星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近リアルが忙しく読書をする機会が減っていたが、どの作品もサクッと読めるうえに星氏の紡ぎだす独特の世界観へどっぷり浸かることができ、ひさしぶりに純粋な読書の楽しさを味わうことができた。
SFショートショート作品を多く手がけているイメージの星新一氏だが、意外にもブラックなユーモアに富んだ作品や背筋がゾッとするホラー作品も多数収録されており、張り巡らされた伏線を鮮やかに回収する手腕もさすがの一言。
どれも舌を巻く作品ばかりで楽しめたが、特に印象に残った作品は『上流階級』。
夫と夫人。どちらも互いの私利私欲のため相手を暗殺するべく殺し屋を雇うといったものだが、予想外の展開とオチに放心してしまった。 -
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全体的に宇宙とかロボットの話が多め。
「合理主義者」せっかくお願いができるのに、思想が一貫してると幸福にもならない分、取り立てて不幸にもならないんだな、と思った。
「情熱」家族経営とかで、二代目・三代目に継いでほしいと思うけど、子どもたちの方は全く別のことを望んでるのに似ている。
「シンデレラ」この話は「財産への道」と近いなと思った。作者が一緒だから当たり前といえば当たり前だが。
「肩の上の秘書」インコが全部良いように言い換えてくれる世界、羨ましい。星さんの話はインコやオウムがよく出てくる。
「殺人者さま」メタ的な話。そもそも電話を取る機会が減った現代では、自分のことかもしれない、と -
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ホシヅル忌
ショートショート31編
ラストは、タイトルの「マイ国家」
自宅を一国家として暮らす男。国境は玄関。
国家への皮肉をジョークとしてぼかす。
そして、そこに何も知らずに足を踏み入れた銀行員の非喜劇。
宇宙題材の作品も数点あるけど、世俗的なショート集かなと思う。
その中で一番短い「語らい」が好きでした。
SF恋愛ショート。事故で死んで帰ってこない男を待つ女。女の側には一匹の犬。男は犬に転生していた。気が付かない女の悲しみを聞き続ける。
これを1ページでまとめ上げてるからすごい。
どの作品もそうだけど、数行で異世界へ導いてしまう。そして多作で読みきれない。
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Posted by ブクログ
アメリカで娯楽的読み物として浸透している「ひとコマ漫画」。
言わずとも知れたショート・ショートの名手・星新一はこのマニアとしての一面も持つ。本作はそんな星新一のコレクションから傑作を紹介・解説する本である。
単純にコンテンツとしても面白いが、それ以上に「この漫画の何が面白いのか?」を淡々と解説する星新一の言語化力に感嘆した。
膨大なインプットの量と、それを体系化してロジカルに自分の中に取り込む力があるからこそ、星新一はショート・ショートの傑作を出し続けることができたのだろう。
クリエイティビティとは偶発的な瞬間のひらめきではない。むしろ、長期的に自分の中に蓄積した知識・知見を組み合わせて新 -
Posted by ブクログ
全部で15篇のショートショートが納められていて、書き出しは「ノックの音がした。」の一文から始まっています。
解説は、フレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』の『ノック』という短篇のネタバレが書かれているので、未読の方は注意。この『ノック』の書き出しに触発されたのが、この短篇集。一作目『なぞの女』は『さあ、気ちがいになりなさい』にインスピレーションを得たかのようで面白いです。
他に良かったのが『計略と結果』と『職務』。裏の裏をかかれた感じ。『金色のピン』と『人形』も良かったです(ちょっとしたホラーですね)。
ところで、星新一にしては珍しく、登場人物の名前が個人名で、エヌ氏やエス