あらすじ
草なぎ剛主演映画の原作。あの人にも黄泉がえってほしい――。熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして“黄泉がえった”当の本人もまた新たな悩みを抱え……。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。「泣けるリアルホラー」、一大巨編。
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ずっと昔から大好きな作品。
熊本県熊本市でのとある出来事をきっかけに,家族・友人・恋人らを亡くした経験を持つ人々の元へ故人が帰ってくるようになる。この現象は『黄泉がえり』と名付けられる。
生者と(元)死者の交流が,群像的に描かれる。読みやすいタッチで,ストーリーの引きもある。
ファンタジー,ホラー,SFの要素が複合するが,中心にあるのは人間ドラマ。黄泉がえりは生者のためか,死者のためか。
ちなみに映画化もされたが中身は別物。(映画のほうは「泣き」に寄せすぎ……)
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何回読み返しても心に響く。
なぜ、死者は蘇ったのか。その意味は?
深い深い思いがある力と結びついて奇跡を起こす。
美しく切ない奇跡。
みんな、蘇った大事な人を迷い無く受け入れる。
その思いに心打たれる。
クライマックスのコンサートのシーンは、映画の
あのシーンが蘇る。
あの圧倒的な歌声は、マーチンそのものだった。
いつまでも心を捉えて放さない作品がある。
この本もその1冊。
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映画のタイトルは聞いたことがあるけれど、ストーリーは知らなくて、今回手に取ってみた。誰か1人が蘇る話かと思っていたら、熊本市の至る所で死んだ時の年齢でたくさんの人が蘇えってきた。彼らは何故蘇ったのか、そして多分いつかきっと還ってしまうはず、そんなことを思いながら読み進めた。SFみはあったものの、優しさで溢れるストーリーだった。
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宇宙空間に偏在するエネルギー分布、宇宙を漂う ”彼” 、その ”彼” はある種のエネルギー体のよう。
宇宙空間をさまよえる ”彼” はエネルギーの放出と取り込みを永遠の時間の中で繰り返してきた。
そして、エネルギー補給のためにたどり着いた惑星、地球。
”彼” がそこで初めて体験する刺激 ―― 生命体の持つ「意識」。
”彼” が地球の生命体 ―― ヒトの「意識」とのかかわりの中で、熊本市周辺だけで発生する黄泉がえり(蘇り、甦り)現象。そこから舞台は始まる。
熊本日日新聞日曜版に1999.4.10~2000.4.1連載、2000.10.15新潮社発行。
(内容紹介)
あの人にも黄泉がえってほしい―。熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。間違いなく本人なのだが、しかしどこか微妙に違和感が。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして“黄泉がえった”当の本人もまた新たな悩みを抱え…。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。
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竹内結子主演の映画が大好きだったので、原作を手にしてみた。クライマックスで草彅剛が竹内結子を抱きしめようとするけど、その時竹内結子は消えてしまってとても切なくなる。ところが、あの映画はこの原作をもとにしているけどまた違う黄泉がえりだった、ということがわかった。そう思うとあの映画は完成度高かったなあ。オイラが単に竹内結子のこと好きなだけかもしれないけど。
死んだ人が蘇るストーリーって、生きてる時と違う様子になっていることが多い。この物語もそうなんだけど、生前にも増していい人になってる。しかも治癒する力まで持っている。小説の中では、”彼”と呼ばれているけど、ここは映画よりもわかりやすかったな。周平だけ玲子と翔のや前から消えることなく残ったのが謎だったな。
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映画化され大ヒットを記録した『黄泉がえり』の原作。
ある日、亡くなったはずの人々がある地域でのみ生き返る現象が確認される。
黄泉がえりと呼ばれるこの事態に、人々はどう行動していくのか…?
未確認の現象、謎の高エネルギー体が地域を包む…など設定としてはSF。
しかし、物語の中核はその中で生きる人々の絆。
絶対に有り得ないフィクション、だがその中になぜかリアルさを感じる作品。
劇場公開版とは違ったストーリーをお試しあれ。
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なかなか心洗われる良い作品です。
位置付け的にはサイエンスフィクションとファンタジーの中間くらいの位置付けでしょうか。原因はSF的なのですが、余りそこをしつこく説明せずにさらりとかわしています。まあ本題は他にあるので、それで十分です。
読み終わってあら探しをすれば、当然ながら色々見えてくるのですが、それ以上に読書中は没頭させられる作品でした。それも、展開が急なページターナーという感じではなく、しっかり書き込まれ、引き込まれていく感じです。
久しぶりに読んだ日本のSFでしたが、カジシンさんについてはもう何冊か手にとって見たいと思います。
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SFなのだろうが、それっぽくない。蘇った人が残した人に癒しを与えていく話。熊本地震が描かれているが、実際起こった後で読むとこの小説のとおりになればよかったなと思う。
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映画を先に観てから原作を読みましたが、両者のカラーは驚くほど異なっています。起承転結がハッキリしており、伏線も周到に張り巡らせた映画と比べると、原作の筆致は淡々としており、拍子抜け、というのが初読時の率直な感想でした。
しかしながらこの原作、改めて読み返してみるといい味出しているんですよね。1つ1つの事例ごとに、黄泉がえりが関係者に与えた影響は異なります。そのありようを淡々と、しかし克明に同時並行で描き出す事によって、SF作品であるにもかかわらず奇妙なリアリティが生じているように思います。
元は地方紙の新聞小説という経緯にも深く納得。時間をかけてじっくりと味わいたい作品です。
Posted by ブクログ
熊本県を舞台にした小説を読んでいます
先日起こった熊本の大地震の後に この小説を読むと、SF以上の メッセージを感じる。今の熊本に マーチンが現れてほしいと願う
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映画の印象が強かっただけに、思ったよりがっつりSFだったことに驚かされた。
しかも、結構しっかり設定が組まれていて(個人的な感覚だが)「これは無理あるだろー」という感覚もほとんどなく、すんなりストーリーを楽しむことができた。
Posted by ブクログ
映画とは違うモノ…
映画先に見てから読んだみた。
内容、同じようで違うけど
根本は同じ。
「愛する人に対する思い」
かな。
「愛とは…」を考えたくなる作品。
でも、たぶん、映画の方がわかりやすいかも。
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ある日死んだはずの人が還ってくる。
現象だけ聞くとホラーなんだけど、
なんだかほっこり温まるストーリー。
こういう、たくさんの人たちが関わり合いながら作られていく話は好きだな。
サイドストーリーも読みたい。
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死んで黄泉の国へ旅立った人が帰ってくるという「想定外」でホラーな現象に戸惑う行政から物語が始まります。『死に別れる』という絶対の別離において、逝った人、残された人それぞれの立場での葛藤を描く事で、「人」の想いや繋がりを描いたファンタジー小説。クライマックスでは『よみがえり』の原因に加え、人間がこの世に『誕生』した起源が描きこまれるSF風味のオチと、まさに「幕の内弁当」状態。そのジャンルは読み手によって色々に解釈できるサービス振りに脱帽!
Posted by ブクログ
児島雅人の家に お父さんが帰ってきた。
死んだときの年齢で帰ってきたのだから、雅人より年下だった。
児島雅人のつとめている鮒塚万盛堂の先代の社長も帰ってきた。
中岡秀治にも 兄である優一が帰ってきた。
そして、中岡がこがれている相楽玲子母子にも夫が帰ってきた。
そればかりでなく 熊本市そして周辺の町にも
人は戻ってきた。
行政はどう対応するのか?
死んだものが生き返った場合、受理されれば
法務省の管轄になり、家庭裁判所の裁定がいる。
熊本で起こった 不思議な事件。
大きな生命体である 彼は エネルギーで
人々の心の中にあるものを よみがえらせた。
マーチンの物語が じつに よいなぁ。
yoshinobu というアカペラをきいてみたい気もする。
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父子、兄弟、昔すれ違った男と女
今出あった男と女
様々な黄泉がえりと周りの人のドラマが
交差したり、縒りあわさったり
特に児島縁と雅継、鮒塚シメと重宝、相楽玲子と周平
それぞれの夫婦愛が、異なる最良の結果をもたらすのが
「泣けるリアルホラー、否ファンタジー」
もう一度会いたいと強く願う人があの日の姿で戻ってきたら・・・
まぁ腰抜かすだろうけど、
私としては子供のころに亡くなった叔母に会いたい。
しかし、もう叔母の歳を越えてしまったし
その人ともう一度お別れをしなければならない
となったら、それはそれで残酷だ。耐えられるだろうか。
Posted by ブクログ
面白かった
映画化されたSFファンタジーの物語
感涙とまではいきませんでした。
こういう話だったのね。っていうのが正直な感想..
ストーリとしては
熊本のみで「黄泉がえり」現象が発生。
死んだ当時の姿でよみがえった人々。とはいえ、全員がよみがえってくるわけではありません。そんな現象に混乱する行政、対応に追われるといった展開が前半続きます。
黄泉がえりのからくりは「彼」と言われるエネルギー体ですが、この辺はあまり語られず、この現象に遭遇した人々の群像劇が悲しく、時には面白く語られていきます。
しかし、蘇った人々にもリミットが..
そして、その日が訪れます。
愛し合う二人がどうなるとか、家族がどうなるとかいうパターンを期待していましたが、そこまでべたではありませんでした(笑)
映画見てみたい!
Posted by ブクログ
映画化されてるし読み応えもありそうと思って読み始めました。映画はでも観ていないけれど、熊本で様々な立場の方が黄泉がえりを果たす‥でも、それは長くは続かない‥いい作品でした。
Posted by ブクログ
再読。映画でも大ヒットした原作。改めて面白いと思ったのは、熊本のある特定地域の人が限定で黄泉がえりしたということ。突然黄泉がえりした人と家族の触れ合いなど、地方色満点で楽しめますね。
黄泉がえりした人、彼の意識、想いが、大地震の発生を防止したなんて。
熊本には、そんな熱い想いがあるんだから、熊本地震からも、早く復興してくれることでしょう。
Posted by ブクログ
こういう人が死んだり生き返ったりする系の題材はちょっとずるくて、「人が死んだよ、さあ当然切ないでしょう!」というノリでも許されたりする。
この作品はそのノリだけではいけないという問題意識を感じます。
黄泉がえる理由として、神様のイタズラとか死神の気まぐれとか、使い古された思考停止ネタを持ち出さずに、エイリアンを持ってきたのは偉いと思いました。
まあ仕組みはふわふわしてる気もするんですが、かなり納得行く状態になっていると思います。「どうしてこうなるんだろう?」「この先どうなるんだろう?」と思えました。
Posted by ブクログ
映画で観たときの感動が思い出され、小説の黄泉がえりを読むことにしました。ファンタジーの映画と異なりSFタッチの原作は、家族愛や優しさを丁寧に描いています。作者の梶尾さんは、熊本出身の作家で、熊本を舞台にした作品が多いようですが、この黄泉がえりも熊本の地震がエポックになる作品なので、今回の熊本地震をダブらせながら読まざるを得ませんでした。出てくる地名を読みながら、小説の中だけであってほしいと何度も思いました。小説の中でさえ、黄泉がえりの人たちがエネルギーを吸収して、大きな災害を食い止めてくれたのです。早い復興を心から祈ります。
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映画をみたあとで詳しく内容がしりたくなり読みました。全体的にはさらっとした印象をうけましたが、なにかを大切に思う気持ちは尊いものだと思える作品です。
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熊本で突然死んだ人が戻ってくる現象が多発。続々と黄泉がえる人たちはなぜもう一度生ける人たちのもとに戻ってきたのか。
物語の設定は奇抜で最後まで的を得ることはなく、ファンタジー。
正直、最後まで読みやすいが理解しようとしてもできない作品。
Posted by ブクログ
熊本県で、死んだ人たちが次々と生き返る不思議な現象が発生。そのとき本人は、家族は、行政は、世の中はどうなるのか?
全体を通じてしみじみとした雰囲気が漂う。オチがあまりにあっさりしていたのが少し残念。
この現象の背景とか、もっと深堀されてると面白いだろうなと思った。
Posted by ブクログ
映画化した原作を読んでみようと思い購入。
感動するホラーかと思ってたけど、SF感が強かった。
あいまあいまに出てくる謎の生命体がキーになっているが、ほんまにナゾでした。
まぁ全体的に読みやすく、面白かったと思うけど、涙が出るほどの感動はなかったかな。