梶尾真治のレビュー一覧
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生命誕生からの記憶をすべて持っているエマノン。
主人公の青年とエマノンが、船旅の船のなかで出会い、語り合い、惹かれあう、ほとんどそれだけの話。
たったそれだけなのだけど、1コマずつ、1ページにあふれる叙情によって、自分の体験であったかのように感じた。
不死ではないが記憶を持ち続けるということは、つまり、数時間も、数十年も、同じことだと彼女は言う。
ちなみにヒロイン「エマノン」の名は、「NO NAME(名無し)」の逆さ読み。
遅筆で、作品を宙吊りにしてしまうことも珍しくない作家さんだそうだけど、こんな世界が見えているのならば、それは因果であると思った。
精読に耐える、素晴らしい漫画作 -
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Posted by ブクログ
未知の力の偶然を頼るしかなく、しかも突然に別れが来るという
本来の時間の流れ、座標に逆らうことができない運命、
人の無力を克服できるのか、永遠の喪失が待っているのか
惇さん、つばきさんふたりの交流が限られた時間の中で
もどかしいほどの暖かさと穏やかさを湛えているから
結末がいっそう気になって一気に読み終わる。
冬から春にかけて、椿の花を愛でながらもう一度読みたくなる。
つばきさんは、凛としていながら、あどけなく
はかなげでいて頼りになって
なんとも上手いこと理想的な女性像を
と思うこともあるが、彼女の言動の魅力にやられてしまった。
タイトルは「つばきは百椿庵に」の方が
「ある日どこかで」の -
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Posted by ブクログ
<あらすじ>
恋人にふられたり、職場でも辛い目にあったりと精神的に落ち込んでいる玲香。そんな彼女の前に架空上の友達(イマジー・コンパニオン)であるあねのねちゃんが現れる。あねのねちゃんは玲香を苦しめた人たちに復讐をする。そして玲香を一番苦しめた母親に対しても、あねのねは復讐をするが、実はその正体は……。
<感想・レビュー>
玲香の意識とは裏腹の無意識のうちに溜まっていくストレスと欲求。それらを一気に擬人化したのがあねのねの本当の正体なのである。
今回の話は、そういった人間の無意識的な欲求、ストレスを擬人化するというところが面白いと読んでて思った。ごく日常の生活の中で、そういった面をだしている