今野敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ第5弾。
警察小説の中で、上司や部下からの信頼がこれほど厚い主人公は珍しいのでは。
彼は、買いかぶりだと自己認識し、他人からの評価にずれを感じている。自分は、「人一倍心が折れやすい」し、「石橋を叩いて渡るタイプ」で、「臆病で引っ込み思案」だと、戸惑いながら捜査に従事している。
今回の相手は、テロリスト。公安とせめぎ合いながら、「捜査というより戦い」という事件を追う。
その一方で、家庭の問題(娘が外国をバックパッカーしたいという)にも悩まされる。
主人公の性格づけとともに、警察小説と家族小説をミックスしたようなユニークなシリーズ。まだまだ期待できそう。