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ある時代――電話は単なる通話の道具ではなかった。ある番号を回せば、自分の商売に関連した情報が即座に送られてくる。診察器と組み合わせれば、居ながらにして病院の診察もうけられる……。そんなある日――メロン・マンション1階の民芸品店の電話が鳴り、「そちらの店に強盗がはいる」とだけ告げて切れた。そしてそのとおり、店は強盗に襲われた。それを契機に12階までの住人に次々と異様な出来事が。――謎に満ちた12の物語がつくるショッキングな結末とは?
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Posted by ブクログ
コンピューターを介して、電話で情報が繋がる世界を描いた12の短編集。コンピューターは人々に便利を与えたが、実態は影で人々を支配していた......という一種のディストピアが舞台となっている。 「人はコンピューターを支配し、コンピューターは人の心を支配している」 70年代に、現代日本を暗示する作品を...続きを読む著した、星新一の先見性に驚くばかりである。人間が生み出したテクノロジーを管理しているのは、人間自身に他ならない。しかし、肝心の心は、コンピューターの思いのままとなっている。 ただ、この作品は単なる警句の書に留まらない。人々が電話越しのコンピューターの声を恐れ、保身の為行動する動機は、自身の『秘密』に他ならない。『秘密』を尊び、内面の暴露を恐れる人間の心は不変であろう。人間の本質を鮮やかに描き出しているからこそ、本書は名作たり得ている。
ショートショートの名手、星新一さんによる連作短編集。 客の気分にあった商品の説明、身体の不調を感じたときの診断、悩み事に関する的確なアドバイス、 すべてはコンピュータが電話を通じて提供してくれる。 そのサービスを当然のこととして受け取り、悩み事などとは無縁に快適に暮らす人々。 理想的な社会が実現で...続きを読むきたかに見えるその裏では、コンピュータ同士がネットワーク化され、 収集した個人情報をもとに脅迫し犯罪を教唆したり、突然電気をとめて人々の反応データを集めたり、 コンピュータネットワークの秘密に近づこうとした者を冤罪で逮捕、治療という目的で従順にしたりする。 いわば人間が生み出したコンピュータが独自の動きをはじめ、逆に人間を「情報」をもとに支配する。 理想的な社会の裏側で進む暗黒面を的確に描き出す、近未来ディストピア小説となっている。 驚くべきはこの小説が書かれたのが1970年、今から55年も前だということだ。 星新一は、便利の裏にある危険性、便利さの上に安住する人間に迫る陥穽を描くのに長けた作家で、 「おーい でてこーい」では原子力廃棄物の危険性を指摘もしている。 それにしても、まだコンピュータが一般には演算機程度にしか認識されていなかった時代に、 こうした未来がある(現に半世紀後の私たちはそういう社会に生きている)ことを予測していた。 彼の小説によく出てくる悪魔(決して怖いものではないけれど、人間の欲望に働きかけ、とんでもない 行動を教唆する、ユーモアはあるけれどブラックな存在)の生まれ変わりではないかと思ってしまう。 私たちが生きている時代の本質を的確に、ユーモアある筆致で抉り出して見せる。 ショートショートの名手の面目躍如たる作品だと思う。
怖い。星新一の凄さ、天才ぶりを、ようやく知った気がする。そして、数十年前にこれが書くことができる人がいた、という点に、人間の凄さも思い知る。 こんな本のリストや感想をデジタルで残すなんて、あちらの思うツボだな笑、とわかっていながら、残してみる。
昭和60年に書かれた話とは思えないくらいの内容。 現代に通じる12の物語ですが、情報社会、AIを予見されており、ちょっと怖い感じがした。
電話(電話式コンピュータ?)を軸にした連作短編集。 舞台はメロンマンション。一月、一階の部屋から物語は始まり、十二月、十二階で終わる。 夏に読むのにピッタリな怖さ。これはSFでホラー。 ラストも怖い。今読むとさらに怖い。昭和六十年の本というのが一番怖い 星新一氏の未来を見通す力が半端ない。SF作...続きを読む家さんはみなさんそうなのかもしれないが、昭和にこの発想は凄すぎる。だって当時の電話、アナログぞ?黒電話ぞ? 描写は確かにアナログなんよな、でもその先がAIなんよ……怖いよ……凄すぎる。
打ちのめされた 著者はやっぱり予言者なのかもしれない まさかの積み重ねで歴史はできている 現代ではもうフィクションとは言えない気がする
解説に1970年に書かれた本だと記されている。驚くほどの正確さで背筋が寒くなる。おそらく人の営みとその要望に対する深い洞察が為せる技(欲しい物は可能である限り、そのうちにつくられるから)。最近流行りのchatGPTと音声認識を使えば、ほとんどそっくりなことができる。 ただ一つないのは秘密を保持する情...続きを読む報銀行だけ。プライベートな情報の保存という意味ではdropbox辺りが、プラットフォームという意味ではGAFAM辺りが一番近いだろうが、人々のセキュリティへの関心も相応に高まっていて、この話ほど不用意に秘密を保持させる方法は支持されないように思える。 シンギュラリティが実現されていそうな、10年後に読んだら感想がどう変わるか知りたい本。
娘に勧めたところ、何度も読み返すほどの気に入りようでこちらも嬉しくなる。何十年も前の作品であることをどれほど分かっているだろうか。先見の明、なんていう言葉では軽すぎるほど。
70年代に書かれた小説だが、作中の「声の網」とはいわばインターネットであり、その予見力は凄まじい。本格は連作短編集の形式を取っているが、一本一本の短編は、いつものショート・ショートに見られる切れ味の鋭さはなく、どれも茫洋とした結末を迎える。だがその背後で進行する徹底した管理社会への変貌と、それによる...続きを読む影響を受けながらも日常の風景が変わらない様は非常に恐ろしいものを感じる。各々の秘密が価値を持ち、受信する側だけでなく発信する側に回りたいという感覚はネット社会の今だとかなりのリアリティを感じる。ネットのインフラや公平性、それに対する依存などをしっかり描き切ったSFの名作である。
解説をされている恩田陸さんや感想を書いている他の方の言う通り、この作品が1970年代に書かれた事への衝撃たるや。星新一さんの未来を描く想像力は他の作品でも感じるが、この作品はまさに「情報やAIに踊らされ操られる」何とも言えない不安感が描かれている。しかも、当事者はそこに気づいていない恐怖。インターネ...続きを読むットも無かった世界でこれを世に出す星新一さんが、今、未来を書くとしたらどんな作品を紡いだかを、とても知りたい。
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