あらすじ
新人の女性刑務官・河合凪は問題だらけの民営刑務所で働くことに。受刑者に暴行を加えるノイローゼ気味の刑務官。深夜に自らの冤罪を訴え叫びだす囚人。凪自身は姉による父親殺しのトラウマを抱えていた。だが、自由気ままに振る舞う報復殺人犯の阿久津真哉と接するうちに過去と向き合うようになっていく。受刑者の罪と繋がる刑務官達の意外な過去、次第に明らかにされていく殺人事件の真実。懲りない囚人とわけあり看守が織りなす人間ドラマから、最後まで目が離せない。
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Posted by ブクログ
そうなんですよ、看守と囚人の話なんだから、きっとこんな感じとかあんな感じとソーゾーします。でも、話がすすむに連れて境界線が怪しくなって、どちらも様々な過去を背負って生きているとジワリジワリ染み込んでくる、その辺りがウデの見せ所。読ませます。
Posted by ブクログ
タイトルの通り、囚人と看守の輪舞曲でした。
視点がコロコロ変わり、看守や囚人がいかにしてそこに行き着いたかが色々なドラマがありました。
新人看守の河合凪と受刑者の阿久津のやり取りがとても印象的でした。ラストの刑期を終えて外に出た時、凪が待っていてくれたのもとても良かったです。
弁護士の高塚があのシリーズの弁護士だって解説読んで初めて気づきました。中々良いキャラでお気に入りです。
Posted by ブクログ
【収録作品】
第一話 鉄格子と空-河合凪
第二話 罪人-阿久津真哉
第三話 贖罪-山本芳史/北田楓
第四話 獣と目撃者-奥田佐奈/高塚智明
第五話 追放/解放
民営刑務所を舞台に、受刑者とそこで働く刑務官らが抱える事情を描く。
受刑者は人間か。
罪を犯した人と犯さない人に決定的な違いはあるのか。
理解できない人間は存在する。それでも相手を人間と見るのか。
一線を越える、と言うけれど、その一線は普通に生きていても意外にたやすく越えてしまうことがあるような気がする。越えようとして越えるのではなく、「間が悪い」ということもあるだろう。
一方で、赤崎のような人間もいる。意識するもなにもない。本能のままに生きるだけ。時代が違えば、許される生き方かもしれない。
悪いと分かっていて罪を犯しまんまと逃げおおせて舌を出している人間と、赤崎のような人間と、どっちがタチが悪いんだろうな。どっちも少しも関わりたくないけれど。