梶尾真治のレビュー一覧
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ネタバレ待ちに待ったカジシン先生の最新作。
何故か一つの意識が互いを行き来し合う状態になってしまった二人のユミさん。昨日は田村裕美さん、今日は中野由巳さん。本当の自分はどっち?という始まり。
実は時間軸がずれていて、2年後に生きる中野さんが集めた情報で田村さんを救う…というストーリーで、ミステリー仕立てになっていますがミステリーとしては予想通り過ぎて味気がないです。
ただ、個人的にカジシン先生の作品で好きな登場人物の描写・行動からあふれ出る優しさやなんやで柔らかい作品になっています。
最後は由巳さんからのリアクションがあると嬉しかったなぁと思いながら。 -
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Posted by ブクログ
恋人にふられ、職場でもつらい目にあって絶望に沈むOLの主人公。
そのとき昔、架空の友達だった少女が現れ、過激な復讐が始まる。
架空の人物や生き物を友達とするイマジナリー・コンパニオン。
なんかラッセル・クロウの「ビューティフル・マインド」を思い出します。
あとはジョニー・デップの「シークレット・ウィンドウ」とか。
あねのねちゃんは、最初は主人公を苦しめる元カレや職場の上司に過激な復讐します。
でも徐々に行為がエスカレートしていきます。
でも実はそれは心の底で主人公が望んでいたことでもあります。
そして主人公は自己嫌悪していきます。
最初はかわいい物語から後半はその負の感情と戦う主人公の物 -
Posted by ブクログ
うだつのあがらぬ祖父、パチンコ依存症の祖母、
引きこもりの叔父、認知症気味の曽祖父、シングルマザーの母
穂足の周りをかためるのは鉄壁の残念家族、といえるだろうか。
誰かの周りに居そうな、普通の人たちでは?
しかし穂足とのかかわりで崩壊を免れている
形ばかりの家族であることは間違いない。
穂足の事故をきっかけにそれぞれが覚醒するという
個人の奇蹟を描くと思いきや
ちっちゃい日本のイチ地方都市のひと家族から
人類に向けた、とても壮大な話が始まりだす。
「OKAGE」「精霊探偵」風に動くのかと思ったが
「悲しき人形つかい」の空気もあり
そんなバカなという設定満載ながらも
手軽で安心、幸せなエンターテ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ昭和42年、九州へ向かうフェリーの中で彼女「エマノン」と出会った。
ちょっとした旅の出会いと思えば素敵な思い出。しかし、彼女はこんなことを語り始めた。
「私の精神年齢は…たぶん30億年くらいになるらしいのね」
30億年の記憶を持つエマノンに惹かれ……そして、次の日彼女は消えた。
非常に美しい物語。
梶尾真治さんの作品は女性が力強く、そして美しい。
以前から気になっていた作品だが、どうしても手が伸びず。イラストが素敵な鶴田謙二さんのコミックなら読みやすいかなと購入してみました。
13年後のエマノンとの一瞬の再会がとても素敵で切なくて、うーん、小説買おう……