梶尾真治のレビュー一覧

  • 未来のおもいで 白鳥山奇譚
    「未来」と書いて「あした」と読むタイトル。タイトル別に並べたらあ行に来てあれ?ってなるのかもしれない。

    以前どこかで買った梶尾真治本の、「時の"風"に吹かれて」に続いてまた別の一冊。こっちは長編だからか、ほのかに読んだことがあるような記憶があるようなないような…
    でも読み進めてて「もしかしたら… ...続きを読む
  • おもいでエマノン

    カジシン作品の完璧な漫画化

    梶尾真治作品、けっこう読んでいますが、実はこれ、未読だったようです。
    ただ、リリカルなカジシン節が見事なまでに炸裂している佳品で、鶴田謙二氏の作品も初読でしたが、あっという間に作品に引き込まれました。
    私もフェリーの旅は好きですが、2等雑魚寝は利用しませんので、その辺も自分の経験に沁みたのでしょうか...続きを読む
  • おもいでエマノン
     とても良い短編だった。どのシーンを切り取っても綺麗で、ストーリーもまた、読み進めるごとに違う良さが姿を表す。
     一冊の漫画で、これほど魅力的なヒロインを描くことができるのは凄い。多分、絵柄や造形というだけじゃなくて、それなりに多くの人が胸中に抱く、ヒロインのイデアみたいなものを、ずるずると引き出し...続きを読む
  • 黄泉がえり
    ずっと昔から大好きな作品。

    熊本県熊本市でのとある出来事をきっかけに,家族・友人・恋人らを亡くした経験を持つ人々の元へ故人が帰ってくるようになる。この現象は『黄泉がえり』と名付けられる。

    生者と(元)死者の交流が,群像的に描かれる。読みやすいタッチで,ストーリーの引きもある。
    ファンタジー,ホラ...続きを読む
  • つばき、時跳び
    NHKラジオ「青春アドベンチャー」で聴いたのをきっかけに、本書を購入。新進作家の主人公が住む、今は亡き祖父母宅。熊本市内を一望できる椿が咲き誇る百椿庵。その宅では、昔から女性の幽霊が出るという。150年前と現代とを結ぶSF恋愛ファンタジー。
  • 未来のおもいで 白鳥山奇譚
    本作品は既に2004年10月に光文社文庫から出版されているもの。今回の本には「白鳥山奇譚」との副題が添えてある。今回舞台となる白鳥山は実在しており、熊本県と宮崎県の県境にある標高約1,640mの山である。Google mapで見ると素人がハイキングで気軽に行ける山ではなさそうだ。宮崎県側から登った方...続きを読む
  • クロノス・ジョウンターの黎明
    来たよ、来た来た、「クロノス・ジョウンターの黎明」。告白します、2回読みました。1回目は一気に1日で読みました。そして2回目は2日に分けて舐める様に読んだ!おかげで本はベトベト(嘘)。舐める様に読んだことで、あるもの(p263の最後から2行目の「自転車」)を発見してしまいました。興奮してあまり読み過...続きを読む
  • おもいでエマノン
    "数時間一緒にいても数十年間一緒にいても
    好きだったという思い出は私にとっては同じことなんだもの"
  • クロノス・ジョウンターの伝説
    梶尾真治さんの時間SFとしては最高傑作だと思う。時間遡行は可能なタイムマシンでありながら、利用者に過酷な代償を求める「過去射出装置=クロノス•ジョウンター」。第一話は、そんなマシンが、そもそも、"失敗作"として博物館に陳列されている所から始まる。Pフレックスという大会社の一部門が開発していた点もリア...続きを読む
  • おもいでエマノン
    新海誠作品を観た後のような
    この切なさ、読後感。幸福感。
    一巻切りの作品で、
    鳥肌立ったの初めてに近いかも。
    SFと恋の相性ってすごいな。、
    傑作、って言いたくなる作品だった。

    ありがとうございました。
  • 續々さすらいエマノン
    4冊読み終えて、改めて自分は、鶴田謙二の絵が、彼の描く少女が好きなんだな、と思った。永遠ともいえる時間に繋がる、大きなイメージから、何故か自分も船旅がしたくなった。
  • おもいでエマノン
    あてどなく旅に出たくなる作品。

    時系列が交錯しているようで、次巻以降のどこかのエピソードと繋がっていると思われる部分があったりする。

    身体こそ代替わりするものの膨大な生命の記憶を持ち続けているエマノンにとって、その時代時代で出会う人々はみな、通り過ぎてゆく存在になってしまうのだろうか。

    それが...続きを読む
  • おもいでエマノン

    詩的で文学的

    思っていた以上に、詩的で文学的で、素晴らしい映画の冒頭を観ているかのようでした。謎めいたヒロインに、惹き付けられる気持ちがとても良くわかる!
  • クロノス・ジョウンターの伝説
    長く積読したタイムトリップ系。読友さんお薦め作品。ページ数が650ページと分厚く、長らく温めておきましたが一気読み。短編ものですが、すべてが繋がる。恋人を助けるため、親しい人の病気を治すため、母に謝りに行くため、親友を助けるため、自分の過ちを変えに行くため、それぞれの主人公が人生を賭けてのタイムトリ...続きを読む
  • うたかたエマノン
    #日本SF読者クラブ 連作短編集ではなく、珍しく長編。ゴーギャンやラフカディオ・ハーンが登場。エマノンの定番スタイルであるジーンズなどの由来も明らかに。
  • この胸いっぱいの愛を
    「花は育てればまた咲く。でも、ここにまた花が咲いたら、あの子はここを通るたびに自分のやった事を思い出して胸を痛めるに違いないんだ。そう思うと、わいよりあの子の方がずっとかわいそうだ」
  • クロノス・ジョウンターの伝説
    タイムトラベル専門書店utoutoさんで、藤岡さんのpopを見て購入した本。
    タイムトラベル物の良さが存分に楽しめる傑作。そのうち子供にも読ませたいな。
  • 猫の惑星
    イクオと猫たちの冒険物語。
    イクオは、隔離施設のようなところで育ったせいか、何かにつけ受け身で消極的ではあるけど、まっすぐないい子。
    彼を見いだした猫のウリが、渋くてかっこいい。
    3匹の子猫たちの可愛らしさもにゃはーんとさせてくるw
    猫の王を探す旅の途中で出会ったシビレ一派の猫たちの個性豊かな様子も...続きを読む
  • 怨讐星域I ノアズ・アーク
    太陽フレアにより近い将来滅亡が確定した地球。人類という種の存続ため、秘密裏に『約束の地』と呼ばれる惑星を目指し数万人の選民たちを乗せ地球を発ったノアズ・アーク号。その事実を知り、開発された転送技術『ジャンプ』により、ノアズ・アークの目指す惑星へと脱出する人々。そして運命を受け入れ、地球に残ることを選...続きを読む
  • サラマンダー殲滅 上
    いやいやこれは、頁を繰る手が止まらない。
    SFとしての斬新さ、興味深さは、ほぼありません。が、骨太でシンプル、直球ストレートな「物語の面白さ」が詰まっていますね。ジャンルなんて関係なくとにかく面白い小説が読みたい!という人に、激しくおススメ。
    まだ下巻もあるので、全体レビューは下巻にて!