池波正太郎のレビュー一覧
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田沼意次の時代が大きく変化していく。
小兵衛も66歳となり 振り絞る力が・・・せつない。
26年前 滝久蔵の助太刀をした。
そのことで 滝久蔵は評価されて出世するのであるが。
しかし、薄汚れた 滝久蔵を見つけるのだった。
借金を 踏み倒そうとする。
一方 助太刀をしてきった 山崎勘介の息子 勘之介にであう。
その 勘之介の 潔さ 礼儀正しさに 小兵衛は驚く。
借金を踏み倒された 平松多四郎は その顔ゆえに
処刑されてしまう。
女郎と遊ぶ息子 伊太郎は 滝久蔵は問題にせず
さらし首になっているのを 取り返そうとする。
小兵衛は それを手伝う。
小兵衛は 凛として 無外流の 霞の剣を 大治郎 -
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この物語を 気楽に読んでいたが
小兵衛が まさに 私と同じ世代。
大治郎が 嫁をもらい 初孫ができる。
60歳はじめの小兵衛の複雑な心境が みょうに 気に入るのだ。
40歳年下のおはるを 嫁にもらい
質素で慎ましやかで おはるの愛情につつまれながら
食べ過ぎて おなかを壊したり
おはるの膝で お昼寝をしている・・・・
そして 旗本たちの ふがいなさや
ふとどきな浪人を こらしめ、
大治郎の成長を じっくりと見つめる。
小兵衛はいう
『剣術もやめて 年を老ってしまうと どうも退屈で仕方がない。
だから、ついつい人事へくびを突っ込みたくなるのであろうよ。』
『万(よろず)、よけいな事をし -
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お福は 両親をなくし 不遇な中で 新発田の町道場ではたらき、
理不尽にも 乱暴される。
その町道場主 神谷弥十郎は あるオトコ 松永市九郎 に
ころされる・・・・。
五平とともに お福は よるべなき ところで
成長していく。たくましく そして どっしりと。
しかし、いつも不幸なのだ。
男たちは 最後のともし火をかがやかせ 安らかに死んでいく。
三浦平四郎、五平、倉田屋半七の人生が切り立つ。
老いてのち どのように 人生を生きていくのか
「人は死ぬために生きる」という 池波正太郎の言葉が
重く それぞれの人物が 死 に直面し、命を落としていく。
小兵衛の 卓越した 人生観が お福を 不幸から救い -
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時代小説は 読みにくいから と思って敬遠していたのだが
この剣客商売の読みやすいことは 驚くばかりだ。
するする と 肩のチカラを 抜いて 読めてしまう。
ライトノベルだという批評もあるが、気分的には
ライトノベルに近い。
秋山小兵衛が かならず 問題を解決してくれる。
田沼意次を借りちゃうところが なんとなく 面白くないが
江戸時代だから しょうがないのか。
剣客商売三 になったら、小兵衛の息子 大治郎の
成長ぶりが めざましい。
『父上だったらどうするのだろうか』と
考えるところが 一歩前進したのだろう。
人を殺すには 刀で どうやって殺すのだろう
と常日頃 おもっていた。
心臓を