あらすじ
ノックの音とともに、二日酔いの男の部屋にあらわれた見知らぬ美女。親しげにふるまう彼女の正体は? いったい、だれのところへ、どんな人が訪れてきたのか。その目的は。これから部屋の中で、どんなことがおこるのか……。サスペンス、スリラーからコメディーまで、「ノックの音」から始まる様々な事件。意外性あふれるアイデアと洒落たセンスで描く15のショートショート。
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Posted by ブクログ
全編『ノックの音がした』から始まるショートショート集。書き分けが本当にお見事で、最初の一文は決まっていてもこんなにバラエティ豊かな作品が生み出せるんだな〜と、感動する。
サスペンス、スリラー、コメディー、ミステリーと本当に全作楽しめた。パズルの最後のひとピースを埋めるように、意外な結末を作るのがうますぎる。
ほとんど全てが部屋の中で完結するのも素晴らしい。
お気に入りは『現代の人生』『暑い日の客』『夢の大金』『計略と結果』『しなやかな手』『華やかな部屋』。
『華やかな部屋』の主人公は佐江子。香水ショップを経営し、二十五歳ながら高級マンションに住んでいる。そんな生活を送れているのは、出資者である波野のおかげで、佐江子は彼の愛人をしていた。
ノックの音がして、今日は波野の来る日じゃないのにと首を傾げながらドアを開けると、そこにいたのは須藤。香水ショップの隣でカメラ屋を経営する若者だ。佐江子と須藤もそういう関係だ。
その時、再びノックの音が。なんと仕事が早く終わったと波野もやってきてしまった。佐江子は須藤をクローゼットの中に隠し、灰皿のタバコを咥えて口紅をつけてカモフラージュする。
佐江子は早く帰ってほしいオーラを出すが、波野は酒を飲み始め、長居しそうな雰囲気。その時、またノックの音が……。
ドアの向こうにいたのは波野の妻。主人を尾行していたらしい。急いで波野をトイレに隠すも、波野の妻は部屋の中を探し始める。
そしてクローゼットが開けられ、中から須藤が出てくる。さて、最後どうなるか、というお話。
いや〜面白い。
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フレドリック・ブラウンの短編集の中に「ノック」という話がある。
はじまりは、
「地球上で最後に残った男が、ただひとり部屋のなかにすわっていた。すると、ドアにノックの音が……」
先を読みたくなる。
いったい、だれがと思う。
じつは、地球で最後に残った女だった。
週刊誌でショートショートを連載することになり、その通しタイトルを考えることになった。
その時、頭に浮かんだのが「ノックの音が」であり、それらをまとめて本書にしたらしい。
本書は15作品からできていて、全ての物語が「ノックの音がした」で始まる。
ノックとブザーでは感じが違い、ノックには人間的な何かがあると言っている。
叩き方によって訪問者の見当がつけられたりする。
だからだろうか、いつもの無機質なエヌ氏ではなく、鈴木邦男、宮下由紀子といった具体的な名前の人たちが登場する。
そして「ノックの音がした」で始まるということは、物語の舞台は室内である。
星新一にしては珍しいので、読みながら登場人物の名前をメモした。
鈴木邦男、山下友彦、永瀬博士、福岡弁護士、山田庄造、宮下由紀子、西野文江、曽根明男、安井隆二・佐知子
大友順三、白井五郎、明子、駒沢、犬塚信子、香木町子、芝橋、荒山昌三郎、江川美根子、辻山利一郎・恵子
原口秋夫(雄一)、和田、草町佐江子、波野鉄三、須藤優平、看護婦、医者、患者、坂田順平、男、老婆
キラキラネームはないし、訪問者が家の電話を借りたり、電話線を切断したり、タバコの喫煙が日常だったり、時代は昭和ですね。
最後の話は、別の雑誌に掲載したものに加筆して本書に加えたそうだ。
だから登場人物に名前がなく「男」「老婆」なのかと思った。
もう1つあった「看護婦」「医者」「患者」が登場する話も別の雑誌の作品かも知れない。
人の名前にも何か物語に関連する意味が隠されているかもと思ったのだが、特になさそうだ。
Posted by ブクログ
なぞの女
現代の人生
暑い日の客
夢の大金
金色のピン
和解の神
計略と結果
職務
しなやかな手
感動的な光景
財産への道
華やかな部屋
唯一の証人
盗難品
人形
短編で読みやすい!
電車などの待ち時間にサクッと本を読みます。
本作品は、短編になっている為丁度良いです。
毎回最後に予想を上回る展開がとてもハラハラして
心を掴まれました!
匿名
サクッと読める
先が読めない展開はたまらない世界観です
予想外過ぎてびっくりします。
話がたくあんあってどれも魅力的でした
Posted by ブクログ
ノックの音がしたこのシチュエーションだけでストーリーこんなに思いつくなんて天才
ちょっと設定古いしそんなオチかってよめたのもあるけどなんかいい読書時間
Posted by ブクログ
これ今まで読んだ星新一作品で1番好きだった
全編ノックの音がした。から始まるショートショート
全て最後のオチになるほど〜、、!ってしてしまう、おすすめの本貸す時にこれも入れたい、ひえっっ、、、てする感じ
Posted by ブクログ
○一つ一つの物語が濃い
1つの物語で10ページ弱のボリュームなのに、どれも結末がよめず、意外な結末が待っている。読み進めていくうちに、「この人物はこれに関わっているのか?」や「この人物が鍵を握っているな」などと考えてしまい、それを裏切ってくるところが面白かった。
少しずつ読み進めるもよし、一気に読むのもよし。
Posted by ブクログ
ノックの音がした
というフレーズから始まる話がたくさんある短編小説集。
騙し騙されるみたいなところが多かったが、騙された側があっけらかんとしていて気持ちよかった。
Posted by ブクログ
面白かった。ノックの音から始まる短編集。さすが星新一というようなユーモアや皮肉の効いたものばかりで良かった。「現代の人生」の明るく暗くて、妙な後味が残るという感覚はなんだか面白かった。「金色のピン」のちょっとしたホラーは、眠る前に読んだのでよく覚えている。「財産への道」は笑ってしまった。
Posted by ブクログ
全ての話が「ノックの音がした。」から始まるという、なかなか粋な本です。小さい頃から思い返しては度々読み返している。あまり気負わずサクサク読める。
Posted by ブクログ
中学生のとき交通事故で入院していて、担任の先生が暇だろうからとくれた本で、これが星新一にどっぷりハマるキッカケとなる。
すべて「ノックの音がした。」からはじまる秀逸なショートショートだと思う。
Posted by ブクログ
★3.6
「ノックの音が…」から始まる多様な物語。アイディアとセンスに溢れた15篇。
子どもの頃、短くて読みやすいからか、星新一は好んで読んでいた。一篇数分で読めてしまうくらいだ。
本を整理してたら出てきたので、懐かしんで読んでみたものの、当時感じたような突飛さはあまり感じられなかった。刺激が多い世の中、慣れてしまったせいもあるのかもしれない。
だとしても物語は「新鮮なアイディア」「完全なプロット」「意外な結末」の要素は満たしてるし、結末を想像して答え合わせのように読むのも一興。裏切られたらそれはそれで嬉しい。
Posted by ブクログ
これ中学の時めっちゃ読んでたわ~と思い出して再読したんだけど、10年以上たった今でもニヤッとしちゃう。ちょっとブラックな終わり方するのが好き。
Posted by ブクログ
「ノックの音」から始まる15のショートショート。短い物語なのに二転三転と転がる様は素晴らしい。「現代の人生」と「夢の大金」が好きだな。あとがきがとても良い。星先生、粋な方だったんだろうなー。
Posted by ブクログ
全短編 ノックの音が…で始まるというオシャレっぷり。
時間潰しで何となく買ってみたら、私の知ってる星新一じゃない!(A氏とかじゃなかった)となったけど、呼んだらいつも通りの短編で、すぐオチがあるおしゃれな本だった。
ちょっと古いなと思う描写や言い回しも多いけど。描きはじめがおしゃれで乗り越えられる。良い。
Posted by ブクログ
このショートショート15編はすべて、「ノックの音がした。」という1文から始まり、部屋に入ってくる人々をきっかけに、ストーリーが展開していく1冊です。
「ノックの音がした。」という1文から、全く違う様々なストーリーが生まれているのは、凄いことですよね…。
特に、私は「暑い日の客」が特に印象に残っています。伏線をきれいに回収し、今後どうなるのか…という想像を掻き立てるストーリーです。
Posted by ブクログ
考えることは、今日という一日だけでいい。そのかわり全能力を注ぎこみ、後悔をしないだけ楽しむのだ。
昔に書かれたものとは思えないくらい新鮮に感じる話があった。結末が想像できるものもあったが、それも先が気になりつつ推理しながら読む楽しみもあった。ノックだけで何話も思いつくアイデアの豊富さに感心した。登場人物が少ない中でも意外なストーリーの展開に改めて才能ある著者だなと感じた。
Posted by ブクログ
ノックの音がした。で必ず始まる短編集。全てが個室が舞台。様々な立場の人間がその音を聞く。時間もシチュエーションも様々。小説は書き始めがたいへんと聞いた事があるが、この短編集は決まっているのである意味で書きやすく、ただ制限が多いので書きにくい面もあるだろう。ただ、どの作品も一定のクオリティを満たしており、氏の才能に感心する。話の終盤まで落としどころが分からず、色々と想像しながら読むのが楽しい。気分転換にいいですね。たまに読みたくなる星新一。
Posted by ブクログ
最近はボリューミーな小説ばかり読んでいたから、今回は星新一で正解だった。実に読み易く、清涼感でいっぱいだった。
本作はタイトルどおり、全ての話がノックから始まるショートショート。
そのなかで個人的に面白かったのものは
「なぞの女」
なるほど。そうくるかって感じ。何が本当かわならなくなるね。
「現代の人生」
お得意の濡れ衣もの。小さな罪と大きな罪の交換。
「暑い日の客」
勘違いでとんでもないことに。筒井康隆が書いたら、グロい描写になりそう。
「夢の大金」
なぜか勝手にお金持ちに。こういうのいいなぁ。
「しなやかな手」
実は実はの二転三転。これが1番好きかも。
などなど。
そして、あとがきで星新一自身が書いていたが、舞台を一つの部屋にするのが、非常にわかりやすい。との事。確かにねー。わかっているけど、意識して作らないとこうはならないもんだ。さすがです。
Posted by ブクログ
たまたま目について約25年ぶりに再読。星さんの他のショートショートと比べると数が少なめなのは、状況にバリエーションを持たせるぶん、文字数が必要(長くなってしまう)ということなのかな。物語を動かしている「人間の欲望」はある程度限られた範囲のものだなと思う。シチュエーションの雰囲気が『時をかける少女』に似ているように感じた。あとがきにて、タイトルの由来や、ノックの音から始めると室内で完結できるというメリットになるほどとうなづいた。
Posted by ブクログ
全部で15篇のショートショートが納められていて、書き出しは「ノックの音がした。」の一文から始まっています。
解説は、フレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』の『ノック』という短篇のネタバレが書かれているので、未読の方は注意。この『ノック』の書き出しに触発されたのが、この短篇集。一作目『なぞの女』は『さあ、気ちがいになりなさい』にインスピレーションを得たかのようで面白いです。
他に良かったのが『計略と結果』と『職務』。裏の裏をかかれた感じ。『金色のピン』と『人形』も良かったです(ちょっとしたホラーですね)。
ところで、星新一にしては珍しく、登場人物の名前が個人名で、エヌ氏やエス氏とかでないのが新鮮でした。
Posted by ブクログ
★特長
いずれも「ノックの音」から始まる15話。
本文178ページ
昭和60年に新潮文庫から出版されたものが手に入りますが、もともとは昭和40年に刊行されています。
★感想
小学生くらいの時に読んだ記憶がありますが、再読しても全く覚えていませんでした。
今読むと、さすがに風俗が古く、リアリティーに欠けて、面白くなく感じる部分も多々あり。
しかし、数ページで伏線回収があり、オチがあるというフォーマットが素晴らしい。
★魅力
一つ一つが短くて読みやすい。
★おすすめの人
長編小説が苦手な方。