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一個人にこれほどひどいことができるのかと、読んでいて怒りが沸沸と湧いてきました。もしかしたら、もしかしなくても今の日本でもこのようなことが起こっていると思うと吐き気かします。明治大正から日本人の本質は変わっていない、なので、きっとこのようなことが起こっているのでしょう…悲しいことです。
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15年ぶりくらいに再読
作者の各評伝だけでなく小説全作を合わせても著しく小説らしい作品
かたきとしての「官吏」だけでなく
それに対して処そうとするやりかたのあまりに特異な父親にも
そしてそれを知ることのないまま社業を放った自身にも
複雑な感情を乗せている
星一という現在の目からも怪異な人物の一側面を切り取る評伝としてだけでなく
作家星新一の作品の中に本作が在る意味も興味深い
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大学時代より、関心を寄せて来た「官と民の在り方、連携の仕方」を表したようなタイトル『人民は弱し 官吏は強し』に惹かれて、購入。内容も詰まった伝記本であった。
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出身大学の創始者の話だったので読んでみました。
作者の父親の話ということもあるので、父親よりに偏りがあると思うため、どこまでが本当の事実なのか分かりませんが、読み物としてはとても面白かったです。
野口英世やエジソンなど、歴史上の人物も出てきて、何故かわくわくしました。
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華麗なる一族を読んでいるような気分だった。
しかも一方の視点からしか書かれていないから余計に国の権力の強さを思わされてしまった。
体裁体裁、その内体裁も取れなりそう。
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大正期の経済・医薬界を駆け抜けた星一。官やそれと結託した企業に足を引っ張られ、泥沼であがくような企業人人生ではあったが、その生涯は颯爽とした印象を受ける。彼の屈託のない、未来への希望を失わない姿勢が、そう感じさせるのだろう。ここで語られる物語は、現代への批判性を失わない。星新一というストーリーテラーを持つことによって完成した物語ではあるが、読後感は苦い。
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ショートショートでおなじみの星新一さんが書いたお父様の伝記。
「明治・父・アメリカ」では、子供時代から留学、帰国まで。こちらは、帰国後に星製薬を立ち上げて官と戦い、亡くなるまでの記録です。
星一と言う人の、あくまでも前向きな精神には感銘します。ぜひ、続けてお読みくださいね。
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星新一といえば「ショートショート」
気持ちよく読者の"読み"を裏切ってくれるSF。
しかし、この本は実話ベースで
星新一の実父・星一(ほし-はじめ)がモデル。
星製薬の経営者である父・一
星薬科大の創立者として今も名前が残っています。
民間における努力がいとも簡単に
官吏の論理によって搾取されてしまう
時代の不条理。今なお続くこの状況は問題ですよ〜本当に。
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明治時代の1人の実業家の栄枯盛衰。
この本の著者である息子、星新一が誕生し、星一が父としてどんな人だったのかまで綴ってくれたら、こんな後味の悪い終わり方にはならなかったのではないか。
新一の心持ちが推察できず、もやもやとした余韻が漂う。
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読後、決していい気分にはなりません。
今は当時より政治腐敗は少ないであろうかとは思いますが、官吏というものは数年ごとに役職が変わるものであり、“多忙のため“引き継ぎもずさんに行われている現状があるかと思います。
その上、本作では、当時の日本の発展に尽力し、新しい薬剤等の自給自足等苦慮した主人公。
それを、政府方とズブズブの関係にある日本の製薬会社にあの手この手で、行政の権力を持って剥奪されていくものです。
主人公の無念さが心に染みてなりません。
国家権力による、1個人への虐待のお話です。
残念ながら下っ端の公務員は上層部の意図を知らされず動きます。
正論をかます主人公に、政府高官はいい顔をしません。
そして主人公に対する悪意が芽生えていきます。
なんともやるせない気持ち。
誠に“日本の発展“を望むのであれば、合理的には主人公の事業を積極的に応援すればいいはず。
やるせないです。
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潔癖で実直な素晴らしいアイデアマンであり実業家の主人公にこんな理不尽なことが起こるなんて、全くやるせない、憤りを感じる。このようなことが起こらない世の中であることを強く望む。
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星新一の父である星一の活躍を描いた伝記である。 星一のたぐいまれなる手腕と人格で頭角を現していくが、官吏から嫌われたことで執拗ないやがらせをうけるはめになる。 「出る杭は打たれる、出すぎても打たれる、出なくとも打たれてしまう」と当時の日本ばかりでなく現代の日本にも当てはまる非常に興味深い。 当時と現代は社会の雰囲気としては依然して変わらないところが多いのだと実感させられた。
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星新一さん(ショートショートで有名)の父親を中心とした話。こんな人の子供だから、子供の自由な発想になるのかな?
まぁ、今も昔も、菅!あっ!間違えた!官は腐っとる!
※前の首相です!まさか、同姓の人が首相になるとは(*_*)
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ショートショートではない。SFでもない。ノンフィクション、しかも筆者の実父。製薬物語でもある。とても面白い。しかし、現実のビジネス会社には主人公のような人はごくわずか。他人事のフィクションにしか見えないのが悲しい。そして役所は相も変わらず。
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「明治・父・アメリカ」から10年後の星一の活躍を描く。
日本で星製薬株式会社を設立し、モルヒネ、コカイン、カフェイン等の単離、商品化を経営者として実現し、日本の製薬産業や国家全体に貢献しようとする。しかし、星の成功を妬む者が政府と結託し、権力、法律、メディアを駆使して星製薬を徹底的に攻撃する。そんな理不尽な相手にもめげず、いつ果てるともない政争に、持ち前の一途さを以て星は闘いを挑む。
「明治・父・アメリカ」と違い、星新一らしい小説口調でとっつきやすい文章だが、内容はどす黒いノンフィクション。星一の留学時代と違うことは、いくら努力しても利益がなく、相手は政府であること。
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ショートショートの大作家、星新一の父上
星一さんの伝記です。
この本の前に「明治・父・アメリカ」を読むと
より一さんのバックグラウンドがわかりますが、
とにかく努力家であり、頭がきれる開拓者。
努力すること、壁を越えていこうとすること。
人と違うことをやってみる勇気。本当に素晴らしいです。
その星一が、戦前の日本で国益の為に一所懸命働く中で、
忍び寄る官僚や政商の面子や策謀。
嫉妬や面子は、ほんと使われ方を間違えると恐ろしい。
最後に向かっていく時のもどかしさと言ったら。。
今の日本の官僚や政治家に、ぜひ読んで欲しい作品です。
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文字通り、「人民は弱し 官吏は強し」
日本社会に通底するアレなのかなあ。
泣く子と地頭、とは良く言うけれど、
そういう世界には入らない方がいいんだろうなあ。
欲はなく、決して怒らず、いつも静かに笑っている人生が良いんだろうね。
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ショートショートで知られる星新一が父親星一をモデルに書いた小説。
明治末,12年間の米国留学から帰ってきた星一が製薬会社を興し,成功し発展していく中,政治・官僚から受けた陰湿な仕打ちに対し最後まで屈することなく戦っていく姿を書いたものですが,非常に割り切れない思いを持って読み終えました。 どんな納得のいかない苦境に立たされようが前向きに真っ直ぐ対処していこうというおおらかなかな星一にやりきれない思いを持ってしまいました。
客観的に淡々と書かれた文章が余計に社会の醜さや理不尽さを際ただせる感じがします。
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明治末、12年間の米国留学から帰った星一は製薬会社を興した。日本で初めてモルヒネの精製に成功するなど事業は飛躍的に発展したが、星の自由な物の考え方は、保身第一の官僚たちの反感を買った。陰湿な政争に巻きこまれ、官憲の執拗きわまる妨害をうけ、会社はしだいに窮地に追いこまれる…。最後まで屈服することなく腐敗した官僚組織と闘い続けた父の姿を愛情をこめて描く。
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これか事実だとすれば官憲は酷すぎます。この本で描かれている欲しかった一氏は序盤ではとても真っ直ぐで行動力と発想力に長け、優れた実業家として日本の製薬界の発展に寄与できたはずで、医療分野において他国から遅れていると言われている勢力図が変わっていた可能性すら感じます。野口英世やエジソンなどとも交友があったのはすごいですね。始めは私怨であった保健局による星の会社への嫌がらせが、国の保身から星の会社を国をあげて貶めることとなり、物語の序盤から始まった営業妨害が最後まで続き、とても鬱になります。序盤て感じた偉人伝記的な本ではなく子孫による仕返し告白小説となっています。
今もこのようなことが行われかねないと想像するとゾッとします。
本書の中では独身のままであった星一氏にはこのあと結婚して子供となる作者が生まれる授かるはずですがその気配がまったくないです。
作者の父親がこんな才能があり、苦労人だったこと、作者がショートショート以外にこんな作品を書いていたことに驚きました。
救いがない内容の本書、あまり人におすすめ出来る本ではありませんが、怒りを溜め込みたい方は読んでください。
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政争の犠牲者ではあるが、後藤新平と親密なおかげで甘い汁を吸っていたことの裏返しでもある。
後藤新平といえども政治家は逃げ足が速い。
星製薬は現在でも経営者は変われども存続している。
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国家による「嫌がらせ」
解説で鶴見俊輔(後藤新平の孫)が「星一は兄貴分(後藤新平)を間違って選んだのだ。そのため、加藤高明率いる官僚閥と財閥にさんざんいためつけられた。」と書かれたいたんだけど
以前読んだ「お家さん」の舞台である鈴木商店も後藤新平との繋がりが深い会社。これまた姿を消すんだよなぁ・・・
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すごく前向きな主人公で、やられてもやられても立ち上がったけど、やっぱり最後はダメだったのね・・・ってちょっと悲しくなる伝記。史実に基づいているのだろうけど、息子が書いたとなるとちょっとひいき目あるのかな・・・
意外と最後はあっさり書名と同じ一言で終わったね。
それにしても役人はひどいね。
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いつものSF短編とは一線を画した星新一氏の父親のお話。製薬会社を興して成功するものの、政治家ににらまれてしまい、あの手この手で嫌がらせに近い濡れ衣を着せられて奮闘している。よくぞここまで理不尽な事をされてエネルギーが途切れなかったものだと思わせるぐらい壮絶。。。関連する他の書物も読んでみたい。
Posted by ブクログ
事前知識のないまま
題名から星新一のペーソスとシャレの効いた
ショートショートを期待して読みはじめ
「へー星新一ってこんな社会派小説を書くんだ!」と驚き、
最後のあとがきで(そこにくるまで
全く気がつかなかったのだ!星一なんていかにも
彼の話に出てくる登場人物の名前みたいではないか。)
父親の半生を描いた伝記だったとは!!
彼の軽快で含蓄のあるショートショートとは
また違ったどんでん返しをくらった気分。
あっぱれ、星新一。
激動の時代に自分の信念を持ち続けた尊敬すべき
一人の男の生き様。
それにしても現実は物語より甘くないのはありだとして
最後の最後まで救われない暗い話であることよ。
がんばっている、そして信念のある生き方をしていれば
道が開けるというものではないとしても
最後にすかっとくる、そういう結論が欲しかったなぁ。
それは星新一のプロットの立て方に
文句をつけているわけではなくて
時代がそうであって欲しかったという
ただのセンチメンタルな現代人の
つぶやきなのだけれど。