Posted by ブクログ
2017年05月25日
今野敏『禁断 横浜みなとみらい署暴対係』徳間文庫。
諸橋と城島の同期の二人の刑事を主人公にした警察小説。降格人事により係長として、みなとみらい署に赴任した諸橋とその煽りで係長補佐となった城島。『ハマの用心棒』と呼ばれる堅物で頑固者の諸橋に対して、ラテン系の城島という二人の活躍が面白い。
横浜の元...続きを読む町で大学生がヘロイン中毒死したことをきっかけに次第にキナ臭くなる横浜。暴力団・田家川組を中心に東西のヤクザたちがあちこちでいざこざを起こし、新たな麻薬ルートの謎を巡り、新聞記者、田家川組の構成員までが殺害される。
諸橋と城島を疎ましく思う監察官の笹本、重要な場面で諸橋と城島に協力する神風組の組長とたった一人の組員・岩倉の存在も面白さの一因になっている。
今野敏は数多くの警察小説シリーズを手掛けているが、どれを読んでも全くハズレがない。余りにも多くのシリーズと作品を手掛けているが故に全てを読むのは難しいが、どのシリーズのどの作品をどの順番で読もうと違和感も無く、面白いのだ。