あらすじ
感動再び! 原作でも映画でも描かれなかった、もう一つの『黄泉がえり』。不思議なことが起きていると聞いた。熊本のある地域で、死者が蘇るというのだ。もう一度だけ、あの子に逢いたい――。事故で亡くした子供を生き返らせるべく、別れた夫婦が再会し、熊本へ向かう。再生への祈りを込めた旅路を描く表題作ほか、短編の名手と謳われるカジシンの魅力満載で贈る一冊。
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Posted by ブクログ
書き下ろしを含む短編集です。表題作「黄泉びと知らず」は大ヒット映画「黄泉がえり」の原作版のアナザーストーリー。短編ならではの切れ味で、淡々としかし味わい深い佳作だと思います。
他の収録作は主にアンソロジー、異形シリーズやSFバカ本収録作から編まれていて、梶尾作品の別の面が垣間見れます。
「癒し」を求めて購入した人は面食らうかもしれません。「小壷ちゃん」とか「魅の谷」とか。
しかし、梶尾作品はこの多様性にこそ醍醐味があるとおもうので「癒し系」だけではない、いろんな傾向の作品を楽しんでください。
Posted by ブクログ
「黄泉がえり」現象が起きている熊本に
最愛の息子を不慮の事故で亡くした元夫婦が向かう
表題作
これは、雰囲気あったけれど
その他の短編は星新一+筒井康隆テイストを
もっと落とした感じ(笑)
どうせなら、すべてを「黄泉がえり」関連だったらよかったなぁ
Posted by ブクログ
カジシンの2冊目、本領と言われる短編集です。
何だか星新一を思わせる作風です。もっともショートショートではなく短編ですが。アイデアが豊富と言うか、悪く言えばアイデアのみ。そのアイデアがあまりにバライエティに富んでいて、付いて行き難い。もう少し統一したテーマがあれば、そうでもないのでしょうが
実はもう少しハードなSFを期待していたもので、ちょっと肩透かし。これはこれで面白いのですが、何か物足らないような気がします。
Posted by ブクログ
竹内結子主演の「黄泉がえり」が好きで、そのアナザーストーリーがあるというので読んだ。「黄泉びと知らず」は同名短編集の中のひとつでいちばん最初の話だった。いい話なんだが、そのあとに続く短編は何とも趣が全く違うストーリーで「黄泉びと知らず」とはまた違う時に読みたかったかな。面白いんだけど、さっきまでのジーンときていたものとのギャップが……面白いんだけどね。
Posted by ブクログ
古典竹取物語を基礎にオチは…『六番目の貴公子』
ある程度ヨメるが、やっぱりかの『魅の谷』
ほのぼの親子愛と思いきやの『小壺ちゃん』
といったユーモア、ばかばかしさもあるが
不完全な知的生命体がもつ永遠の思いを
切なく描いた『接続された女』
SFともファンタジーとも違うが日常でもない
しかし共感できる『見知らぬ義父』
表題作は、あの物語のまわりにあふれていただろう
普通の物語とちょっとした奇跡を物足りないほど
さらりと描いているので、少し物足りないかな。
Posted by ブクログ
短編集。表題作の黄泉びと知らずは黄泉がえりを読んでないとあんまり面白くないんだろうなぁと思いました。一番のお気に入りは、題名忘れたけれど、自分のしたい事を役割の中で押し殺してきてたっていう話です。親に対する子供という役割。学校に対する学生という役割。色々な枠組みにはめ込まれちゃって、その中で最適な行動をとる。そんなものにとらわれたくないなぁと思いました。