池波正太郎のレビュー一覧
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ネタバレ『鬼平犯科帳』の番外編。
『鬼平』は至福の時間をくれる娯楽作品だ。
自分を捨てた男を殺したお松の人生を物語の柱に据えて、火付け盗賊改方に就任したばかりの鬼平を描く。
TVドラマでおなじみの密偵「小房の粂八」「大滝の五郎蔵」「おまさ」にはまだ出あっていない頃で、唯一「相模の彦十」が登場するのみの、まさに「駆け出しの鬼平」だ。
かつて愛した男に「お前は不作の生大根だ」とののしられた事からの女としての諦めと、その男を殺してしまった罪の重さとで 若い頃に我欲を捨てきったが為に、己ではそうと気付かずに 周りの人たちに救われ愛されるようになったお松。
そのお松の横顔を思い「女というものはまこともって -
Posted by ブクログ
ドラマ「鬼平犯科帳」でお馴染みとなった火付盗賊改方長官
「鬼平」こと長谷川平蔵の先輩にあたる安部式部と
その部下達の活躍を描いた作品。
ラストが時代小説っぽくなくて驚き。
そんな仕掛けをするか、池波正太郎。
まるでスパイ映画みたいじゃないか。
江戸時代の話なのに、スパイ映画みたいだったり、
硬派の刑事ドラマみたいだったり。
科学技術なんかに頼れないから、
ひたすら尾行と張り込みに明け暮れる日々。
頼りは己の勘とチームワーク。
なのに、そんな地味なアナログ捜査が、
徐々にパーツが揃っていき、最初は雲をつかむような
存在だった悪の一大組織を破滅へと追い込んでいく。
己の信念に従って、忠実 -
Posted by ブクログ
作者は、鬼平犯科帳の池波正太郎氏。
鬼平が、火付盗賊改方の活躍を描いたのに対し、
こちらはその追われる側である盗賊側にスポットを当てた作品。
盗賊側にも火付側にも、そしてどちらにも属さない、
人物が大勢登場するが、誰一人似ている者はいない。
一人一人個性が強く、それぞれが抱えている都合があり、
信条があり、それらがぶつかり合って生み出す火花が熱い。
雲霧仁左衛門といい、盗賊一味は、
皆、悪者なのに魅力的だ。
人としての弱さを持ちつつも、
自分の稼業や生き様を誇りにして、
何かにつけて潔い。
前編が読み終わり、いよいよ後編。
火付盗賊改方は雲霧一味を捕らえる事が出来るのか。