角田光代のレビュー一覧
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角田光代の本は好きでよく読むけど、これが一番好き。旅をしていたことがあるっていうのもあって、すごく共感する部分があったし、旅なんてしていなくても、すごく分かる部分があるんじゃないかなって思う。
この本出てて来る「純度100%」と言う表現がとても心に深く刺さった。
自分にはいろいろな自分に変化できる自分が張り付いて、その場を取り繕ってすごしている。だけどそれって本当の自分じゃなくて、じゃあ本当の自分って何だろう、って思ったとき、しがらみの一切無い状況に居る自分なんだって思う。しがらみは消えはしないけど、旅をしているときは、すべて置き去りにして、「自分だけ」になる。何かに驚き、何かに感動し、何かに -
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「ピンクバス」
働いて、結婚して、子供を生んで、幸せに暮らしましたとさ。
というような言葉はたくさん目にするけど、
本当は、その単純なパターンの中に、たくさんの葛藤と矛盾がある。
複雑な心境を書き出すの、本当に上手だと思う。角田さん。
「昨日はたくさん夢を見た」
私の好きな、放浪旅行系♪
インドに旅行にいった彼氏と、日本で相変わらずだらだら過ごす自分。
変わりたいけど、変わらない。
世の中には、自分が変われば、世界は変わるって言う人がいるけど、
どうしようもない、もやもやから抜け出せない人もいる。
生きるって何?
みたいなことを一緒に悩んでくれるような作品。
答えは -
Posted by ブクログ
読み終わった。まさに激動の巻だと思う。
今まで光君がしてきたこと、自分がされたらどうなるかみたいなね。
それにしてもうーん、個人的に柏木キモいなって思ったけど教養もあって素敵な人なことに変わりはないのか。人間の多面性って感じなのかな。
とりあえず言えるのは千年も前の話なのに人は変わらないし、文才がすごすぎる〜!!
以下ネタバレ含む感想(途中までしかない)
【若菜 上】
・朱雀院、出家したいけど1番小さな姫君(女三の宮)だけが気掛かり!光君にお願いしたいけど〜
・女三の宮、幼いし無邪気で可愛い
・光君、朧月夜とやっぱどうにかなりたい…夜こっそりでかける…!!朧月夜も満更でもない!
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シングルマザーのくすかと、一人息子のあらたの成長と愛を描く物語です。
とてもおもしろかった。
気になった部分は決別と仲直りがすごく自然なこと。仲直りの時ってつい言葉を尽くしてしまいたくなります。そうすることで罪滅ししている気になるのかな。この作品ではそれが一切ない。余計な会話や言葉がない。そこに潔さと、本当に大切なことは何かを知る角田光代の凄みがある気がします。やっぱりすごいな角田さん。
子どもは親と環境を選んで生まれてくることはできません。幼い頃から育った環境が当たり前であり、たとえ一般的ではなくてもそれを不思議に思うことはないのです。しかし社会性を身につけ始めた時、気がついてしまう。そ -
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ネタバレお久しぶりの角田作品。
日々のディティールや情景描写が、本当に日記のようですごい。あと書き連ねられる献立がどれもおいしそう。冷やし中華食べたくなる。
妊娠から出産までの日記風の小説ではあるものの、私としては、マキと父との関係が心に残った。
折り合いが悪かった父が夢に出てきて、子供が父の生まれ変わりかもしれないと取り乱すマキに、夫は「おとうさんだった人のことを悪く言うのはよくないよ」「言っちゃいけないことってあるよ」と声をかける。マキはそれに腹を立て、トイレに立てこもってしまう。
親は絶対的に大切にしないといけないと信じている人って意外と多い。でも家族には全家庭で違う独特の関係性があるのだから -
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「対岸」
私にとって「対岸」とは、物理的な境遇の差ではない。たとえ隣にいても、同じ言葉を交わしていても、決して届かない「人の心」そのものだと感じた。
劇中の過去の小夜子、あるいは葵とナナコのように、人は必死に橋を架けようとする。けれど、最後にはそれぞれの岸へと引き戻される。対岸へは渡りきれるものではなく、永遠にその間を彷徨うループの中にいるのではないか。私は「対岸」に対して、ある種の諦めを抱いている。そして、無理に渡りきることが正しいとも思っていない。
相手が何を求めているのか、何に飢えているのかが、自分のことのように分かってしまう瞬間がある。その孤独を共有することはできる。けれど、それを