今野敏のレビュー一覧
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購入済み
「青の調査ファイル」のタイトル通り、青山が主役のストーリー。
普段から目立つポジションではあるけれど、今回は特にその発言が際立っていて、改めて彼が、優秀な科学者である事を思い知る場面がたくさんありました。
わがまま、きまぐれ、ナルシストと言った彼の印象が、180度変わってしまいました。
事件に関連して、心霊現象が科学的に検証・解説されていて、その部分も興味深く面白かったです。
今回は、ちょっとしたお勉強気分を味わいました。
青山ファンだけでなく、初心者オカルトファンにもお薦めです。
勿論、すべての皆さんにお薦めですけどね。
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ネタバレ 購入済み
ST初の海外出張。
モスクワで、殺人事件の捜査にあたる。
舞台はモスクワ、とうとうSTの海外進出。もちろん菊川も一緒です。
今回も、粉塵爆発だのポルターガイストだのと、怪しげな問題を次々に解決していきましたが、ちょっとした科学のお勉強の様でもあり、面白く・興味深く読みました。
それと、事件とは別ですが、菊川の別の一面が見えてビックリ‼︎
飛行機が怖い翠の手を握っていてあげたり、思い悩む百合根を飲みながら励ましたりと、皮肉屋で横柄な態度は何処へやら、良いオジさんのポイントアップです。
菊川好きかも。
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ネタバレ 購入済み
ST結成10年前の物語。
百合根もSTメンバーも登場しない、菊川が主役のストーリー。
捜査一課に上がって1年、やる気満々で青臭い菊川がとても新鮮です。
所轄の滝下とコンビを組んでの捜査では、そのやり方に戸惑いや不安、不満を感じつつも、真相究明の為に突き進んでいく菊川。
その姿は、今の菊川にも十分通じるものがあります。
とは言うものの、10年後と言う歳月は菊川をすっかりふてぶてしいオジさんに変えてしまいました(笑)
現在とのギャップを楽しみたい方はぜひ読んでみて‼︎
もちろん、話の中身も重厚で読み応え十分、菊川を知らない人でも楽しめる一冊です。
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ネタバレ 購入済み
科学特捜班の優秀で個性的過ぎる5人のスペシャリストが、生真面目で弱気なキャップの元、事件を解決に導いていく。
とにかく5人が個性的すぎて、リアリティにかけるなぁとか思いながら読み始めましたが、そんな思いはすぐに何処へやら、面白くてどんどん引き込まれていきました。
科学者がメインのせいか、専門用語や学者の名前など結構出て来ますが、それほど苦にはならず、むしろ「へぇー、そうなんだ」と妙に感心したり、納得したりしながら読んでいました。
個性的な5人に目が行くせいか、異色の警察小説との印象が強かったのですが、話の展開は王道の警察小説です。
とにかく、面白いので是非一度読んでみて下さい。
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Posted by ブクログ
<安積班シリーズ>第17作目(解説による)。
今野さんの作品は良くも悪くも安心して読めるものが多いのだが、この作品は久しぶりにハラハラさせられた。
安積班が四年半前に扱った<宮間事件>に冤罪の可能性が出てきたのだ。
<宮間事件>の犯人宮間は逮捕された当初から刑務所に収監された現在まで一貫して無罪を主張している。しかもこの<宮間事件>と現在起きている三人の男女が毒殺された事件とは繋がっている可能性があり、臨海署を敵視している犯人によって須田まで毒を打ち込まれ救急搬送されてしまう。
安積班のことだから強引だったり先入観に沿った捜査はしないと信じているものの、改めて調べていくと当時の安積が知らなかった事情や事実があったことが分かる。
安積が<宮間事件>に対して『気になる』センサーが発動したのと同様に、他の警察官たちもこの事件に対しては様々な『気になる』を抱えていた。こうした小さな『気になる』の見逃しも積み重なれば事件の様相が違って見えてくる。
池谷管理官や天敵の本部捜査一課・佐治係長が止める中、もし冤罪事件であった時は自身が責任を取るという覚悟を持って<宮間事件>を洗い直すことを決意した安積の格好良いセリフ、今回も頂きました。
『真実を明らかにできないのなら警察官でいる意味はありません』
佐治係長は安積側の視点で見れば本部の人間であることを傘に何かと安積のやることを潰そうとする嫌なキャラクターなのだが、逆に佐治の側から見れば安積はスタンドプレーの目立つ嫌な刑事なのかも知れない。
皆が同じ方向を向いて事件捜査に当たらないといけないのに、安積は違う方向を向いているのだから。だから佐治のようなキャラクターもあっていいと思う。
一方で今回も警察側と報道との間で機密事項を巡っての攻防が描かれる。
番記者の山口友紀子が随分と大人になったというか、捜査上の支障と報道する自由とのバランスを考えながら取材しているように感じた。逆に遊軍記者の由良は遊軍であるがゆえだろうがガツガツしている。
山口記者にしろ安積班に途中加入した水野にしろ、男性が多い職場や業界ではどうしても女性は目立つ。男性と同じやり方をしても真面目に仕事に取り組んでいても穿った見方をされてしまう。
そんな彼女たちを気にかけること自体、彼女たちを特別視しているのだろうかと悩む安積が好きだ。
そして情報漏洩や冤罪の可能性など様々な悩みを抱える安積に力強く『俺に任せておけ』という自信満々な速水が頼もしい。
そして黒木。普段物静かな彼がこんなに熱い人間だったとは。でも安積班のメンバーは自分のことなら我慢出来ても安積班や臨海署の人たちのためなら怒ったり闘ったり出来る。勿論暴力は絶対ダメだけど。
これは安積班のメンバーに限ったことではなく、野村署長はじめ、交機隊の速水に鑑識の石倉など臨海署の者皆同じ。
またこれまで何かと安積をライバル視してきた相楽が自ら『私も臨海署の一員なんですよ』と言うなんて、感慨深い。
安積も理想の上司だが、野村署長もまたいざとなれば自分が全ての責任を負う覚悟を持った素敵な上司だった。その野村署長の安積に対するセリフがまた粋で良い。
最後にタイトルの「潮流」の意味が分かる。現在の何かと揚げ足を取ってしつこく叩きたがる世の中だとこうは行かないだろうが、せめてこのシリーズの中だけでも誠実さには誠実さで返すという爽快感があって良い。
ところで安積の年齢設定は解説によると45歳。シリーズ当初から変わらない設定なので仕方ないが、最近の作品での安積は年齢以上に爺むさい感じがする。現在の45歳はもっと若々しいし、自分で火起こしして焚き火作れる人もそうはいないような。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ樋口シリーズを読み終わり、次なる獲物はこの同期シリーズに。
取り扱う事件が少々複雑で、その分没入感を得にくいかな、というのが正直なところ。いや、その点を差し引ても十分面白いのですが、今野敏作品としての期待値の高さがそう感じさせてしまうのかもしれません。主人公・宇田川の同期である蘇我が警察を懲戒免職になる、なおも警察関連の捜査に携わる展開は、ほかのシリーズにはなかった展開で、思わず本当かいな、と思ってしまいます。
それでも宇田川の少々無鉄砲な行動力が事件解決の突破口になるあたりは本作の読みどころといえるでしょう。特に八十島に会いに行くシーンは生きて帰ってこられないのではないかと思わされるものでした。事件を通して成長する宇田川の姿も見どころです。
事件解決後は警察庁警備企画課からの引き抜きもありますが、刑事としての道を歩む決意をした宇田川に次回作への期待が高まる爽やかなエンディングでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第四弾。樋口シリーズも安定したおもしろさを誇るものの、本作は若干樋口らしくないシーンがありましたね。捜査の初動段階で氏家からもたらされた被害者が痴漢被害を届け出ていたことに対する反応、また第一の被疑者である樫田への態度など、いつもの樋口なら持前の洞察力で正しい答えにたどり着くところが、ちょっと遠回りしていたように思います。その分を小泉刑事指導官がフォローするという構図で、最終的には事なきを得ますが、なんだか、樋口が”並み”の刑事になってしまったかのような印象でちょっと戸惑いますね。
事件のほうはといえば女性殺害事件とその周囲に浮かぶ複数の容疑者がいずれも被害者から痴漢やストーカーで訴えられていた人物であったものの、いずれも”シロ”、真犯人は意外なところに、というもので小泉刑事指導官の助言を得ながら解決へとたどり着きます。
この事件と並行して樋口の娘が別の事件の参考人として警察の捜査の対象となる事案が発生。家族のこと、事件のこと、樋口の心も揺れ動きますが、前作のビートや朱夏で描かれていたような登場人物の焦燥感や葛藤にはおよばず、その分、没入感は控えめでした。