あらすじ
世界で最後に生き残った象〈ビヒモス〉が逃げ出し、人々を襲った。由紀彦は、犠牲となった父の仇を討つため、象のいる場所へ向かう。その途中、一緒に連れて行ってくれという風変わりな美少女エマノンと出会う。彼女は、ビヒモスに五千万年前に助けられたと話しはじめて……。地球に生命が誕生して三十億年。総ての記憶を、母から娘へ、そしてその娘へと引き継いでいるエマノンの軌跡。鶴田謙二によるカラー口絵2ページ+イラストも収録。
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Posted by ブクログ
SF。ファンタジー。シリーズ2作目。連作短編集。
バラバラの順番で読んでいるシリーズ。特に問題はない。
「まじろぎクリィチャー」がベスト。かなりインパクトが強いSFホラー。
全体的に環境問題に警鐘を鳴らすような作品も多かった印象。
Posted by ブクログ
原始生命時代から人間に進化した今までの全ての記憶を持つ女性・エマノンの旅を描く短編集で、「おもいでエマノン」の続巻。世界のあちこちで出会った相手側の目線で、各編が進みます。人間の文明化の影響で悲鳴をあげている生物や地球そのものの悲鳴にエマノンが応えていく……という社会派的な色合いが強くなってきた気がしました。
それが特に顕著だったのが、最後に収録されている「いくたびザナハラード」。そんな人類は滅亡すべきなのかどうか、主人公は思い悩みます。新装巻になり追加された短編なのでしょうか、「おもいでエマノン」の書籍そのものや著者の梶尾氏本人も物語に登場するという、メタ的な展開であるのも面白かったです。
Posted by ブクログ
一作目が面白かったし、キンドルアンリミテッドが無料だったので読んだ作品。前作よりも環境問題や人類に対する罪に特化したものだからか、なんだか前よりも説教くさく退屈になってしまったなあ、ていう感じ。書いた時期が環境問題に対して敏感だった時期っていうのもありそう。話によっては少々グロテスクな表現もあるのでホラーっぽくもあった。面白かったけれど、前作ほどではなかったかな。
Posted by ブクログ
エマノンシリーズ。
他種族との関わりが多い、この巻。
環境破壊、兵器製造、人間の愚かさに胸が痛む。
でもエマノンが人間である限り、わたしたちは人間でいられる。
愚かな種族だけど、だけどどうか許して愛して。
「まじろぎクリィチャー」の紅い花が哀しくて綺麗。
「あやかしホルネリア」の赤潮リビングデッドが恐怖。
この二編が好き。
Posted by ブクログ
さすらいビヒモス
まじろぎクリィチャー
あやかしホルネリア
まほろばジュルパリ
いくたびザナハラード
だんだんエマノンが世界を救う一端を、担うか、解説するか、の役割を与えられつつある。
主に自然破壊があるところに、世界崩壊の予兆があり、その予感をとらえてうろついている。
崩壊を回避する鍵となりそうな人が、エマノンに助けられてなんとかする、と。
もちろんシリーズ化の功罪だとはわかるが。
もっと風来坊であってほしいとは、やはり最初の作品が圧倒的に美しいからか。