梶尾真治のレビュー一覧
-
-
購入済み
短編集だが何といっても表題作が
作者梶尾真治の代表作ともいえる短編集だが、何といっても表題作がいい。
様々な形に応用できるアイデアのエッセンスが詰まった作品。
特に終盤のプラットフォームの場面が衝撃的。最初読んだときはしばらく呆然としてしまった。
他の作品は変奏曲。 -
無料版購入済み
なんとも不思議な感じ
なんとも不思議な感じのする話。
原作は1983年発表と古く、当時のSFや超能力ブームの雰囲気を残す。
筒井康隆が原作を書き、後に山崎さやかによってマンガ化された「NANASE」とも少し似た雰囲気を感じた。
また、悠久の時を生きる主人公というのも昔に流行ったテーマであり、「ポーの一族」のようなせつなさも感じる。
今で言えば、「鬼滅の刃」の鬼舞辻無惨や「不滅のあなたへ」も似たような感じだろうか。
ただ、本作の特徴として、本人自身が不老不死ではないというところがあげられる。
ここはなかなか概念が難しく、前半ではよく理解が出来なかったが、後半でようやく理解し、このパターンもあり -
Posted by ブクログ
シリーズ2作目
約束の地もノアズ・アークも世代交代が進んで、1作目よりも何代か後のお話
約束の地のジャンプ後4~5世代後
ある程度の科学的な文明が復活してきた頃
初めて約束の地に降り立った日を記念するお祭り、降誕祭
地球を懐かしむイベントでもあるけれども、一番の目的とは?
ノアズ・アークの中でも順風満帆とは言えず
機関室で起こった事故とその影響
約束の地まで半分のところまで来たものの、逆向きの推進に移行できない可能性が出てきたとか
その後、路程の半分を越した後の世代の結婚事情とか船内の怪異とか
宇宙に行っても「筋肉は全てを解決する」「寺生まれのTさん」並の解決力が見られるとは面白い
-
Posted by ブクログ
太陽フレアの活発化によって数年以内に滅ぶことが予測されている地球
172光年先の地球と環境が似た星へと極秘裏に宇宙船に乗った少数の人達と、転送装置によって先に渡った人達、そして地球に残る選択をした人達の群像短編集
地球と似た環境の星、通称 約束の地
人類を存続させるという目的でノアズ・アークに乗った人とその家族
ノアズ・アークに乗った想い人に逢うために転送装置を開発した人
転送装置でジャンプして過酷な環境ながらも生き延びようとする人達
地球に置いていけない人を持つために残った人達
約束の地の次の世代
ノアズ・アークの次の世代
それぞれの立場の人たちが描かれているけど、どの人たちにも同意で -
Posted by ブクログ
とても有名な本なのですね。
読み放題になっていたので手に取ってみました。
時代を感じさせない、SFさをあまり感じさせない優しいお話です(宇宙戦争なんて出てきません)。
構成はショートストーリーの集まりになっていて、どこからでも、どの巻からでも読めるようになっています。エマノンは、旅をしながらいろいろな人と出会い、自分の ”おもいで” として記憶していきます。それが彼女の旅、なのでしょう。
原始時代、まだ単細胞のような時代、というようなくだりもでてきます。
小さな生物は、なんのために、どうやっていきているのか、単細胞は1つで1つの生命なのか、と考えるとやっぱり違うように思います。
今年のベスト -
Posted by ブクログ
宇宙空間に偏在するエネルギー分布、宇宙を漂う ”彼” 、その ”彼” はある種のエネルギー体のよう。
宇宙空間をさまよえる ”彼” はエネルギーの放出と取り込みを永遠の時間の中で繰り返してきた。
そして、エネルギー補給のためにたどり着いた惑星、地球。
”彼” がそこで初めて体験する刺激 ―― 生命体の持つ「意識」。
”彼” が地球の生命体 ―― ヒトの「意識」とのかかわりの中で、熊本市周辺だけで発生する黄泉がえり(蘇り、甦り)現象。そこから舞台は始まる。
熊本日日新聞日曜版に1999.4.10~2000.4.1連載、2000.10.15新潮社発行。
(内容紹介)
あの人に -
Posted by ブクログ
竹内結子主演の映画が大好きだったので、原作を手にしてみた。クライマックスで草彅剛が竹内結子を抱きしめようとするけど、その時竹内結子は消えてしまってとても切なくなる。ところが、あの映画はこの原作をもとにしているけどまた違う黄泉がえりだった、ということがわかった。そう思うとあの映画は完成度高かったなあ。オイラが単に竹内結子のこと好きなだけかもしれないけど。
死んだ人が蘇るストーリーって、生きてる時と違う様子になっていることが多い。この物語もそうなんだけど、生前にも増していい人になってる。しかも治癒する力まで持っている。小説の中では、”彼”と呼ばれているけど、ここは映画よりもわかりやすかったな。