池井戸潤のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分の会社の事だから、世間一般の人とは違う、どこか特別な視点で作品を読んでいた気がする。
作中で描かれるような卑しさは、二年目の私にはまだ感じられない。だがもしまた同じような状況に会社が陥った時、普段我々が見ないもう一つの体質が顔を覗かせるかもしれない。
勿論、不祥事から会社全体を悪だと決めつけることは出来ないが、長年一つの会社で働いていると、その邪悪な体質に気付かぬうちに飼い慣らされていくのも事実だと思う。
結構な長編小説なので、途中飽きが来ることもあったが、最後はじんわりと目頭が熱くなるのを感じた。
会社に守られた私は、死に物狂いで働いたことはあったか?何をしても自分の生活は安泰だと -
Posted by ブクログ
ドラマ化されて世間を賑わせたタイトルは知っていたものの、実際に小説を手に取ったのは今回が初めてだった。ページをめくる指が止まらないほどの痛快さだった。
誇張も含まれているだろうが、銀行の描写は細やかで臨場感に満ちている。特に人事の描かれ方は現実の銀行員たちも思わず頷く部分があるのではないか。
上下関係が絶対的に支配する組織の中で、理不尽に頭を下げるのではなく、自らの正しさを信じて迷わない半沢直樹はカッコよかった。自分ならその場を丸く収めるために、軽々しく謝ってしまっているだろう。
理不尽に抗うことは容易ではないが、正義を貫くことの清々しさと、信念を持つことの大切さが描かれていた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ池井戸潤では珍しい、タイムリープ要素が含まれた作品。 BT21というトラックがキーとなり、親子の記憶を繋ぐ。
上では病み上がりの主人公の記憶の混濁、父親の制服を着たことで見ることができた父親の記憶が主軸だった。主人公よりもその父親が過去に運送会社でどのようなことをしていたか焦点が当てられていて面白かった。池井戸潤シリーズには必ず出てくる会社の経営状況、銀行員も良かった。
今で言う闇バイトのようなことをしていた従業員、そして経歴を全て偽って入社していた犯罪者、そこから発生していく様々なトラブル。新規事業個人宅配が銀行にも評価され、これから、と言ういい面もある一方、社内のトラブルは解決できてお -
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2014年にTBS系でテレビドラマ化され、唐沢寿明が主演
「ルーズヴェルト・ゲーム」の由来::アメリカのルーズベルト大統領が「野球で一番面白いゲームスコアは8対7だ!」と語ったことに由来し、点を取られたら取り返す逆転劇を意味します。
大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。リストラが始まり、歴史ある野球部の存続を疑問視する声が上がる。かつての名門チームも、今やエース不在で崩壊寸前。廃部にすればコストは浮くが――社長が、選手が、監督が、技術者が、それぞれの人生とプライドをかけて挑む「奇跡の大逆転(ルーズヴェルト・ゲーム)」とは。(講談社文庫)