の建て直しをあちらの世界の組織が建て直すという物語です。
2.物語の魅力
1.あちらの世界ですが、ドンぱちが少ないこと
2.商売なしに、患者と医師のために建て直しを図ること。
3.なぜ経営が▲に?
病院の庶務、清掃を外部委託しています。
この会社がぼったくり、かつあちらの世界なわけです。
そのため、この会社との契約を見直す取り組みが始まるわけです。
4.病院経営の建て直し。
まずは、外壁の掃除から始めます。
来院する患者さんに気持ちよく利用してもらうためです。
また、廊下が暗い場合は、蛍光灯も変えます。
そのような取り組みから始め、あちらの組織と病院スタッフの信頼が芽生えていくのです。
読み終えて、ほっとする小説です。
今野さん、初めてでした。
ミルクココアを飲みながら、冬に読んでみたい小説です。
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購入済み
評判通り⁉︎の短さであっという間に読み終えてしまいました。
あの、竜崎とSTが夢のコラボ。物語が面白かっただけに、正直物足りなさは否めません。
この作品って、もともとコミケで販売したものだと聞いたのですが、それ故なのでしょうか。
出来れば次作は通常サイズで、オールスター総出演の「竜崎とST」を期待しています。
今野敏さん、よろしくお願いします。 -
Posted by ブクログ
2022.03.16 完読
ま、完読というより、audibleで聴いたので、完聴?
特別科学捜査班STが、発足されて初めての事件。
こてこて刑事の菊川と変わり者ばかりのSTメンバー、そんな橋渡しをする羽目になったSTのキャップが、連続殺人?な事件に立ち向かう話
今野敏さんの好きな点は、登場人物のイメージを頭の中で描きやすいところだと思う。
美男の青山が、最初は凄く嫌な奴で、いけ好かないなって思ってたけど、段々愛着が湧く不思議な魅力。
これは、でも多分最初に嫌煙されがちなタイプだよなぁ。だからこそ、菊川やキャップのように青山の意見を聴く人間がいて、成り立つ愛着。そういう、人間配置もうまいんだよなぁ。
まだ、他のメンツは要素が少ないから、今後楽しみだなぁ。
以下ネタバレ。
グレコよ!いやなんか、よくわかんないけど、悪事除いたら、めっちゃ愉快そうな人だよね。
話してて楽しくなりそうなんだけど、そういうとこがサイコパスっぽいよね。