池井戸潤のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて池井戸作品を読んだ。
キャラクターが個性的で、一松組、各ゼネコン、萌の銀行、城山一派、検察と登場人物が多いにも関わらず「こいつはどんなやつだっけ?」となることが少なかった。話の構成もこまめに場面が切り替わるので、久しぶりに登場する人物が少ないのも一因かもしれない。
談合についてはNHKの番組「ねほりんぱほりん」でテーマに上がったことがありなんとなく知っていたが、組織のバランスみたいなところは話題に上らなかったので新鮮に読めた。あとこの話だとヤクザ出てこないんですね?結構談合にはあるあると言う話だったのだが…
平太は良くも悪くもアクがない主人公で、平太の目で見るからこそ談合の生々しい世界がわかった気がする。また永山が現場に引っ張ってくれてよかった。
本社の経験の上で現場に行くと見えてくることも大きく変わるので、個人的には平太は現場で終わるのではなく本社にまた行って知見を積んで欲しいなとも思う。だいたい4年目で単身で会社の代表として業界の大物と渡り合うなんて、なかなかできないことだよ…
西田のこと、初対面の印象では談合なんぞの違法行為に関わってるカッコのつかないしみったれたサラリーマンなのかと思ってたけど中盤まで読んでみるとその印象が大きく変わった
何も知らない後輩の面倒見もいいし、知らないうちに社内連携してプロジェクトを別の角度から再検討してるし、めっっっちゃ大詰めのときに後輩の家庭の事情を聞いて「そっちを優先しろ」と言ってくれるし………
素直にかっこいい!!談合に対するNOも後半は強く言っていたし、今後西田が楽しく仕事できたらいいなと思う
対比になってたのが園田で、最初はイケてるスマートサラリーマンで「萌、そっちについていっちゃえよ!」と思ったのだが、だんだん「あれ?こいつモラハラかも……マンスプ野郎かも…男性ホモソーシャルで生きてるやつかも…」と思うようになっていった。
ワインの産地だぁ〜?????鼻につくぜーーーーーッッッッ!!!!!!
萌だって自立したしっかりした女の子なのに、萌が「アメリカでも働きたい」と言った瞬間黙って食事し始めるのカス仕草だな。結局園田は自分に自信がなくて、かわいこちゃんの萌に認められることでその自信を取り戻そうとするんだけど、元彼の平太と比べてどうかばっかり気にしている哀しい野郎だと思っている。別れ話切り出したりしたら荒れるだろうしストーカー化しそうだな……と思ってたが意外と素直な謝罪メールが届いてたな?そこはちょっと意外だった。
どこかでものすごいインパクトがないとこいつの鼻につく性格とか振る舞いを変えることは難しいだろう。
ニューヨークの現地で本場の白人男性ホモソーシャルに押しつぶされて価値観変わったりするといいな(いいか?)
萌がまさかの園田のお母さんの言葉で自分がどうしたいのか明確になってくる、というのが一番驚きの展開だったかもしれない。入札で一松が談合に参加せず一人勝ちするのはなんとなく読めてたけど、萌のこの展開は一切思い浮かばなかった。園田に対する印象が悪くなってたタイミングだからきっと母親も息子依存の嫁イビリタイプなのかと……。
三橋のおっさんの過去が一番胸に迫ったかもしれない。過去の話を知った後、平太と競馬場で会った時のシーンをパラっと読んだら泣けてしまった。平太の母が既知の娘さんだったことを知った時の気持ちを思うと、もう、なんとも………当時のことが脳裏をよぎっただろうなー……もちろんりんごの苗を託したことも思い出しただろう。自分の母の遺品を預けるなんてものすごく信頼している相手にしかできないことだよね。
逮捕されて三橋自身もこの業界から手を引けると安心した部分もあるのではないかな。実刑つくかわからないが……執行猶予ついたとしても財産は差し押さえだろうしあの茶室付きのお家も手放すんだろか -
Posted by ブクログ
結論から言うと、とても面白かった。いつもの池井戸潤作品とは一味違い、学生たちの青春ドラマを軸にしながら、大日テレビを舞台としたビジネスドラマも並行して描かれており、走る側と支える側の両方から箱根駅伝の魅力を深く味わえる作品だった。箱根駅伝について詳しく知らなくても、ルールやしきたりが物語の中で自然に理解でき、ストーリーに引き込まれていく。
主人公の青葉隼人が苦悩や葛藤を抱えながらも、少しずつチームをまとめ、仲間たちと前を向いて本選に挑もうとする姿が印象的だった。バラバラだった選手たちが一つのチームになっていく過程に胸が熱くなり、これから始まる本選への期待も高まる。下巻をすぐにでも読みたくなる、魅力あふれる作品だった。