星新一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
星新一の作品は、ショート・ショート形式のため、無駄な表現がほとんどない。当時の流行語や具体的な時代背景をあえて排除し、登場人物や世界の細かなビジュアルを読者の想像力に委ねている。
そのため、いつの時代に読んでも「自分の知っている世界」の出来事として、作品にリアリティを感じるのだと思う。
また、作品の多くは、人間関係や社会の仕組み、人間の欲望や愚かさを描き出している点で、イソップ童話(寓話)に近い構造を持っていると感じた。
本書に収録された「妄想銀行」や「鍵」にも、その特徴がよく表れている。
表題作の「妄想銀行」は、人々の空想や願望が預金のように扱われる社会を通じ、人間の尽きない欲望や、夢さ -
Posted by ブクログ
さらっと読めて内容の分かりにくさがなく面白いが、あまりにもすぐに読めてしまうため読んだ後すぐに通り抜けてしまうようだ。
宇宙物、新しい技術が出てくるものが多いのは、発想を自由にし、世界を縦横無尽にショートショートにしたいためだろう。
話で共通するパターンとして、〇〇したいと思って行動するが××という落とし穴があって予期せぬ結果に陥る、形式だ。
この流れの中で、登場人物は自分自身の性質が鏡の如く映され結果として返ってくるという印象を受けた。
また常に漂うのは、童話のような世界観で、夢のように自由自在な世界、ルールが引かれた世界に思えた。
子供のピュアな夢物語のよう -
Posted by ブクログ
“流行の鞄”、“なりそこない王子”などは、思い浮かびそうで浮かばないプロットで、さすがとしかいいようがない。
“流行の鞄”は、舞台で喜劇化してもおもしろいだろうな。
“収容”は、読者の先入観を利用した、見事なオチ。読みながら、星新一にしてはいやに色っぽい語り草で珍しいなと思っていたが、なるほどその意図があったかと感嘆した。
星新一の話の根底には、痛烈な皮肉がある。もはや「バカにしている」とも言えるくらい、あるテーマを滑稽化している。
しかしながら、星新一が何世代にもわたって愛され、「読書の手始め」のような立ち位置で評価されるは、その皮肉の中に重苦しい主張がないからだと思う。
「だからどうだ