池井戸潤のレビュー一覧
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◾️サマリー
・面白くも感動する政治サスペンス
・総理と息子が入れ替わることでの気付き
・昨今の政治経済熱にリンクする内容もあり
◾️所感
私は割と幼い頃から、何故か政治に興味があった変わり者である。そんな背景もあり、本作はとても面白可笑しく読み進められた。
この作品の中に出てくる官房長官が、名脇役なのだが、ある時、スキャンダルが発覚。総理である父親と大学生の息子が入れ替わり、内閣の一大事な時に追い打ちをかける出来事が発生する。そしてご多聞に漏れず、本書に出てくる野党は、予算委員会で官房長官のスキャンダルを追及するのだが、総理と入れ替わった息子のセリフが、まさにいつも私が思っていることそのも -
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箱根駅伝の学生連合のファンである。
箱根駅伝は毎年見ているが出身大学が関東ではないため
特に思い入れのある学校はない。
どちらかというと、いろんな大学の代表が走っている学生連合は、背景に10校分のドラマがあると想像していた。
そしてたいていは下位だし、熱烈な応援がされていないという判官贔屓もあり、TV中継ではいつも学生連合を応援している。
なので、中継するテレビ局が学生連合を冷遇しているということが意外だった。連合の一人ひとりのドラマを知りたいと視聴者としては思っていたのだが、TV局側にはその認識はまるでなかったのか。
フィクションとはいえ、学生連合を主人公にした小説には胸が熱くなった。以前 -
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池井戸潤の小説は初。箱根駅伝という自分が小さい頃から見ていたコンテンツを題材にした作品であったため、読んでみた。
箱根駅伝の選手としての視点、監督としての視点、番組を制作する側の視点、様々な視点から箱根駅伝を捉えることができる。
青山学院の原監督など、今ではスパルタで鍛える指導法から、選手の自主性を尊重するあり方がスタンダードになりつつあると思うが、選手たちがどのような思いで駅伝に向き合っているのか。あるいは、チーム内でどんな話し合いが行われているのか。そういう、具体的な描写があって面白かった。
また、制作に携わる側に箱根駅伝のお涙ちょうだい的な演出を疑問視する者がいて、たしかになと思った。 -
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鉄の骨は、建設業界に巣食う談合という重いテーマを、骨太で緊張感のある筆致で描き切った社会派小説である。主人公が直面するのは、正義と組織論理の衝突という、働く者であれば誰もが一度は思い当たる不条理だ。現場の空気、上層部の圧力、同僚たちの保身と良心の揺らぎが現実味をもって迫る。一方で、主人公の彼女の存在は物語の推進力としてやや必然性に欠け、リズムを緩めた印象も否めない。しかし、主人公を取り巻く人物造形は極めて人間的で、弱さや矛盾を抱えた姿に強い説得力がある。本作は、個人が組織の一員として抗い続けることの重さと覚悟を、静かに、しかし確実に読者へ突きつける一冊だ。