梶尾真治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
些細なことで傷害事件を犯してしまった浅見克則は懲役1年の判決を受ける。しかし、試行段階の『消失刑』を選べば刑期は短縮され自宅で過ごせるという。ただし特殊なリングを装着して他人からは“見えない”存在となり、人との交流は完全に禁じられる。深く考えずに『消失刑』を選んだ浅見に押し寄せる過酷な運命とは…。
“何かを受け入れることによってもたらされる過酷な運命“。その時、人はどう生きるべきか…という命題を嫌でも考えずにいられなくなる。梶尾真治の作品に共通する視点だと思います。「どんなに孤独が好きな人でもここまでの状況になったら…」と考えると胸が苦しくなりました。
【余談】
本書は光文社文庫2023年 -
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Posted by ブクログ
梶尾真治の久々のショート・ショート集全40作品。もったいないので一日一作品のペースで読もうと初めの頃は思っていたが、だんだん我慢できず、ある日を境に一気に一日で読みきってしまった。中山七里でよく使われる「どんでん返し」と帯で謳っているものの、星新一ほどドライなオチではなく、どちらかと言うとほのぼのとした意外性という感じ。
ショート・ショートを書き続けると、質の良いアイディアが枯渇する、以前に書いたアイディアを無意識に再掲してしまう等の弊害が多発し、中編・長編作品向けのアイディアにも影響を与えてしまうのではと危惧している。実際、いくつかの作品では駄洒落を使ったものもあり、アイディアの厳しい台所 -
Posted by ブクログ
面白かった
映画化されたSFファンタジーの物語
感涙とまではいきませんでした。
こういう話だったのね。っていうのが正直な感想..
ストーリとしては
熊本のみで「黄泉がえり」現象が発生。
死んだ当時の姿でよみがえった人々。とはいえ、全員がよみがえってくるわけではありません。そんな現象に混乱する行政、対応に追われるといった展開が前半続きます。
黄泉がえりのからくりは「彼」と言われるエネルギー体ですが、この辺はあまり語られず、この現象に遭遇した人々の群像劇が悲しく、時には面白く語られていきます。
しかし、蘇った人々にもリミットが..
そして、その日が訪れます。
愛し合う二人がどうなるとか、家族が -
Posted by ブクログ
太陽フレアの影響で滅亡の危機に瀕する地球。遥か彼方の「約束の星=エデン」目指して宇宙船ノアズ•アークで旅立つ人々と、死に行く運命に抗う人、運命を受け入れる人、そして新たに発明された転送装置を使ってエデンに先回りした人々を襲う過酷な運命。置き去りにされた人々が抱いた怨讐は、第ニの故郷となる星で人々を支え続ける希望となり得るのか?
梶尾真治さんの提示するSF上の命題は、国家間の争いや、人類の生存に対する根源的な問題を含み、現実的な世界が如何に大切なのかという至極真っ当な思いを持たせてくれます。
…そう、例えばイスラエルとパレスチナとか。どちらの国でも翻訳•出版すれば良いのに。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前知識もなく初読みの作家さんで、あらすじの『ちょっと不思議でほんわか切ないスピリチュアル・ミステリー』のフレーズに惹かれて読みました。
交通事故で奥さんを亡くして茫然自失の男性が主人公なのでスロースタートで始まります。
テンポ的に、あんまり合わない作家さんかも……と思いつつ、前半を半ば惰性で読み続けてたら、中盤から後半と、もうどこに着地するのかサッパリわからないくらい振り回された挙句、大どんでんを迎えましたw
古代の遺物まではまだ良かったんですけど、SFはあんまり得意ではないので、前もって知って起きたかった。
後半にある一文で、『異獣の存在が、妖怪的なものからだんだん滑稽なものに存在を変え