星新一のレビュー一覧
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阿刀田高、黒川博行、佐藤正午、西村京太郎、馳星周、星新一、夢枕獏『一か八か ギャンブル傑作コレクション』角川文庫。
ギャンブル小説のアンソロジー。7編の短編を収録。西村京太郎、星新一のギャンブル小説はかなり珍しいのではないか。
自分はギャンブルは余りやらない。遥か昔、20代から40代の頃はパチンコをやっていたが、主に羽物という極めてギャンブル性の低い機種であった。羽物だと打止め台の開放を狙えば、少額ながらほぼ勝てた。
7編の短編のいずれも、麻雀、競輪、競馬、カジノ、賭け将棋とバレエティに富んだギャンブルをテーマにしており、いずれの作家も勝つか負けるかの真剣勝負のジリジリした感じを見事に表現しているのが面白い。
阿刀田高『ギャンブル狂夫人』。阿刀田高は久し振りに読んだ。最後に阿刀田高らしいオチが待ち構える短編であった。結婚1年目の夫婦が記念に奈良と京都に旅行する。旅先で見掛けた中年の夫婦は2人が行く先々に現れ、少しずつ挨拶を交わすようになる。結婚1年目の夫がホテルのバーで1人飲んでいるとそこに件の中年夫婦の夫人が現れる。夫人はタバコを吸っただけで銘柄を当てられると言い、30万円を賭けて勝負することになる。
黒川博行『東風吹かば』。昔、黒川博行はかなり読んでいたように思う。最後に読んだのは『後妻業』だったろうか。実を言えば、自分は関西弁の台詞が苦手で、次第に読まなくなったのだ。さて本作。バリバリの麻雀小説である。負けが混み、手持ちの資金も底を尽き、次第に焦る博打打ちの心情を上手く描いている。作家の黒田ヒロユキが編集者からの依頼で若手女性作家の花沢唯と麻雀を打つことになった。
佐藤正午『きみは誤解している』。佐藤正午の作品は余り読んだことがない。知らず知らずにギャンブルにのめり込んでいく浅はかな男の姿が残酷に描かれる。結婚を間近に控えたJR職員の男と車内販売員の女。男は父親の形見とも言うべき500円の当たり車券を元手に競輪で一点買いを続け、元手を200万円までに増やしていた。女はギャンブルにのめり込む男を諌めるが、男は言う事を聞かない。男は結婚とその後の幸せな人生を選ぶのかギャンブラーへの道を選ぶのか。
西村京太郎『三十億円の期待』。西村京太郎と言えば鉄道トラベルミステリーのイメージが強いが、ギャンブル小説も書いていたとは全く知らなかった。しかも、本作はディック・フランシスの競馬ミステリーのような味わいの短編だったことに驚いた。鉄道トラベルミステリーの傍らで、手慰みに書いた短編ではなく、レベルが高く、非常に面白かった。中央競馬会の職員である望月という男が本命馬に騎乗した佐々木騎手が落馬し、次のレースでも落馬、さらに次のレースでは手綱を引き、棒立ちになるというあり得ない失態を犯した原因を探るのだ。
馳星周『笑窪』。既読であった。『古惑仔』の中に収録されていた1編。まさに馳星周と言っても良いほどの馳星周らしいピカレスク小説。あらためてこういう類いの小説を読むと、最近は大人しい小説ばかり書いているような気がする。酒と博打と女に目が無い腕利きの板前が地下カジノでマレーシア人ディーラーの女にのめり込む。
星新一『四で割って』。星新一も物凄く久し振りに読んだ。ショートショートではなく賭け事をテーマにしたユーモラスな短編である。賭け事が好きな四人組が公営ギャンブル以外の様々な賭け事をする。やがて四人は賭博容疑で警察に捕まり、裁判に掛けられるが、ありとあらゆることを賭け事の対象にする。
夢枕獏『銀狐』。こちらも既読であった。真剣師の加倉文吉を主人公にした短編。『夢果つる街』に収録されていた1編。祭りで賑わう街の一角で金を賭けての詰将棋を商売をする木崎という男と加倉文吉が出会う。木崎の作った詰将棋を次々と詰んでみせる加倉に木崎は賭け金を釣り上げていく。
本体価格960円
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ネタバレラストの殉教がとても良かったので★5!
証人は、テレビへの皮肉。
「私は大衆というものが、税金を払うためにのみ存在していることを、はじめて知った。」
天使考は営業マンによる取り合いへの皮肉。
西部に生きる男は実は俺は、いや俺も実は、の繰り返しが面白い。
デラックスな拳銃
→万能道具
雨
→狐の嫁入りは恐竜の小便
弱点
→人間
宇宙通信
→紙は同種
桃源郷
→偽装
証人
→ただ観てるだけ
患者
→催眠の女の正体
たのしみ
→お祭りの元
天使考
→客の取り合い
不満
→ボタンを押すサル
神々の作法
→歓迎方法
すばらしい天体
→自然動物園の衛生
セキストラ
→インカ
宇宙からの客
→患者
待機
→植民地
西部に生きる男
→同業者
空への門
→誰でも
思索販売業
→セールスマンにセールスマン
霧の星で
→2人きり
水音
→ペットと共に
早春の土
→とことん精神病
友好使節
→文章の配慮
蛍
→機械か本物か
ずれ
→注文品の行き違い
愛の鍵
→口述の暗証ワード
小さな十字架
→紛れたホンモノ
見失った表情
→違法の表情操作機の整形
悪をのろおう
→禿げ
ごうまんな客
→わし以上の
探検隊
→飼い犬
最高の作戦
→しりにしく
通信販売
→温かい食事
テレビ・ショー
→性欲教育
開拓者たち
→子孫繁栄
復讐
→八つ当たり
最後の事業
→冷凍の食料提供
しぶといやつ
→うらめしや
処刑
→いつか爆発するが水が出る玉
食事前の授業
→カビという生命
信用ある製品
→矛と盾
廃虚
→滅んだ世界
殉教
→死者の声が聞こえる機械 -
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AIに依存した社会を予見したかのような小説、『妖精配給会社』。飼い主を優しい言葉で肯定する宇宙から来たペット「妖精」の目的は何なのでしょうか。
●『妖精配給会社』あらすじ
人々の悩みを聞き、心に寄り添う「妖精」を配給する会社。
10年前、宇宙から飛来した卵から産まれた「妖精」は、ペットとして地球人に浸透し始め、闇取引を規制するため配給会社が設立される。
人語を解す妖精は、優しい言葉や助言で人々を癒やしていく。人々は次第に、妖精なしではいられないほど深く依存していった。
ただ一人、妖精の言葉が聞こえない聴覚障害の老社員を覗いては…。
●AI社会を示唆?
私も時々、AIに悩みを相談します。彼らの回答は最初、「大変でしたね」「わかります」と共感の言葉を提示してくれます。
そうすると、質問をした方は「受け入れられている」と安心して、その後のAIの助言も受け入れやすくなるのです。
中にはAIに「役割」を与え、自分の理想の言葉で慰めるようにカスタマイズする人もいるのだとか。
AIに依存しつつある現代を予見したかのような展開に、ちょっと恐ろしくなりました。