あらすじ
東京湾臨海署管内で強盗事件が発生。強行犯第一係は、交機隊小隊長・速水の情報のもと、夜明けを待ち家宅捜査を開始、犯人の身柄を確保した。しかし、続けざまに無線が流れ、江東マリーナで死体が浮かんだという。被害者はグラビアアイドルの立原彩花と判明。近くのプレジャーボートで被害者のものと思われるサンダルが見つかった。ボートの持ち主は、立原が愛人との噂がある芸能界の実力者だというが……。芸能界を取り巻くしがらみに、安積班が立ち向かう!
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今回も良かった。
私達は、兎角、噂に惑わされる。
その噂に尾ひれがつく。
その噂を信じるか否かは、人によって違う。
安積班は、後者だ。
だから、安積さんは、信頼され、真実に辿り着けるのだと思う。
今回は、いろんな人の真実の姿を信じる事が出来るかどうかが、大きな鍵だった気がする。
Posted by ブクログ
08月-18。3.5点。
臨海署安積班シリーズ。女性芸能人がマリーナで殺害される。事件現場は芸能プロの社長のプレジャーボート。
被害者は、社長の愛人と目されており社長に疑いが。。。
面白い。刑事部長と芸能プロ社長の関係を匂わせながら、事件を追っていく様子がスピード感もあり、良かった。
Posted by ブクログ
強盗事件を解決し、その夜勤明けに殺人事件が発生。
捜査会議そのものに独特な倦怠感を感じ、疲労感をもたらすとの、安積の思いが綴られる。
それでもなお、安積班の面々はプロ意識を持って、捜査に邁進する。
最近、某プロダクションの前社長を巡っての不祥事が報道されているが、本書でも芸能界の実力者を中心にそのしがらみを描き出している。
被害者はグラビアアイドルで、その面に詳しい須田の直感が、事件解決の一助となる。
部下を信頼し、責任は自分が取るという安積を通して、中間管理職の理想像を、著者は描いているのだろう。
『捜査組曲』の「厳冬」編で、ちょっと男気を見せたが、異常なくらいに対抗心を安積に燃やす相楽が、ここでも意外な面を見せている。
結成された捜査本部に、相楽のかつての上司だった捜査一課の佐治係長が加わる。彼に阿るかと思った相楽が安積の見立てに同意し、互いに協力し捜査を。
事件のミステリー性よりも、組織内の人間関係に重点を置いたこのシリーズ、著者のライフワークらしい。今後の続編も待たれる。