池井戸潤のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先日、東京に遊びに行った時、皇居へ行きがてらの大手町の交差点で、上のほうだけ見えている読売新聞の本社ビルを仰ぎ見た。
あのビルの向こう側からからスタートし、角を曲がればすぐにもここを走り抜けていくのだなと、その時は車が行き交うコースを目にする。
さて下巻、いよいよ本選がスタート。
逆境に負けることなく団結し自分たちの走りで貫く217.1kmの走りが激熱。
家族の、恩師の、先輩の、仲間のことを、何より自分のこれまでとこれからのことを思いながら、それぞれの10区間。
実力通りの快走があれば、世間を刮目させる疾走、ゾーンに入った爆走に雨を利した伏兵の力走、1年生ながら堂々たる追走があり、一方では、ペースを乱され、体調不良に苦しみ、雪に泣かされながらの、それでもタスキをつなぐ、がむしゃらな走りも。
そこに、スポーマンシップ溢れるインタビュー、運営管理車からの声掛けの妙、驚きの給水係×2、さらには辛島アナの心のこもった実況が輪をかける。ここでも辛島アナ、グッジョブ!
その走りに胸を熱くし、周りの人々の行動に泣かされる。
隼斗が走る10区、残りの距離を思いながらブレーキ起こすなと祈りながら読んだ。
と書いておいてなんなのだが、読み終えてしまえば、ちょっと出来過ぎというかきれい過ぎるというように思わないでもない。
メンバーから漏れた者の葛藤や当日変更された者の落胆まで描いて欲しかったと思うのは欲張りかな。
今晩21:00から始まるドラマも楽しみ。
そして、これから始まるシーズン、大学生だけでなく実業団や高校生も、色んなレースを楽しみたい。 -
Posted by ブクログ
作家の三馬太郎は、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移住し、地元の消防団に加わる。ところが、静かな田舎町で連続放火が起き、穏やかだった日常に不穏な影が差し始める。
序盤の魅力は、田舎のほのぼのとした空気だ。個性的な団員たちが集まる居酒屋の場面は、この地区の象徴だと言える。だからこそ、その温かい共同体が「何か」に少しずつ侵食されていくのではないかという恐怖が、じわじわと効いてくる。その背後に宗教の影がちらつく構図も、物語の不気味さを増している。
本作は人間関係の機微を丁寧に追う心理描写が光る。誰を信じてよいのか分からなくなる感覚が、読者にも伝染する。田舎の密な人間関係が織りなす人間ドラマは、非常に読み応えがあった。 -
Posted by ブクログ
まだ肌寒い3月の末、一人の女性が水死体で発見された。事故か事件か判然としないまま、ハヤブサ地区全体が穏やかならざる渦に飲み込まれてしまう。新町長の当選、町長が辣腕を奮う一方で役所員にパワハラまがいの態度で接することで、町の中はぎくしゃくし始める。太郎はある文学賞の新人賞を取ったことで作家としての確固たる地位を築き始めていた。太郎と同時受賞した女性作家の盗作疑惑と町内で起こる事件との関係性が絡み合っていく様が巧みで、先が気になるのを止められなかった。
何かを守るためには、自分が守りたいものをまず差し出さなければ道が拓けないことがあることを教えられた。差し出したからこそ拓けた未来をどう歩むかがわたしたちに問いかけられ続けているのだと思うと、身の引き締まる思いがする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ古豪・明誠学院大学陸上競技部。
箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。
本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。
隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか?
一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局。
プロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。
「不可能」と言われた箱根中継を成功させた伝説の男から、現代にまで伝わるテレビマンたちの苦悩と奮闘を描く。
まったく興味のなかった箱根駅伝、レビュー評価が高いのと、ドラマの告知が何となく良さそうだったので手に取ってみました。
テレビ局から見た視点があるのが面白い。技術的にも大変な規模なんですね…。西日本育ちなので今までほぼ見てもなかったですが、大変なイベントなんだなと。。千人もスタッフがいるんですね。。日テレの実際の大泉洋ポジションの方は重責ですね。色々調べてみたんですが、これは第84回大会をイメージしているのでしょうか??それにしても原監督ってほんとすごい人なんだなと驚きました。
タレントを使わないのは納得。確かにタレントが目立つ番組だと違和感ありますもんね。
ランナーとはいえ、価値観や育った環境もまるで違うので、結果至上主義の人、叱責されてここまで来た人、いろいろですね。この連合はいかに大変か。1人1人、背負っているものがあるのが面白い。
テレビ局上層部との軋轢とか、このあたりは池井戸節で楽しい反面ちょっと暑苦しい部分もあり、好みが分かれそうです。
甲斐さんが山下さんか…というのもどうかな…?選手を演じる俳優さんたちも、陸上部経験者が多いのでしょうね。放送を楽しみにしたいと思います。