あらすじ
大学病院に搬送された男が急死した。医療ミスを訴えたものの民事裁判で敗れた遺族が刑事告訴をしたため、STが捜査を開始する。その大学病院で研修医をしていたSTリーダーの法医学担当・赤城左門は、捜査の過程で、封印していた自らの過去と対峙する――。感動のラストが待つ好評「色シリーズ」第2弾。
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Posted by ブクログ
同僚に借りたSTシリーズです。どの話も読みやすくて面白いですが、特にこの赤の調査ファイルは好きです。
医療ミスって本当に証明するのが難しいんだなと思いました。誤診もカルテの改竄も不可抗力とみなされる。明らかに悪意があったという証明にSTも苦労します。
皆キャラが濃いし欠点も多いのですが、それぞれが魅力的でSTシリーズはやめられないです。あと今野敏作品はキャラクター設定がしっかりしていて読んでいて誰だっけ?というのが全くないです。
第1級、エンターテメント
ミステリーなのに、繰り返し読んでいつも面白い。構成や文章にムダがなく、しかもエンターテイメントになっている、本当にスゴイ!量産しながらポトンと宝石のような作品が生まれる。軽く書き流しているように見えて他の誰にも書けない作品である。
「赤の調査ファイル」は、赤城が主役のストーリー。
一匹狼を気取る、どこか得体の知れない赤城の、悲しく苦しかった過去が明らかになります。
STのリーダーとして、法医学者として優秀な赤城ですが、STにたどり着くまでには、対人恐怖症と言う障害を抱え、仲間に欺かれ、必死にもがき苦しむ姿があったのですね。
今作は、今までになく心に染みるストーリーながら、内容的に重苦しさも感じていたのですが、ラスト、赤城がSTメンバーを仲間だと言い切る場面は、光が差した感じがしてホッとしました。
これからのSTが、よりチームとして成熟していく予感がして、黄・緑・黒のストーリーにも期待大です。
早速、続きを読もうと思います。
Posted by ブクログ
ST色シリーズを読み終わりこのレビューを書いていますが、本作は色シリーズ中で最高の出来栄えではないかと思います。いや、ほんとうにおもしろったです。
赤城の過去と彼がこれまで抱えていた苦しさが丁寧に描かれており、日頃の一匹狼だと言い張っていることや女性恐怖症に陥った経緯がよくわかり、赤城というキャラクターを深く理解することができました。
また本作の題材となった事件はいわゆる医療過誤(とは最終的にはちょっと違ったのですが)ものということで、巷で言われる「専門性の壁・密室の壁・封建制の壁」という3つの壁が立ちはだかります。専門性の壁については赤城をもってすれば突破できるものの、残り2つがSTの捜査を難航させることに。
捜査の結果、病院として正常な判断ができるかどうか試すため、とある医師・小山が仕組んだ故意の医療過誤であったことが判明します。3つの壁のうちの一つである「封建制の壁」に対するものであったといえるわけですが、なんともやるせない気持ちになります。小山の狙いは理解するできるものではありますが、それにより一人の尊い命を失う結果となりまし…。被害者の妻の心情はいかばかりか、と考えさせられてしまう内容でした。
小山には葛藤といったものなかったのかな? 読み手の自分としては多少なりとも「自分だったらどうするかな? 命も大事だし、病院の闇を告発もしたいし…」と相当揺れるはず、と思いましたが、小山は被害者の病状を診た時点できっぱりと犯行を決意したように見えます。病院の閉鎖性に嫌気がさして葛藤すら抱かない状態になっていたのかもしれません…。
こういった点を踏まえると本作は非常に社会性の高い内容といえると思います。赤城をはじめとした登場人物の心情やそれぞれが抱える事情などを描き切っており、読み手の心に(少なくとも自分には)ズッシリとした何かが迫ってくる作品でした。
Posted by ブクログ
このシリーズが好き。
一人一人の登場人物にしっかりと個性があって、ストーリーも読み進めやすい。
この話は、登場人物の中で"赤"の色で表される赤城に視点が置かれて物語が進んでいく。
知らなかった赤城の過去を知れるのと同時に、STが言葉に出さずとも仲間であることを感じ取れる内容だった。
事件の内容も、最後までどうなるのか予想がつかないものだった。
遺族の方にとっては、怒りのやりどころがない物語であったかもしれないなと、少しばかり重い気分にはなったが、最後まで一気に読み進めてしまう面白さがあった。
Posted by ブクログ
面白かった。世の中、悪い事をしてもトコトン、シラを切り通す奴らばかりだと思うけど…この小説の内容こそが"理想“じゃないかな。小説だからいいんだけど。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
大学病院で診療を受けたインフルエンザ患者が死亡し。医療ミスを疑った遺族が訴えを起こしたが民事で敗訴。
納得出来ない遺族が新たに刑事事件として訴えたため、百合根たちSTチームが捜査にあたることになった。
しかし。チーム内で法医学を専門とする赤城は大学病院との間に確執があるようで──。
【感想】
今回の作品は大学病院の闇を扱った作品です。一体どこに着地するんだろう?とハラハラしているうちにラストにたどり着きました。
今野さんの作品はやっぱり面白いです。扱う事件ももちろん面白いのですが、とにかく人間が面白くて、グイグイと惹きつけられます。
一癖も二癖もあるSTチームのメンツも味があって楽しいので、このシリーズ、少しずつ読み進めたいと思います。
Posted by ブクログ
法医学者の赤城さんが、過去と、そして医療ミスと対峙する。
キャップの百合根さん、たたき上げの菊川さん、嘘発見器コンビ他STのメンバたちもそれぞれいい味出していていい感じ。
強面イメージの赤城さんを「赤城ちゃん♪」と呼ぶ看護婦たちのパワーと愛嬌もなかなか面白かった。
Posted by ブクログ
シリーズ最高の感動作
さらば、過去よ――
隠蔽された医療ミスにリーダー赤城が挑む!
大学病院に搬送された男が急死した。医療ミスを訴えたものの民事裁判で敗れた遺族が刑事告訴をしたため、STが捜査を開始する。その大学病院で研修医をしていたSTリーダーの法医学担当・赤城左門は、捜査の過程で、封印していた自らの過去と対峙する――。感動のラストが待つ好評「色シリーズ」第2弾。
Posted by ブクログ
STのリーダー、赤城さんがメインの回。
彼が一匹狼になった(なろうとしている)秘密などが明かされる。
最後の、
「同じ理想を持つやつは仲間だ」(p.324)
がとても好きです。
Posted by ブクログ
小山医師の医師人生を投げ打ってまで大学病院の体質を変えたいという気持ちはわからないまではないが、人の命の尊さを考えるとやってはいけないこと。以前勤務していた病院の同僚を捕まえるために紛争するST赤城の葛藤もよく理解できた。
Posted by ブクログ
ST警視庁科学捜査班シリーズ第二弾。
第一弾の青を読み終わり面白かったので、第二弾の赤を読んだ。STのメンバーが個性的で、それぞれのキャラクターに愛着が湧いてきて楽しめた。
キャラクターだけでなく、本作は敵対する病院側の大越主任教授を始めとして、敵役も良い感じにヒール感があり最後まで楽しく読めた。
次のシリーズにも期待。
Posted by ブクログ
赤城さんの過去が明らかになった。全体的には面白かったんだけど、のちに被害者となる男性が自分はインフルエンザと思っているのに会社行ったり大学病院に行ったり‥・、インフルエンザなら会社に来るなー、感染症なんだぞ、周りも道連れか?!なんでも大学病院に行けばいいというものではないの、インフルエンザなら普通のクリニック行った方がいいよ、役割が違うんだよー、本筋と違うところが気になった。赤城さんと看護師さん達の交流が復活するといいな。
Posted by ブクログ
このシリーズはどれもそうだが、この作品は特に読みやすかった。
STシリーズは読み進めていくうちに終わりが大体予想できてしまうけど、他のに比べてこれは少し驚きがあった。
インフルエンザという身近なことなので、感情移入してしまう…。
Posted by ブクログ
STのリーダー・赤城が主役。当然、医療サスペンスとなる。民事裁判では大学病院側の過失を認められなかった患者死亡事例に、刑事事件として臨むST。証拠の積み上げは厳しさを極める。赤城の過去との対峙と併せて、象牙の塔で展開される教授を中心としたヒエラルキーや、病気を見るが患者を看ない体質に、敢然と立ち向かう。TVドラマ「99.9」で、松本潤扮する弁護士・深山の台詞「事実は一つだけですよ」を思いながら本書を読んでいた。
Posted by ブクログ
今回は赤城さん。赤だから当然か。研修医時代が当然ながらあったわけで、そこでの確執のようなものがとてももどかしく、これもまた医療現場のある意味事実かと思うと心が重くなりました。人一人を殺すには余りに身勝手な動機だった。医療ミスの裁判は本当に泣き寝入りなるんだな・・・。でも、被害者の奥さんが強い人なのが好感持てました。次に行きます。
Posted by ブクログ
5に近い4
いつもサラッとしたいるSTのメンバーが珍しく熱い。
赤城さんの過去にも触れられ、いつもより血の通った感じが良かった。青の時もこれくらい青山くんに焦点が当たっていれば良かったのに。
2019.1.23
16
Posted by ブクログ
これまで読んだSTシリーズ第5弾。テーマはこれまでと違い、地味な医療ミステリー物だが、どちらかというとSTシリーズはサラッとしたストーリーが多かったが、本作は胸熱シーンが多く、一気読みさせられた。
Posted by ブクログ
クールな一匹狼をきどる赤城さんの 実は熱い素顔と切ない過去が明かされる。今まで好きでも嫌いでもなかったけど これを読んで赤城さんが好きになったかも。
小山医師の気持ちも、わからないではないけど 何か他に方法なかったのかな?それだけ思いつめてたのだろうけど 患者の命を奪うという選択肢はないよね…。
どうかしてる白い巨塔だ…。
Posted by ブクログ
STの色シリーズ第二弾
警察モノが好きなうえに、医療モノはまたまた好きな内容だから、さらに楽しんで読むことができました。
ただ、この内容では普通はやはり病院側の問題にはならないのかなとも感じて、現実はほんとに怖いのかしらとも思ったりして。
やっぱり、かかりつけの個人医院とかを決めておくほうがよさそうだなとか。
それにしても、「赤城ちゃん」は良かった。
次の主役はだれかな?と楽しみです。
Posted by ブクログ
刑事告訴された案件の調査を開始したSTのメンバーたち。
事件かどうかもわからないが、民事裁判ではすでに無罪の判決が出ている事案だった。
鑑定医として裁判に参加していた赤城は、判決に納得しているわけではない。
調査が進む中で明らかにされる赤城の過去。
医療に情熱を燃やし、正義感にあふれ、それでいて対人恐怖症に脅えていた研修医時代。
いかにも赤城らしいエピソードが物語の中で語られている。
個性あふれる・・・というよりも、強烈な個性の持ち主ばかりが集められているのがSTだ。
それぞれに専門分野を持ち、知識と能力をいかんなく捜査に発揮する。
今回の調査でも、その能力が十二分にいかされている。
事件の真相には驚かされた。
大学病院で我が物顔にのさばっている人間もどこか壊れているとは思うが、事件の鍵を握っていた人物も壊れている。
医師とは人の命を救うのが使命ではなかったのか。
出世や名声が医療よりも優先される病院など、絶対に行きたくない。
患者は無条件に医師を信頼する。
それは真摯に病気や怪我と向き合い、専門的な知識をいかし治療してくれると信じているからだ。
医師を信じられなくなったら、患者は何を信じればいいのだろう?
物語とはいえ背筋がちょっと凍るような感じがして怖かった。
Posted by ブクログ
この本は面白かった。
病院の医療ミスの話だからかもだけど、
いつもは感情をそんなに出さない赤城が
内心情熱がすごいんだなということとか、
STも実は仲間意識はあるんだなと
新しい発見があって嬉しくなった。
しかし、大学病院というところは
ヒドイね・・・。
Posted by ブクログ
「赤の調査ファイル」
今回は医療現場。それも殺人ではなく業務過失致死を暴く。
医者ってなんだか守られてるんだなぁと知らされた。大学病院の不正やカルテの改ざん、医療判断ミス。どれも罪としてみなされないなんて。
ところがこの事件深い!
STのメンバー大活躍でした!
Posted by ブクログ
おおお、ドラマとだいぶ違う。
ドラマすごいね。思い切って変えてくるね。
あの誘拐のくだりは全くなかったのか。
ますますもう一度ドラマを見たくなる。
小説版の赤城もいいけどね。
やっぱり赤城ちゃんって呼ばれてモテモテだったらしい。
でもだいぶシリアス。
ドラマでは左門ちゃんだったね。
Posted by ブクログ
事件としては大きくないし、遺族の立場なら許せないけど、大学病院をはじめ大きな組織は理想を追う真面目な者ほど、現実とのギャップに苦しみ蚊帳の外…というのは想像できる。風穴を開けられたのは◎
Posted by ブクログ
緊急搬送されたあとで死亡した患者は
医療ミスの被害者なのか。
遺族が刑事告発したため
医療訴訟時に案件に関わった赤城と
STのメンバーがかり出された。
訴えられている病院は赤城の元の職場で
彼が法医学を専攻する原因になった
事件が過去にあったらしい。
百合根は赤城の対人恐怖症が
ぶり返すのではないかと心配するが…。
菊川さんがだんだん
ST寄りになってきてるヽ(´▽`)/
Posted by ブクログ
大学病院に搬送された男が急死した。医療ミスを訴えたものの民事裁判で敗れた遺族が刑事告訴をしたため、STが捜査を開始する。その大学病院で研修医をしていたSTリーダーの法医学担当・赤城左門は、捜査の過程で、封印していた自らの過去と対峙するー。感動のラストが待つ好評「色シリーズ」第2弾。
Posted by ブクログ
シリーズ二冊目、読んでみました。
文章は、読みやすいし、展開も良かったのですが、
最後が、自分の頭かついていってない感じでした。
あ、そういう終わりなの?
という感じ。
医療について、詳しく書かれているのは、すこまいと思いました。
Posted by ブクログ
シリーズ最高の感動作
さらば、過去よ――
隠蔽された医療ミスにリーダー赤城が挑む!
大学病院に搬送された男が急死した。医療ミスを訴えたものの民事裁判で敗れた遺族が刑事告訴をしたため、STが捜査を開始する。その大学病院で研修医をしていたSTリーダーの法医学担当・赤城左門は、捜査の過程で、封印していた自らの過去と対峙する――。感動のラストが待つ好評「色シリーズ」第2弾