池波正太郎のレビュー一覧

  • 賊将

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    池波正太郎氏が「錯乱」で直木賞を受賞する直前に書いた力作短編集である。「応仁の乱」は表現が難しい争乱を意欲的にチャレンジ、「刺客」は得意の真田物、「黒雲峠」は仇討ち物の逸品、「秘図」は後の鬼平にも繋がる意欲作、「賊将」は桐野利秋の生涯を描く短編、「将軍」は乃木希典をとおして明治とは!を語る。

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    2014年07月11日
  • 剣客商売四 天魔

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    最強の剣客・千代太郎現る「天魔」。悪党に謀られ追い詰められる脇役の苦悩が切々と語られ、さりとて上手の敵には歯が立たず無念如何ばかりか、の所で真打登場の「老僧狂乱」。
    最強の主役はこう使えと言わんばかりの、物語の教科書の様な胸躍る展開の連続ですが、それも修練と修羅場の果てに辿り着いた厚みのあるキャラだからこそ。
    主人公の強さにも理由が欲しいスポ根好きの貴方にこそ贈りたい、少年漫画の手本の様なシリーズです。
    また●饅頭のくだりで初心な若者ふたりを苛める辺りは、作者の愛と悪戯心に触れ思わずニヤリ。
    正に娯楽の極みです。

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    2014年07月09日
  • 真田太平記(九)二条城

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    ネタバレ

    最後に勝つのは長寿と子だくさんなのか.
    加藤清正については,朝鮮出兵,虎退治,熊本城,ぐらいのイメージしかなかったが,恐れ入りました.戦のない世界を築くために徳川と豊臣の仲を取り持つことに腐心する清正と浅野幸長.しかし,真田昌幸,浅野長政,清正と幸長が相次いで亡くなり,いよいよ方広寺事件がおこる.
    関白になるって言うことは,そういうことなのか.

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    2014年07月06日
  • 原っぱ

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    江戸ではなく東京の姿が変わって行く、滅び行く東京の街並み等への惜別の情を描いた池波さんには珍しい現代小説。この中で描かれている主人公の牧野は池波さんの分身。氏は自分の姿を牧野に重ね、姿を変え消えてゆく良き姿の東京を語る、古き良き江戸の風景を残す町はこのころから無くなりつつあったのだ。

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    2014年07月02日
  • 真田太平記(七)関ヶ原

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    ネタバレ

    西軍,というか石田三成の大局観のなさが,ずるずると西軍を敗北に引きずり込む.秀吉亡き後は,残念ながら誰一人として家康には対抗できなかったということか.真田父子の活躍度が今ひとつで,第二次上田合戦はもう少し詳しく書いて欲しかった.

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    2014年06月24日
  • 黒幕

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    昭和36年から41年までの間に小説雑誌の御三家といわれた「小説新潮」「オール読物」「小説現代」等に発表された作品が11編収録されている。なかでも、「猛婦」「槍の大蔵」「命の城」「獅子の眠り」は池波さんの得意な真田物。その他も池波さんらしく男と女の描き方が卓越!

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    2014年06月23日
  • 剣客商売三 陽炎の男

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    相変わらずの勧善懲悪で分かり易い物語に加えて、小兵衛が90歳まで死なないと早々に最強宣言をしてしまったシリーズの三巻目。
    かといって水戸黄門ばりのマンネリズムが控えている訳でもなく、一見すると先の展望に対して期待を持ち辛そうな本作なのですが、過去2作よりテンションが上がってきているのはどゆこと??
    小兵衛の気持ちの良いキャラを軸に個性的な登場人物が増え、広がる世界観が心地良いという事もありますが、大治郎の成長、三冬の恋心と読者を惹き付けるポイントもしっかり押さえてて抜け目なし。
    短編なのに続きが気になります。

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    2014年06月20日
  • 秘伝の声(下)

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    作者の池波さんの最後の新聞連載小説の下巻。白根岩蔵と成子雪丸の二人の青年剣士の対照的な人生模様を描く長編。
    二人の師匠である老剣客の日影一念が残した「秘伝の巻物」にはいったい何が書かれているのか・・・。

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    2014年06月16日
  • 真田太平記(六)家康東下

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    ネタバレ

    秀吉没後に,家康がヘビのようにじわじわと覇権を握ろうとする過程.しかし,秀吉と違って,家康の場合には全国の大名を力で屈服させた訳ではない.したがって,このようなプロセスを踏まざるを経なかったのだろう.この巻では真田と草のものはあまり活躍する場面はない.抗しがたい世の流れを描く巻で,真田は本家と分家で西軍と東軍に別れてしまった.角兵衛や右近,佐助やお江はこの後どうなっていくのか,乞うご期待,といった感じ.

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    2014年06月15日
  • 秘伝の声(上)

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    二人の青年剣士を描いた長編小説。ただ二人の運命は対照的なものになる、この前編では剣の師匠の臨終の言葉に逆らって「秘伝の書」を奪い出奔した白根岩蔵と弟弟子成子雪丸の前半生を描く。池波正太郎氏最後の新聞連載小説。

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    2014年06月13日
  • まんぞく まんぞく

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    家来を殺され、自らも暴行されそうになった女剣士の成長を描く長編。女剣士といえば池波作品の「剣客商売」に登場する佐々木三冬を思い出すがこの作品の主人公「堀真琴」もゾクゾクする魅力を秘めた姿に描かれている。圧巻池波正太郎。

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    2014年06月17日
  • 谷中・首ふり坂

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    全11編の短編傑作集。「尊徳雲かくれ」は二宮尊徳の歴史上の空白の時期を池波小説が描く、「恥」「へそ五郎騒動」「舞台うらの男」は池波さん得意の真田、赤穂物。さらに、「看板」は池波さんの代表作「鬼平犯科帳」の原型作品、まだ鬼平中心の作品展開では無く鬼平ファン必読。

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    2014年06月05日
  • 男のリズム

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    仕事、食事、旅等池波さんのこだわりのエッセイ。
    この「男のリズム」は池波さんの人生哲学が煮詰められている。

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    2014年06月02日
  • あばれ狼

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    この「あばれ狼」に描かれている短編は後に姿を変え舞台にも登場している。いいねぇ。
    後半の短編は池波さんの代表作である真田物の一品。
    この後半を理解すれば、「真田太平記」が楽しめる。

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    2014年05月26日
  • おせん

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    ネタバレ

    主に女性を主人公にした十三篇の物語。

    「三河屋お長」の「それが男の口ぐせとも知らず“不作の生大根”という罵言にかっとなり、思わず殺してしまった世間知らずの娘」というあらすじに既視感を覚え、でも読んだ記憶は全くなく?と思って本棚を漁ってみたら、鬼平番外編の『乳房』のあらすじとほぼ同じであった。

    女のバックボーンも人生も全く違うのだが、“不作の生大根”呼ばわりした男を殺してしまい、その後色々あって大店のお内儀となった女の前に老婆が現れ、その老婆がかつて殺した男と関係があり、男が誰にでも“不作の生大根”と言っていたことを知る、という流れは一緒。

    「三河屋お長」の初出は昭和四十四年とあり、『乳房

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    2014年05月25日
  • おせん

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    この「おせん」は13編の短編小説でつくられている。そのいずれも、主人公は女性である。善良な女性もいれば、性悪な女性も登場する。その一人一人を短編小説の名手・池波正太郎氏が完璧に描き出す。難しい5,60枚の短編小説が命を持って歩みだしている。

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    2014年05月23日
  • 梅安影法師 仕掛人・藤枝梅安(六)

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    白子屋一味との死闘。
    巨大組織に立ち向かう殺し屋といった荒唐無稽さが池波氏の江戸フィルターを通すと非常にリアリティがあり面白い。

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    2014年05月14日
  • 新装版 娼婦の眼

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    取り扱っている題材は違うものの、根底に流れるテーマは梅安に近いような気がする。池波正太郎の男気を感じる。

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    2014年05月07日
  • あほうがらす

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    人間の不思議さを描いた11編の短編をちりばめた一冊。なかでも私は忠臣蔵の悲劇の主人公浅野内匠頭の二面性を描いた「火消しの殿」が面白い。

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    2014年05月03日
  • さむらい劇場

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    主人公の榎平八郎は妾腹に生まれた厄介者ということで、鼻つまみ者となっている。そして平八郎は実の父親の命令で命を狙われる。その危機を脱した平八郎は周りの数多くの先人に助けられ、又育てられ最後には妾腹ながら榎家を継承し我が意を得る。
    「男というものは、それぞれの身分と暮らしに応じ、物を食べ、眠り、かぐわしくもやわらかな女体を抱き・・・・・こうしたことが、とどこおりなく享受できうれば、それでよい。いかにあがいてみても人は・・・・・つまるところ男の一生は、それ以上のものではない。人にとって、まことに大切なるは天下のだいじではのうて、我が家の小事なのじゃ。」

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    2014年04月25日