池波正太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今では理解もできそうにない武士の理屈や生き様。
しかし、それらにある種の美しさを感じざるを得ないのは、それが絶対的で揺るぎようのない信念の基に成り立つからだろうか。
当巻では、そういった理屈を抱えた武士が多く登場した印象を得る。
その剛直な武士らが自ら抱く理屈の下、落命していく様は、それとは異なる、信念の儚さからくる美しさを、読者に与える。
これまで正しいと思える行動を取ってきて、自身もそれを自負する小兵衛が、初めて自らの行動に疑問符を抱き苦悩する姿は、これまでそのような姿を見せなかったこともあってか、超人的な強さを誇る彼に、人間くささをもたらした。
久々に読んだこともあってか、これまで -
Posted by ブクログ
2011.9.13
大坂夏の陣にて、真田幸村死す(「幸村」は後世つけられた呼び名だというのが通説なのだが、このシリーズではそのことを断ったうえで敢えて幸村と呼んでいる)。
大坂方の武将たちは連携が取れず互いに疑心暗鬼になる面もあり、足並みがそろわない。結局、戦場にて思うさま兵を動かし、敵方を叩いて真田の名を天下に知らしめたいという真田親子の願いは完全には果たされなかったわけだけど、どこかからりとして潔い、秋の晴れ空のような死に際の描写がかえって胸を打つ。
何であれ、一つの大願のもと生き抜いた最期の胸の内ってどんなものかなあと思いを馳せてみたり。戦国の世と現代では人の生き方も大きく様変わりしてい