梶尾真治のレビュー一覧

  • 怪獣文藝の逆襲

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     怪獣映画はガチのリアリズムがないとだめだ。非現実としかいいようのない怪獣を召喚するにはまわりからリアルに固めていかねばならない。某ゴジラ映画には夢オチのが一本あって子供心にもあれは腹が立ったな。しかしまた、映画においてはとにもかくにも怪獣が出てきて、それが「絵」としてよくできていたら、放射能で巨大化したとかいうしょぼい設定であっても、それだけで説得力を持つ。何しろ人間は視覚をもっとも信じるのだから。
     だから視覚を欠く怪獣小説は最初からハンディを負っているのだと思う。

     本書は『怪獣文藝』の続編。続編といってもそもそもアンソロジーだから、話がつながっているわけではなくて、第2弾ということで

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    2016年02月26日
  • 怨讐星域I ノアズ・アーク

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    印象に残ったセリフは、『どぎゃんかなる!』
    地球から遥か遠い惑星で、負けてはならじと口にする熊本弁が映える! 感動するが、なぜか、笑えるのがいい。

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    2015年12月31日
  • 猫の惑星

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    ファンタジーの装いで、実はSFのビジョンもしっかりあって、結構楽しめました。猫をめぐる謎が、まだまだ残されていますが、行間を読めていないだけかもしれません。

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    2015年12月24日
  • 怨讐星域III 約束の地

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    堂々の大団円。終盤に向け、もっと盛り上げる構成もあったかもしれませんが、連作短編としてトーンを維持した現状を好ましく感じます。

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    2015年12月17日
  • 怨讐星域II ニューエデン

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    前巻に続き、2つの道に別れた人類の行方が語られます。SFとしてのビジョンよりも、著者も後書きで書いていますが、奇妙な味系の話も多いです。両者が出会うであろう、次巻に期待。

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    2015年12月04日
  • 怨讐星域I ノアズ・アーク

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    宇宙版「恩讐の彼方に」でしょうか(怨讐違い?)。不幸な経緯でそれぞれ約束の地を目指すこととなった人類の歴史がゆったりと語られます。社会実験的な側面は、まさしくSFの本質のように思われます。楽をしているような方(宇宙船)も、以外に大変だったりするのが、新鮮でした。題名から、「サラマンダー殲滅」(大傑作)のようなエンターテイメントを想像したのですが、良い意味で裏切られました。

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    2015年11月17日
  • 怨讐星域I ノアズ・アーク

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    はあ、面白い(溜息)。夢中になって読んだ。

    太陽のフレア化が活発になり、数年後に滅ぶことが必至となった地球にて、新天地を目指す世代間宇宙船に乗った人々と、ジャンプにより見知らぬ惑星で新しい生活を始めた人々と、地球に残った人々の、それぞれの年代記。梶尾真治の本領発揮とばかり感情を思いっきり揺さぶられる物語は流石。今はまだ彼らは出会っていないけれど、いつか合流して交流できればいいと思う。

    気がつくと我が身に当てはめながら読んでいた。もしこの物語にあるようなことが起こったら、私は絶対知らないところなんて行きたくない。ジャンプした先が岩の中かもしれない、空中かもしれない、原始的な生活の中で見知らぬ

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    2015年10月10日
  • 怨讐星域I ノアズ・アーク

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    3部作の1
    レビューは3巻目に



    「ノアズ・アークの連中に裁きと、地獄の苦しみを与えるためです」

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    2015年07月18日
  • 怨讐星域III 約束の地

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    ラストは一気読みでした。
    本当に色々な要素が詰まった長編でした。緻密に設定されたSFというわけではないし、長い時間を描く群像劇だから、一人一人のエピソードがそれほど深く語られる訳でもない。それでもその時間を様々な角度から描くことで、なんとも言えないおもしろさがある。これはいい作品でした。

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    2015年06月12日
  • 怨讐星域II ニューエデン

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    2巻になるともう残された地球のエピソードは登場しない。2巻の終わりに向けて、どんどんと分かたれた2つのグループの邂逅が近づいていく。その緊張感に震える巻です。

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    2015年06月09日
  • 怨讐星域III 約束の地

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    面白かった!
    どうなることかと思ったけど、落ち着くところに落ち着いてよかった。これまでの登場人物のその後が気になります。外伝的なものは出ないだろうから、勝手に幸せな方に想像するしかないけど(笑)
    ただ思ったのは、ある意味人類は共通の"敵"がいないとひとつになれないのだろうか。と、いうこと。

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    2015年06月07日
  • 怨讐星域III 約束の地

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    よかった。
    やっぱり、教えられ刷り込まれた
    怨みに基づいた人間の行動であるなら、
    (確かに局地的な偶然のケースかもしれないので
    別の結末をたどったケースもあるだろうけど)
    こういう終わりかたじゃなきゃ。

    で、3冊読んで物語は完結したのだが、
    あのひと、あのはなしのその後、
    という形をアクションでもコメディでも
    ラブロマンスでも、外伝を希望するのです。

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    2015年11月07日
  • 怨讐星域I ノアズ・アーク

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    これは面白い。かなり長い話ですが、テンポの良さです。未開の惑星における開拓史、恒星間宇宙船による惑星間移民、滅び行く地球の終末、1粒で3度おいしい本です。

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    2015年06月04日
  • 怨讐星域I ノアズ・アーク

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    ネタバレ

    とりあえず、この巻の最終章だけは「ファッ!?」となった。それまでとはちょっと趣き違いやしませんかね……?? いや、まあ、そういう設定はありだとは思うが、少々苦手であります。そんな感じ。

    そこだけ抜かせば、かなり好みで面白い。

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    2015年05月30日
  • 怨讐星域III 約束の地

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    憎しみの言葉から生まれるものは不幸でしかない。
    ヒトラーがユダヤ人皆殺しを叫んだように、在特会が聞くに堪えない汚い言葉を投げつけるように、ワルゲンツィンはアジソンの末裔たちの抹殺を教唆する。
    作者が選んだこの長い物語の結末は、人の善なるものを信じるものだった。私はこれを了としたい。善哉、善哉。ハレルヤ!

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    2015年05月29日
  • 怨讐星域II ニューエデン

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    第Ⅱ巻では、『たんぽぽ娘』や『ジェニィの肖像』に通じるところがあって、「七十六分の少女」が切なくて良かった。こういうお話、好きなんだよなぁ…。

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    2015年05月28日
  • 怨讐星域I ノアズ・アーク

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    ネタバレ

     太陽がフレア化し地球を飲み込むことが確実となった世界で人類は生き残るためにある選択をします。
    1つ目は恒星間宇宙船で他の星(約束の地)に行くこと
    2つ目は地球から成功率の低い”ジャンプ”を行い同じく約束の地へ移動すること。
    3つ目は滅びることが確実といわれる地球に残ること。
    それぞれの選択をした人類が直面する問題、葛藤などを
    描いたSF作品。
    特に地球に残った人たちの話は涙なしには読めませんでした。滅びることがわかっていてもなお人間として生活を営んでいくその考えは高齢化が進む現代社会を風刺しているのではないでしょうか?
     あと最後のゴキ○リの話。衝撃的でした・・・色んな意味で背筋が凍りました

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    2015年06月02日
  • クロノス・ジョウンターの伝説

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    鶴田謙二氏のエマノン含めても
    梶尾真治先生作品42冊目は、
    ソノラマノベルス、ソノラマ文庫、朝日ソノラマに続き
    やっぱり買ってしまった自身4冊目の
    『クロノス・ジョウンターの伝説』
    今回もまた、いい歳したオジサンが電車の中で
    時に涙こらえながら。。。毎回二度三度と読むのに。
    最初に読んだ時の感想は、
    『クロノス・ジョウンターの伝説∞インフィニティ』
    に。

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    2015年02月09日
  • さすらいエマノン

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    環境破壊を意識していた巻だと思う。作中に作者が登場したりとか、結構実験的なことも。終末装置がちょっと中途半端だった気はする。

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    2014年02月18日
  • おもいでエマノン

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    ネタバレ

    地球に生命が誕生してから現在までのことをすべて記憶しているという少女・エマノンの物語。人間ですらなかった時代から、母から娘へと記憶が伝えられてきたという。その彼女が、世界を旅しながら多くの人と触れ合っていきます。SF旅物語とでも言いましょうか。

    連作短編集の形で、各編は彼女と出会った人物の目線で描かれます。特に最初の表題作が、甘酸っぱい青春を思い起こさせる感じで気に入りました。その後も、出会う人とのやりとりが彼女の記憶に蓄積されていく一方、会った相手にもかけがえのない記憶を残していきます。突飛な設定もありながら、それぞれに楽しく読み終わりました。

    表題作は、1979年に書かれたもの。それで

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    2014年02月10日