梶尾真治のレビュー一覧
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なんとも不思議な感じ
なんとも不思議な感じのする話。
原作は1983年発表と古く、当時のSFや超能力ブームの雰囲気を残す。
筒井康隆が原作を書き、後に山崎さやかによってマンガ化された「NANASE」とも少し似た雰囲気を感じた。
また、悠久の時を生きる主人公というのも昔に流行ったテーマであり、「ポーの一族」のようなせつなさも感じる。
今で言えば、「鬼滅の刃」の鬼舞辻無惨や「不滅のあなたへ」も似たような感じだろうか。
ただ、本作の特徴として、本人自身が不老不死ではないというところがあげられる。
ここはなかなか概念が難しく、前半ではよく理解が出来なかったが、後半でようやく理解し、このパターンもありだなと感じた。
かなり短い作品であり、「NANASE」や「ポーの一族」のようにもっと読んでみたいという気もするが、一方でこの1作だけで留めておいた方がより味わいのある作品で終われるような気もする。
もっとも、本作も原作では2017年の「たゆたいエマノン」まで7作も書かれているようではあるが。 -
Posted by ブクログ
シリーズ2作目
約束の地もノアズ・アークも世代交代が進んで、1作目よりも何代か後のお話
約束の地のジャンプ後4~5世代後
ある程度の科学的な文明が復活してきた頃
初めて約束の地に降り立った日を記念するお祭り、降誕祭
地球を懐かしむイベントでもあるけれども、一番の目的とは?
ノアズ・アークの中でも順風満帆とは言えず
機関室で起こった事故とその影響
約束の地まで半分のところまで来たものの、逆向きの推進に移行できない可能性が出てきたとか
その後、路程の半分を越した後の世代の結婚事情とか船内の怪異とか
宇宙に行っても「筋肉は全てを解決する」「寺生まれのTさん」並の解決力が見られるとは面白い
約束の地でもノアズ・アークの観測をやっていて、どうやら近づいていると思われる兆候が
近づいているノアズ・アークを発見するエデンの人たちの選択とは?
約束の地へと近づき、移住の準備をする人たちの行動
エデンの方はここまで文明が戻ってくると、船に乗れなくてよかったと思うんじゃないかね
ま、その世代はもういないんだけどね
一方ノアズ・アークの方はそんなにいい生活には思えない
でも、この人達は生まれたときから死ぬまでそんな生活なので、ここまで不満が募るかどうかも疑問かな
果たして、この2つの勢力はどうなるのか
3巻を読むのが楽しみだ -
Posted by ブクログ
太陽フレアの活発化によって数年以内に滅ぶことが予測されている地球
172光年先の地球と環境が似た星へと極秘裏に宇宙船に乗った少数の人達と、転送装置によって先に渡った人達、そして地球に残る選択をした人達の群像短編集
地球と似た環境の星、通称 約束の地
人類を存続させるという目的でノアズ・アークに乗った人とその家族
ノアズ・アークに乗った想い人に逢うために転送装置を開発した人
転送装置でジャンプして過酷な環境ながらも生き延びようとする人達
地球に置いていけない人を持つために残った人達
約束の地の次の世代
ノアズ・アークの次の世代
それぞれの立場の人たちが描かれているけど、どの人たちにも同意できる部分がある
決して楽観だったり悲観だったりするわけではないんだけど、だからこそどうしようもなさを感じる
不穏なタイトルの意味
自分たちを見捨ててノアズ・アークに乗った人々への恨みと復讐心
世代間でそれを引き継ぐ意思
その一方でノアズ・アークの中も決して安穏とした社会ではない
船の中で生まれて船の中で死んでいくことが確実な人の心境たるや、想像するにやるせない
でも、そもそも生まれた環境が最初からそうだとしたらある程度は受け入れるんじゃないのかと思うんだけどね
もし自分がこんな選択を迫られたらどうするかな?
とりあえず、ノアズ・アークのメンバーには選ばれそうにない
ではジャンプするかというと、どうせしたところで死んでたろうしなぁ
もし生き残っても満足な生活ができないんだったら別にジャンプする必要もない
となると、地球に残った方がいくらかマシなんじゃないかと、物語を知った上では思うけど
実際に決断を迫られてたとしたら、中程の時期にジャンプしたんだろうなきっと
さてさて、全3巻の最後にはどうなることやら -
Posted by ブクログ
とても有名な本なのですね。
読み放題になっていたので手に取ってみました。
時代を感じさせない、SFさをあまり感じさせない優しいお話です(宇宙戦争なんて出てきません)。
構成はショートストーリーの集まりになっていて、どこからでも、どの巻からでも読めるようになっています。エマノンは、旅をしながらいろいろな人と出会い、自分の ”おもいで” として記憶していきます。それが彼女の旅、なのでしょう。
原始時代、まだ単細胞のような時代、というようなくだりもでてきます。
小さな生物は、なんのために、どうやっていきているのか、単細胞は1つで1つの生命なのか、と考えるとやっぱり違うように思います。
今年のベスト本として挙げられる、植物について書かれた本「樹木たちの知られざる生活」で、樹の根本では、菌糸が樹とネットワークを作り大きな生命体として機能している、と書かれていました。
生物の単位が1個体だ、というのは狭い考えだったのだと改めて思います。
ウィルスも1つ1つが生きているのではなく、連携してひとつの世界を創っているのかもしれません。共生、とは思いたくはないですけれど、進化のために必要なものなのかも。 -
Posted by ブクログ
宇宙空間に偏在するエネルギー分布、宇宙を漂う ”彼” 、その ”彼” はある種のエネルギー体のよう。
宇宙空間をさまよえる ”彼” はエネルギーの放出と取り込みを永遠の時間の中で繰り返してきた。
そして、エネルギー補給のためにたどり着いた惑星、地球。
”彼” がそこで初めて体験する刺激 ―― 生命体の持つ「意識」。
”彼” が地球の生命体 ―― ヒトの「意識」とのかかわりの中で、熊本市周辺だけで発生する黄泉がえり(蘇り、甦り)現象。そこから舞台は始まる。
熊本日日新聞日曜版に1999.4.10~2000.4.1連載、2000.10.15新潮社発行。
(内容紹介)
あの人にも黄泉がえってほしい―。熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。間違いなく本人なのだが、しかしどこか微妙に違和感が。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして“黄泉がえった”当の本人もまた新たな悩みを抱え…。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。 -
Posted by ブクログ
竹内結子主演の映画が大好きだったので、原作を手にしてみた。クライマックスで草彅剛が竹内結子を抱きしめようとするけど、その時竹内結子は消えてしまってとても切なくなる。ところが、あの映画はこの原作をもとにしているけどまた違う黄泉がえりだった、ということがわかった。そう思うとあの映画は完成度高かったなあ。オイラが単に竹内結子のこと好きなだけかもしれないけど。
死んだ人が蘇るストーリーって、生きてる時と違う様子になっていることが多い。この物語もそうなんだけど、生前にも増していい人になってる。しかも治癒する力まで持っている。小説の中では、”彼”と呼ばれているけど、ここは映画よりもわかりやすかったな。周平だけ玲子と翔のや前から消えることなく残ったのが謎だったな。