池井戸潤のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
池井戸潤に自然を書かせると、こうも鮮やかに書くものかと新鮮な気持ちで読んだ。普段テンポのいい経済小説ばかりを書いているから、自然を書かせてもそこまで大自然の息吹を感じることはないだろうと思っていたが、ページを開くたびに息づく緑の香りは大変心地よかった。
ただミステリーとして読むと……私の好みではなかったが正直な感想だ。犯人が分かった時の緊迫感や対峙する場面での切迫感を物足りなく感じてしまった。人間同士の感情のぶつかり合い、勧善懲悪に近い爽快感を求めていたのかもしれない。そこが残念だった。
面白かったのは確かだ。いつもと違う池井戸潤を求めているのなら、自信を持ってお勧めできる一作だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレドラマも好きだったなぁ。
原作を読んでみて、あっ、けっこう違うんだなと気づき、でも変えたことによって原作の素敵なところ(感動するところ)が映像になってもちゃんと伝わるようにしてあったんだなぁと思った。
地の文での機微が伝わらないぶん、エピソード増やしたり、主人公に家族をもたせて会話で心情をあらわしたりしてたんだな、きっと。
原作ももちろんおもしろいし、それを映像化するために構成を変えた脚本家さんも素晴らしい。
蹴球協会の木戸さんの描写が特にそう思う。(ドラマ版では大泉洋さんが尾藤イサオさんのところへ通いつめて心を動かす展開だったと記憶している)小説でそれを読んだらくどそうだけれど、映像だと -
Posted by ブクログ
【概要】
西大阪スチールの事件後、半沢直樹は東京中央銀行本店営業第二部次長として、120億もの運用損失を出した伊勢島ホテルの再建を任される。金融庁検査を前に、損失の裏に潜む不正の実態解明に挑む。
一方、出向中の近藤は、タミヤ電機で粉飾決算を発見。
別個に見えた二つの問題はやがて交差し、組織ぐるみの不正が明らかとなる中、半沢は逆転を仕掛る。
【感想】
・半沢のめげない精神力とは対照的に、近藤の再起への道は人間らしくて面白かった。
・銀行・組織の間違った倫理にNOを示せる半沢こそ自分が目指したい姿だ。なぜならば、彼は物事の本質を見ており、NOと主張するための、意思の強さ、それを支える働く姿勢 -
Posted by ブクログ
◾️サマリー
・面白くも感動する政治サスペンス
・総理と息子が入れ替わることでの気付き
・昨今の政治経済熱にリンクする内容もあり
◾️所感
私は割と幼い頃から、何故か政治に興味があった変わり者である。そんな背景もあり、本作はとても面白可笑しく読み進められた。
この作品の中に出てくる官房長官が、名脇役なのだが、ある時、スキャンダルが発覚。総理である父親と大学生の息子が入れ替わり、内閣の一大事な時に追い打ちをかける出来事が発生する。そしてご多聞に漏れず、本書に出てくる野党は、予算委員会で官房長官のスキャンダルを追及するのだが、総理と入れ替わった息子のセリフが、まさにいつも私が思っていることそのも -
Posted by ブクログ
バブル世代の銀行員が不正と組織の理不尽に立ち向かう姿を通じて、「仕事」「家族」「時代背景」を考えさせられる社会派エンタメ。
当時はドラマ化された半沢直樹の影響で、「倍返し」という印象的なフレーズだけが先行し、その勢いで手に取った記憶があります。しかし改めて読み直してみると、この作品は単なる勧善懲悪のエンタメではなく、仕事や人生に対する向き合い方を考えさせる物語であることに気づかされました。
まず感じたのは、ビジネスの現場感です。
以前読んだときよりも自分自身の実務経験が増え、会計やビジネスの知識も多少身についたことで、銀行の融資判断や企業の資金繰りといった場面をよりリアルに想像しながら読む