あらすじ
【2023年11月8日より、カバーが変更となりました。内容には変更ありませんので、ご注意のほど、お願いいたします。】
国益とプライドをかけた防諜戦争の行方は……?
警視庁公安部警部補でエース候補の倉島は、外事一課と掛け持ちの形で作業班への移動を命じられた。
時を同じくして、ロシア人ホステスのマリア・ソロキナが鉄道線路に転落し、轢死する事件が発生。
飛び込み自殺の線で捜査は進むが、中学校教師の九条という男が現れ、事件はオレグというロシア人の殺し屋による暗殺だと証言する。九条は事故の前日に秋葉原の駅でオレグを目撃しており、自身も命を狙われていると語った。
倉島は、九条の証言を元に捜査を進めるが、重要参考人として目をつけたマリアの恋人・瀧本までもが、列車の人身事故で死亡してしまう。
ロシア人の殺し屋・オレグとは何者なのか。
何のため、どうやって連続殺人を実行しているのか。
倉島は、苦心しながらも同僚や関係各所の協力を得て、オレグの影を追いかける。
だがそんな折、オレグは存在せず、証言者の九条が殺人犯だという疑いが浮上する。
殺人者の次なる標的は、思いもかけない人物だった。
日本警察、公安、ロシア政府。
それぞれの国益とプライドをかけた防諜戦争の行方は……?
公安警察官の活躍を描く倉島警部補シリーズ第5作。
※この電子書籍は2016年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本とし、表紙を新たにしたものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
外事一課に籍を置きつつも作業班への異動を命じられ、またエースへの階段を一段登った倉島。才能だったり策を弄したりではなく、常に謙虚に目の前のことに全力で取り組んでいたらいつの間にか…というのがいい。住む世界は違っても、人間関係、仕事に対する倉島の姿勢は見習うべきことがたくさんあって身が引き締まる思い。
今回の事件は、捜査自体が見当違いだったり…と、少し肩透かしを食らった感だったけれど、いや、そう、公安は刑事じゃないのだ。改めて公安の仕事は犯人逮捕という事件解決よりも情報収集がメインであることを再確認して、納得。
信頼できる仲間、切磋琢磨しあえるいいライバルも増えて、続編がますます楽しみ。
倉島が、どんどんしっかりしていく。
チームの伊藤が、すごい。
捜査の感覚が、冴えている。
対応も的確だし。
西本が0の研修に行くので、次回からは、どんなメンバーになるんだろう。
Posted by ブクログ
順番通りにシリーズを読んできた中で一番面白かったかもしれない。西本が合流する場面が激アツ。
決裁を待つ列だったり、話が大きすぎたり、ロシアの協力者が何でもお見通しでした、みたいなのが苦手だけど次回作も楽しみになった。
あと松島が怪しいと見当違いの読み方をしてしまった。
Posted by ブクログ
伊藤ーーー!!!GJ過ぎたーー!!
よかった倉島さん死ななくて!笑
絶対死なないと思うけど!笑
倉島さんの成長も未熟さも、仲間へのライバル心も描かれていて、ゼロの研修を受けてヴィクトルと渡り合った伝説の人だけど、人間臭さ弱さとかの親しみが残ってて安心する。
あと倉島さんがその人それぞれの強みとか特徴をしっかり分析して信頼して任せるのはすごいなといつも思う。
わたしなら、わたしのがすごいもん!て思いた過ぎてその我を通すだろうから、そこの謙虚さは見習いたい。それがエースとゆーやつなのかな。
てかそれが人として当たり前でしょうか…。
ただ前作の方がカッコ良くてキレッキレだったように思う。
伊藤のキレがすごい。
あと作業を任されたからなのか、西本が急に敬語になっててやだった。西本には常に強気でいてほしい。
でもライバル心てあんなに剥き出しにして協力したくないとか出しちゃうの?公安の人が??
って思ったけど公安ゆーても人間ですもんね?ってこと??
でも西本ってそんなキャラだったかな。
いずれにせよ倉島さんも仲間も成長しててよかった!
Posted by ブクログ
いつものことなのだが、今野敏の小説は、どんな時でもページを捲る手が止まらない。文章のリズムが自分に合っているのだろうか?しばらく時間置いて、このシリーズの次回作を読みたいと思う。
Posted by ブクログ
久しぶりの今野敏。シリーズ5作目と知らず読んでしまったが、特に気にせず読むことができた。
作業班のメンバーがそれぞれ役割を果たし、事件解決に向けて奔走する姿は痛快。
今作では、倉島はかなりしっかりしている印象だが、コメントを読むと、過去作ではまた違うようで?、ぜひ読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
本シリーズのなかではいちばんわかりやすかったかも。その分、ストーリーに集中でき楽しめました(中盤あたりで九条があやしいとわかってしまいましたが…)。
後半の九条を追い詰める展開では、作業班の面々との息もぴったりで、引き込まれました。伊藤も片桐も白崎も西本も回を重ねるごとに欠かせない仲間になりましたね。ラストでは九条の狙いで倉島だったということにおどろきましたが、ヴィクトルと渡り合った噂が知れ渡っていると聞き納得。最後は西本もゼロの研修に呼ばれることになり、素直にオメデトウ!という気分にさせてくれる締めくくりでした。
Posted by ブクログ
倉島シリーズ第5弾。後半で一気に読ませる内容だった。
ほんとこのシリーズを読むと日常がちょっと怖くなる。
嫌な雰囲気の公安というイメージが、そう見られても仕方がないということを納得させつつ、認めざるをえないという感覚で嫌でもなくなるみたいな複雑な感じ。
さて、今回はなんか大丈夫かな?と思わせながら独自に作業を進めているのが不思議だった。
コソラポフが言わなくても、なんで証言だけで信じるのかな?とかちょっと思ってしまったりして。
しかしいつの間にかなかなか壮大な話になっていくのがこの公安事案の面白いところ。
エネルギー関連とか無知な私には勉強にもなったり。
ほんとは☆5つ付けたいところ、敢えて他の5つとは差を付けるための☆4つで。
Posted by ブクログ
大分先の作品から読んでしまったようで失敗しました・・・。
でも楽しんで読めました。公安警察というと小説では悪者の事が多いですが、国家の安全を守るという信念で捜査していると思えば必要な事なんだよなあと思ったり。
Posted by ブクログ
公安警察もの。
警察小説は数々読ませてもらっていますが、今回は公安ということで、体制とかへーって思いつつ、ロシア人女性の転落死を解決すべく、チームメンバーが作業にあたっていきます。
読みやすくてサクッと読みました。