あらすじ
肥後椿が咲き乱れる「百椿庵」。江戸時代からあるという、その屋敷には、若い女性の幽霊が出ると噂があった。その家で独り暮らすことになった新進小説家の青年井納惇(じゅん)は、ある夜、突然出現した着物姿の美少女に魅せられる。「つばき」と名乗る娘は、なんと江戸時代から来たらしい…。熊本を舞台に一四〇年という時間を超えて、惹かれあう二人の未来は? 傑作タイムトラベル・ロマンス。[解説:脚本・演出家 成井豊]
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Posted by ブクログ
感動して泣きました
「現代」と「江戸時代」をお互いが体験する場面
逢いたいと想う、切なくも強いふたりの気持ちに触れ純粋に愛する人を想い、愛する人に何かしてあげたい想いが溢れてきます
主人公が、つばきには、もう逢えないと絶望し抜け殻になっている時、りょじんさんと巡り会えるシーンに感動しました
夏休み中に読んだ最高の一冊になりました
ありがとうございました
Posted by ブクログ
熊本市の郊外、花岡山の中腹に、その『百椿庵』はある。終戦後、廃屋同然だったこの家を曾祖父が購入し、父からの提案もあり、現在は専業作家をしている〈私〉が住んでいる。百椿庵には幽霊の噂があるらしい。男には見えない、という女の霊。新作を書きあぐねていた〈私〉は、謎の人影を見る。あれが百椿庵の幽霊だろうか――。
とそんな鮮やかな導入で幕を開ける、タイムトラベル&ラブロマンスな一冊が本書『つばき、時跳び』。140年の年月をこえる愛の物語です。土地の雰囲気が立ち上がってくる丁寧な描写が相まって、とても静謐で、情感豊かな恋愛小説になっています。惚れ惚れするような糸を引くストレートを見る感覚がありました。後半は時代小説の要素が絡んでくるのも楽しく、最終盤に明かされる謎めいていた人物の正体とそのやり取りは、感動的です。
Posted by ブクログ
NHKラジオ「青春アドベンチャー」で聴いたのをきっかけに、本書を購入。新進作家の主人公が住む、今は亡き祖父母宅。熊本市内を一望できる椿が咲き誇る百椿庵。その宅では、昔から女性の幽霊が出るという。150年前と現代とを結ぶSF恋愛ファンタジー。
Posted by ブクログ
やっぱりカジシンは面白いなぁ。時代ものっぽいのもあって少し身構えて読んだんだけど、そんなことは関係なくぐいぐい引き込まれちゃった。
唯一といってもいい難点は、つばきさんが主人公に惚れる理由が思いつかないってことかな。
Posted by ブクログ
偶然にもちょうどBTTFやっててタイムリー
時間跳躍恋愛ものなのかな
惇→つばきはわかる
つばきいいこだもんねぇ
でもつばき→惇は?
大きな蛇?くるま?のドキドキからの?
スピンオフで薄くてもいいので
つばき側からのお話の本がよみたいな
最後はBTTFのイメージで脳内再生されました
Posted by ブクログ
読後感が爽やか。
ただ、つばきがあまりに男性から見た理想の女でちょっと苦笑いで。その一方で、彼女が恋に落ちる主人公の魅力が全く分からない。吊り橋効果なの? そこに引っかかって、切ないタイムトリップ純愛物語に乗り切れなかった。男性の夢物語なのだと思えば微笑ましくはあるか。
Posted by ブクログ
ヒロインたるつばきが、あまりにオトコの理想像然としすぎちゃっていて、なんだか、正直、読んでいて、恥ずかしくってw
中二病(昔の?w)なオトコの頭の中の、ぽぁぽぁな妄想を覗いているようで。
というよりは、自分の中にある中二病的部分を、「ほら、オマエだって、こうなんだぜ」と無理やり見させらているようで、読みながら、「ひゃ~、もうカンベンしてくれぇ~!」と頭を抱えたくなった(爆)
これは、ハズレかなーと思って読んでいたんだけど、でも、江戸時代に行ってしまった主人公が否応なく自分の時代に引き戻される瞬間、「キュン!」とくる感じに、あぁこれは、“その一瞬”のための話なんだなー、と。
だから、著者はあえてストーリーを山あり谷ありでなく、どっちかといえば平板に描いたのかな~なんて思った。