梶尾真治のレビュー一覧
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映画を先に観てから原作を読みましたが、両者のカラーは驚くほど異なっています。起承転結がハッキリしており、伏線も周到に張り巡らせた映画と比べると、原作の筆致は淡々としており、拍子抜け、というのが初読時の率直な感想でした。
しかしながらこの原作、改めて読み返してみるといい味出しているんですよね。1つ1つの事例ごとに、黄泉がえりが関係者に与えた影響は異なります。そのありようを淡々と、しかし克明に同時並行で描き出す事によって、SF作品であるにもかかわらず奇妙なリアリティが生じているように思います。
元は地方紙の新聞小説という経緯にも深く納得。時間をかけてじっくりと味わいたい作品です。 -
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怨讐星域シリーズの2作目。ニューエデンにジャンプした人類も宇宙船ノアズ・アークで新しい地球に向かう人類も数世代の世代交代を経て当初の様子を経験したことがない世代が文明の維持をしている。本作品ではどのようにサバイブするのかよりも、そこで生活する人々の行動そのものが物語の主役となっている。今の現実とまったく異なる世界というのが根底にはあり、人間はどのような生活をするのか、一種の思考実験のように読める。特殊な状況のラブストーリーや宇宙船の危機を救うアクション、青春小説など何種類かのエンタテインメントが詰め込まれている。
このシリーズでは、きっとニューエデンへジャンプした人間と宇宙船ノアズ・アークで -
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太陽フレアによる地球滅亡の危機が到来した。人類はどのように対処するのか。対処方法としては2つ。秘密裏に選ばれたごく一部の人々が宇宙船で新しい地球に移住する。テクノロジーの進歩によるテレポーテーション技術による新しい地球への移住(ジャンプ)。
よくある設定だとは思うが、宇宙船に乗船できるのは人類のごくごく一部。裏で脱出計画が遂行されるのも当たり前。一般人に宇宙船のことが漏洩されたことが知られると、当然のことながら残された人々は地球を脱出した人に対して怒りの感情を抱く。面白いのは、宇宙船が新しい地球に到着するのは数世代後の子孫になる一方で、テレポーテーションでジャンプした人々は瞬時に移住できるこ -
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ネタバレ不思議な力を持つ男の子が集められているシテン。
能力を高める訓練をし、パパの命令による”用事”をこなす日々。
そこの少年の一人であるイクオの楽しみは、
お昼時に庭園に集まって来る猫たちを眺めること。
ある時、その中の一匹ウリと言葉が通じるようになり、一緒にシテンを脱出する。
超能力少年と猫たちの冒険ファンタジー。
イクオと共に戦う、
ウリ・クロ・アル・べー・ガブ・クサレ・シビレ
そして四方八方から集まって来る猫たち。(壮観)
読み終えて、ふうとため息をつく。
久々の冒険ものであるうえに、
イクオや猫ちゃん達が、無事でいてくれるかドキドキで~。ホッ。
ウリに言わせると、この惑星には「猫の王 -
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