池波正太郎のレビュー一覧

  • 剣客商売番外編 ないしょ ないしょ

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    剣客商売 番外編

    薄幸の少女、お福の物語。
    幼くして両親を失い、下女として神谷弥十郎の元で働いていたが、まもなく主人が暗殺された。
    行き場を失い、下男の五兵衛の世話もあって江戸へ出たお福。
    新しい主人、三浦平四郎はとてもよくしてくれ、お福は幸せだった。しかし、この主人も同じ無頼浪人の凶刃に倒れ、ほどなくして、五兵衛までも殺された。三浦に手裏剣の手ほどきをうけていたお福は、秋山小兵衛の助太刀をえて、仇を討ち果たす。


    若くからあまりにも多くの死を見てきたお福。それでも、人々の善意に助けられながら、たくましく生きていく姿は見てて気持ちよかった。

    小兵衛、仙台堀の政七、四谷の弥七、羽沢の嘉兵衛

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    2012年09月07日
  • 剣客商売十六 浮沈

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    剣客商売シリーズ16作目

    小兵衛66歳の秋から翌年にかけての物語。

    26年前、門弟の滝久蔵の仇討ちの助太刀をした小兵衛。
    久蔵は無事に敵討ちを成し遂げ、小兵衛も同じく助太刀をしていた山崎勘介と死闘を繰り広げた。
    それから26年たち、蕎麦屋で久蔵を見かけることになる。
    その直後、自分が斬った山崎の遺児、勘之介とも出会うことに…。



    ついに、最終巻となってしまった剣客商売シリーズ。
    顔のせいで人から誤解され、処刑された金貸し平松多四郎。その息子の伊太郎は仇討ちはしないと言う。そんなことは古めかしいと。
    そして、田沼も失脚。
    本当に時代はどんどん変わっていく。
    これからあと数十年もすれば世の

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    2012年09月07日
  • 剣客商売十五 二十番斬り

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    剣客商売シリーズ15作目


    得体の知れぬ眩暈に襲われたその日、小兵衛は、恩師・辻平右衛門ゆかりの侍、井関助太郎を匿うことになる。
    井関は手負いで、しかも曰くありげな小さな男の子を連れていた。
    小兵衛にすら多くを語らぬ井関に、忍び寄る刺客の群れ。小兵衛は久しぶりに全身に力の漲るのを感じるのだった。
    一方、江戸城内では、三冬の父、田沼意次が窮地に。



    前作から1ヶ月後くらいのお話です。
    小兵衛は66歳。口では弱気な事を言っていても小兵衛に限って…と思っていたら、今までにない眩暈でこの物語は始まる。
    宗哲先生によると、「ようやく老人の躰になった」とのこと。
    ほっとされられたのも束の間、大きな事

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    2012年09月06日
  • 剣客商売十四 暗殺者

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    剣客商売シリーズ14作目


    ある日、小兵衛は凄腕の二人の浪人者をたちまちにして蹴散らす巨漢の剣客を目にする。
    その男の名は波川周蔵。
    「あの男ならせがれでも危うい」。
    その後、小兵衛は大治郎襲撃の計画を偶然知ることになる。実行するのは波川らしい。その裏には誰がいるのか。なぜ大治郎が狙われているのか。


    小兵衛66歳。この巻では今までにはないような失敗をしたりもする。でも、ここへきてどんどん人間味が増している感じもする。大治郎に対して声を荒げてしまうシーンなど特にそう思う。
    大治郎は、さらに腕を磨き、小兵衛へ近づきつつある。
    三冬は娘からしっとりとした妻、母に。
    田沼の悪評はさらに広がり、威

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    2012年09月06日
  • 鬼平犯科帳(四)

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    20120902 鬼平シリーズは登場人物が多彩で面白い。何度でも繰り返し読めるのはその時の気分で誰に感情移入するか変わるからかも。

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    2012年09月02日
  • 真田太平記(三)上田攻め

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    書き方が上手いんだろうな~。
    もっとゆっくりペースでしか進まないと思っていたんですが、先が気になってついつい読んでしまいました。歴史モノ、しかも戦国時代なんて人が入り乱れてるので、話にするのすごく大変だと思うんですよね。視点が違うだけでガラリと違う物語になってしまうし。でもどこかでつながっているのだから、あの人がああしたから、この人がこうなった、というものがある。そのままの時間軸で書いていけばいいというものでもないので、そういう辺り、書き方が上手いのだと思います。薩摩守がかっこいい…戦国時代の人の何がかっこいいって、一本筋が通るところ。
    軟弱じゃあ武将は務まらない!っていうことですね。

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    2012年08月20日
  • 真田太平記(二)秘密

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    今回は前巻で匂わせていた出生関連について少しずつわかっていく回。
    いうまでもなく登場人物が多くててんやわんやなのですが、わかりやすいように描かれています。他の人の成長はあまり見えないのに、なんか佐平次だけ所帯地味ているというか、変化してきて面白いです。角兵衛はどうなるのかしら、とか、景勝がいい人過ぎてびっくりしたとか、あとこれ10巻分感想書くにもどこをどう書いていいか2冊目にして挫折しそうだとか、思うことはいろいろですが(笑)地道に読んで行きたいと思います。

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    2012年08月20日
  • 幕末新選組 新装版

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    作者の文章が好みなので新撰組にも手を出してみました。
    この作品は永倉さんが主役。彼が長寿で虫歯が原因でなくなったことは知ってたけど、それまでの解釈はわりといろいろあったと思うのですが、「江戸っ子」を押し出した作品で、彼なりの気質を見せてもらったと思います。
    池波さんが永倉さんが一番好きだっていうのが目に見えてくる。甘いといえば甘いし、切るところは切る。ある程度妥協で生きているような印象も受けますが、人間味があるのはわかる。藤堂さんとの関係性がね~。私の頭はある程度勝手な解釈をしているので、そういう目線での解釈もあるのかと。時代物が史実は一つなのに、人であるがゆえに目線を変えれば全く変わります。

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    2012年08月18日
  • おせん

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    池波正太郎の小説は、日本語が綺麗で、人や風景の描写が丁寧。ストーリーも現実味たっぷりで、変な甘さがない。久しぶりの池波ワールドを堪能しました。

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    2012年08月14日
  • おせん

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    全て、女性が主人公の13編。
    しっかり者、性悪女、美人、不器量…様々な女性たちがでてきます。
    学ぶところはいっぱいありそう…。
    それにしても女というのは不思議で恐ろしい生き物だ。

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    2012年08月05日
  • 食卓の情景

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    この人の書く文章は滋養がある。情景がある。文化がある。
    そんな人が食い物について書くのだ。面白くないわけがない。

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    2012年07月23日
  • 剣客商売十五 二十番斬り

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    20120714 シリーズも終わりに近い。小兵衛の老いが実感される。人と共にあるシリーズだからこそなのだろう。さすがに小兵衛の歳を越すことはないだろうがまだ繰り返し読みたい。
    20141015 又、読み直してみて前回気にしなかった少しづつが気になって来た。やはり作者と主人公の関係は重なるようだ。

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    2014年10月15日
  • 剣客商売十一 勝負

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    ネタバレ

    剣客商売もはや11巻

    ついに大治郎の息子「小太郎」が誕生。
    小兵衛の爺さんぶりに拍車がかかる。

    話としてはなかなかヘビーで、「剣の師弟」「小判二十両」ではかつての愛弟子や弟弟子と相対するし、「その日の三冬」でも旧知のものが命を落とすことになる。
    「時雨蕎麦」では一点のほほんとしたバカ話だが、やはり武芸者の矜持を問われる「勝負」と「助太刀」の2篇が秀逸。

    しかし、小兵衛と暮らしているせいかおはるの腹の据わり具合は大したもんだと思うところも。

    初期に比べて、だんだん小兵衛が老いていくようで少し寂しい感じがしました。

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    2012年07月13日
  • 食卓の情景

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    作家の食事事情に興味があって。
    時代は違うけどこの大先生にもかなりのこだわりがあった。
    食のエッセイは好きですが、これもなかなか面白かった。
    この作品書いてるときはこんなんだったのか、とちょっとしたお得感が。

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    2012年07月05日
  • 梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安(二)

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    20120630 シリーズの基礎が出揃う。梅安の年齢が以外に若い事に驚く。最初に読んだ時からそれだけの年が過ぎたという事。自分も成長しないと。

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    2012年06月30日
  • 剣客商売十四 暗殺者

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    20120620 小兵衛の老がリアル。なんとなくホッとする。

    20141022 大治郎の落ち着きと小兵衛の短気な行動。時間の経過が感じられる。子を思う親の愛情が感じられた。

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    2014年10月22日
  • 剣客商売十 春の嵐

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    ネタバレ

    剣客商売では珍しい長編。とはいっても幾つかの話に分かれているので短編集のように読みやすい。

    大治郎の名を騙る辻斬り?が暗躍し田沼、松平を巻き込む大事件に。。。

    ってなかんじですが、今まで出てきたキャラクターも再登場。三冬さんもどこかしら母親の感じが出てきてさすがにうまいなぁと。

    大治郎がイマイチ活躍しないのと、最後の斬り合いはあれでいいのか?と思わないこともないですが、やはり剣客商売は面白いと思わせるに十分でした。
    しかし史実では、松平定信の遺恨は尾を引いて結局田沼さんは酷い目に遭わされるんだよねぇ。。剣客商売の中ではとても良い人に描かれているのでかわいそう。
    悪いやつランキングでは一橋

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    2012年06月20日
  • 男振

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    コンプレックスと生い立ちに翻弄されながらも最後は自分の足で自分の人生を歩いてる。
    こうなれたらかっこいいなあ。

    あとがきにかいてあったこの小説のモデルと事件が気になる。

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    2012年06月18日
  • 真田騒動―恩田木工―

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    他人に「真田家」を扱った小説を勧める際はまずこれ。

    表題作から伝わる恩田民親の人柄が良い。
    直木賞受賞作の『錯乱』を含む短編集なので読みやすい。

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    2012年06月14日
  • 剣客商売八 狂乱

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    小兵衛が年をとっていることをそこはかとなく感じました。
    題にもなっている"狂乱"は悲しく不条理だけど、まさに
    剣客商売の王道ともいえる感じの作品であっぱれですね。
    正義とか悪とか強とか弱とかいろいろなものは表裏一体で
    かつ単に2面では語れないということですなぁ~。

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    2012年06月10日