織守きょうやのレビュー一覧
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ネタバレ探偵、天野春近。
流行らない探偵事務所は浮気調査と、友人の弁護士から紹介された仕事でなんとか成り立っていた。
今回、朽木弁護士が持ってきた仕事は、春近の特殊な能力を見込んでのものだった。
春近には霊が見たものを視ることができる。
中学生の孫と暮らす、老人の死。
彼の莫大な遺産の大半は、孫に遺された。
病死として処理された彼の死は事件なのか?
2年前に失踪した運送会社の社長。
借金で会社存続も危うかった彼。
彼の事務所にむかった春近は、そこで佇む霊を視る。
霊が伝える、なんてもっと陰惨なお話かと思ったら、主人公が不器用なのもあり、どこかほっこりとした気持ちが残った。
楓と春近の関係が微笑ましい。
いつか楓が推理してしまうんじゃないか、なんて。 -
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ネタバレ特殊能力をもった青年が、そのせいで連続殺人犯と思われる人間に気づき、犯行の証拠をつかむため友人となる…
と書くと素人探偵ものっぽいが、本人は特殊能力以外はただのぼっち大学生なので、危険は犯さない。そして犯人としての決定的証拠は見つからず、青年が能力を使ってわかることは断片だけ、ということから、当然ミステリ的には一筋縄でいくはずもなく。心の闇といってわかったふりをするのは簡単だが、その決定的な一点を除いては、魅力的で、自分にとって「いい友人」だったりする側面もあるのが人間の多面性。一点をもって全否定はできない…と葛藤するのも人間的。 -
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ネタバレ呪い。それは確かに存在する。知らない間に、貴方はそれに触れてしまっているかもしれない。あるいは、触れられてしまっているかも。もし、呪いに魅入られてしまったら、逃げることはできないだろう。
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「世にも奇妙なストーリー」シリーズ第5弾。これが最終巻の様子。今回はメンバーが大きく変わり、最近名前を見るようになった作家さんが多数書かれた作品の様だ。どれがどの作家さんの話かは分からないが、どれも面白い作品ばかりだった。怖い話も多くあったが、怖いが不思議と感じる話も多かった。
お気に入りの話は、「顔ナシの鏡」「その話、知ってるよ」「かえさずの指輪」。 「顔ナシの鏡」は語り手の通う学校が林間学校で利用する宿泊施設にあるといわれる、鏡に関する怖い話。この施設のどこかにはひび割れた鏡があり、そこに顔がぼやけて映ると、お化けに顔を持っていかれるというものだ。母親が子供のころからまことしやかにささやかれていた噂であるが、その真偽のほどは定かではない。語り手は、その噂と、初めてお気に入りのぬいぐるみと離れて寝ることに不安を覚えていたが、実際林間学校に参加するとイベントが目白押しでそんなことは次第に気にならなくなってしまった。二日目になって余裕が出てきた語り手と友人はイベントの合間を縫って鏡を探すが、時間も探す場所も限られるため結局鏡を見つけることはかなわなかった。所詮は噂だと割り割り切り、そして次第に鏡の事を忘れる語り手たち。しかし、その日の夜、寝ていると目の前にある大きな窓に白い影が現れた……。楽しそうな林間学校を一瞬で阿鼻叫喚の地獄絵図に叩き落す白い影。挿絵を見る限り人間の格好をしているが、手足や首が長くちぐはぐで気持ちが悪い。
それが頭をガラスに頭を何度も何度も打ち付けている様を想像するだけで鳥肌が立つ。その場は、騒動を聞きつけた先生が助けに来てくれたので事なきを得たがそれからが本当の恐怖の始まりだった。この短篇集はいつも思うのだが、想像しているオチの裏をかくオチを書いてくるので非常に面白い。話の主体は確かに鏡の怪異なのだが、呪われた鏡が存在するわけではないというのが面白かった。読み終わって、はーなるほどなー。という気持ちだった。
「その話、知ってるよ」は語り手である父親が、自分の娘に話す怖い話。夜眠れないときに、怖い話をせがむ娘に聞かせた話は、実際に語り手が体験した恐ろしい話だった。 職場の後輩である武田から教えてもらった幽霊屋敷「イラハラ邸」そこは、一家六人がある日忽然と消えてしまったという事件が起こった家だった。この辺りに越してきたばかりの語り手はピンとこない様子だったが、辺りでは有名な家らしい。ほめられたことではないが、仕事の合間に別の後輩を含めた3人で行ってみようという事に。
社用車を乗りつけ、件の「イラハラ邸」を訪れるが、思っていたよりきれいな普通の一軒家だった。平和な雰囲気に拍子抜けする語り手であったが、この後とてつもなく恐ろしい目に合う羽目になってしまう。 一家失踪が起こった家に纏わるホラー小説。この家で巻き起こる異様な現象も怖かったが、それより、武田の異常な行動のほうが気になった。まず、敷地内に入った後裏庭にあるという底なし沼に、かつてこの家に住んでいた少女が使っていた思われる三輪車を投げ入れてみたり、勝手に裏口から家の中に入ったりとやりたい放題。
正直ドン引きした。最初から軽薄そうな感じであったが、常識がなさすぎる!とムカムカしながら読んだ。(武田のこの行動の謎は最後に理由が明かされることになる)なかなか怖い場面にならず、武田の傍若無人な振る舞いにイライラしたが、その後起こった怪奇現象はばっちり怖かった。何の前触れもなく起こった現象に這う這うの体で逃げ出す3人。その出来事を娘に怖い話として話すのはなかなか刺激的過ぎやしないだろうか。普通なら泣く。しかし、話し終えた後の娘の反応は意外なもので、すでにその話を知っているというのだ。
しかも、この事件の真相とも言うべき話をよどみなくつらつらと話し始めるのだ。この時点でもう背筋がゾクゾクした。何となく予想しつつページをめくっていくと、やはり思っていた通りで、うわっとなった。更にそのページに描かれている挿絵で更にうわっとなってしまった。この話は話自体もこの本の中で一番怖いし挿絵も一番怖い。失踪事件の真相がわかりすっきりしたが、オチが怖すぎてそれどころの騒ぎじゃなかった。
「かえさずの指輪」はある町に伝わる俗信に関する怖い話。海に面しているその町は、海からやってきた品は、海で亡くなった持ち物だからという考え方があり、それを元の持ち主に返すため、漂流物を船に乗せ、海に返すという祭りを行っていた。この話を語り手は信じていたが、姉は全く信じていなかった。 ある日海辺を散歩しているとダイヤモンドの指輪が落ちていることに気づく語り手。綺麗なそれであるが、流れ着いたものだから、海に返してしまおうとする。しかし、いつの間にか後ろにいた姉がそれを目ざとく見つけ、指輪を自分の物にしてしまう。
海に返すように促す語り手だが、姉は頑として聞かず、それを持ち帰ってしまう。姉の行動に不安を覚えながら、怖くて何も言えない語り手は、そのままにしておいたが、その夜、姉と並んで寝ていると海からやってきた脅威にさらされることになってしまった。土着の風習を信じない、姉に起こってしまった悲劇。であるのだが、自業自得なところが否めない。風習を信じる信じないは個人の価値観なので、それはいいとして、ダイヤモンドが付いた高価な指輪を自分の物にしてしまうその根性に驚き。海からやって来たにしろ、誰かが落としてしまったものだったにしろ、気持ち悪くないのだろうか。欲って怖いなぁ。その結果、海からやってきた指輪の持ち主に襲われひどい目にあってしまうのだが、そりゃそうなるのは仕方がない。軽い気持ちで自分の物にしてしまおうと思ったのだろうが、その代償はあまりに大きすぎた。 -
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ネタバレ記憶屋2と記憶屋3は、私はワンセットだと思うので、これから借りようとしていたり、購入しようとしている方は、二つを揃えて入手することをオススメしたい。
記憶屋1がああいう形で終わったので、記憶屋2は、当然その続きからスタートするものだと思っていたが、正直、え?どうなってるの?という感じで2を読み始めた。
表現はどうかと思うが、記憶屋1のときから、文章は平穏な日常の風景を、ごく自然に(きっちり練られてるからこそなのだと理解している)時折ユニークに描かれているのに反し、痛みさえ感じるほどに引き込まれるのが、登場人物たちの心理描写だ。
細かな心の揺れから動揺、苦しくてせつない感情が、本当に痛みとなって流れ込んでくる。
計算されているのが分かるのに、不自然さはなく、ただただ揺さぶられてしまう。
記憶屋1と記憶屋2、3は繋がってはいるのだけど、別物で、それでいて同じで、少し悲しい。 -
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ネタバレ記憶屋:都市伝説 消して欲しい記憶を消してくれる。(マインドアサシンでは無い)
主人公は、周囲で特定の記憶が抜けている人達がいる事に気がつく。都市伝説の記憶屋の仕業では無いかと探り出すしていく中で記憶屋に記憶を消してもらう事を願う人達の人間ドラマ。
主人公は記憶を消す事を悪と考える。最後の最後までダメな事だと言い張るが果たしてそうなのだろうか?と私は考える。
忘れたい記憶も、いつか良い思い出になるかもしれないと言うが、忘れたい記憶に苛まれ人生をダメにする事もある。主人公が忘れられたく無いのは自分の事だけで相手の立場に立ってない独善的な独り善がりに思えてしまう。
記憶を消すか消さないかの判断は記憶屋の良心のもと執行されて良い事だと思う。
今のところ私に消して欲しい記憶は無い。
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ネタバレ記憶屋シリーズのスピンオフ作品。
「記憶屋」の最後、真希が遼一に
話した会話の真相?がわかる話や、
高原弁護士が記憶屋を知るきっかけ
になった話。帰らぬ人を待ち続ける
女性の話の中篇2本ちょいの
ボリュームでした。
「記憶」を消す消さないの話は
確かに消した方がその後の人生に
おいてそれ以外に方法がないと
思いつつも、現実では
そういったどうにもならない
ことを何とかしようとして
生きていくことに本当に
意味があるのではないかと思った。
ただ、突発的な事故や
事件みたいなものはもともと
体験することのなかった
ものなので実際に「記憶」が
消せたらいいのになとも思う。
ただ、作中で高原弁護士が
言っていた「記憶」を部分的に
消すことは「小規模な自殺」的な
言葉にハッとさせられた。
たしかに今まで自分を形成
してきたであろうその「記憶」を
消すのだからそういう一面も
あると考えさせれました。
「ライ・フォー・マイ・レディ」
の話で、「なんだって!」
と思う話の展開に驚きつつ、
主人公?である真希ちゃんは
すごい人生を歩まなければ
ならないんだなと思いました。
ホラー小説の「記憶屋」シリーズ、
なんだかんだと全シリーズを通して
ホラー要素はどこ?と思いつつ、
色んな人の様々な人間的な心の
葛藤を考える本なんだと思いました。