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  • さあ、気ちがいになりなさい

    さあ、気ちがいになりなさい

    小説・文芸

    4.2
    1巻1,320円 (税込)
    記憶喪失のふりをしていた男の意外な正体と驚異の顛末が衝撃的な表題作、遠い惑星に不時着した宇宙飛行士の真の望みを描く「みどりの星へ」、手品ショーで出会った少年と悪魔の身に起こる奇跡が世界を救う「おそるべき坊や」、ある事件を境に激変した世界の風景が静かな余韻を残す「電獣ヴァヴェリ」など、意外性と洒脱なオチを追求した奇想短篇の名手による傑作12篇を、ショートショートの神様・星新一の軽妙な訳で贈る。

ユーザーレビュー

  • さあ、気ちがいになりなさい

    Posted by ブクログ

    とっても面白かった!!
    約80年前に書かれたなんて信じられない。サイエンス要素は薄くてスペキュレイティブ寄りで、どの話も展開が予想できなくてとにかくオチが綺麗。狂気がテーマの作品集なのかな?読んでる途中こっちまで頭がおかしくなりそうになった。
    表題作、不死鳥への手紙、ユーディの原理、ぶっそうなやつらが特に好き。特に不死鳥への手紙は好きなフレーズが沢山あった。ぶっそうなやつらは翻訳小説でこんなに笑ったの初めてかも。

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    2026年07月09日
  • さあ、気ちがいになりなさい

    Posted by ブクログ

    正気と狂気をテーマに選ばれた作品集。いくつかは前に読んだ「真っ白な嘘」に収録されたものもあったけど、今作は全編ショートショートの神様星新一訳ということもあってか、癖の少ないような、また違った読み口も感じられて楽しめた。

    「電獣ヴァヴェリ」はこれだけで長編が作れそうだし、なんなら長編で読みたいくらいの話。思ってもみない形で今ある文明が崩壊していく様、その後の余韻を残す文字通り静かなラストは印象的。
    世界を救ったのにある意味報われない可愛らしい「おそるべき坊や」や、メタすぎる「ユーディーの原理」なども面白かったが、白眉は表題作。
    明らかに口に出すのも憚られる不穏なタイトルだけど、設定からのひねりが効きすぎてて、気づいたら自分はどこにいるんだと読み返すような着地点に。タイトルのインパクトから受けた期待通りの内容で、この不穏なタイトルもまた良い味を出している。

    一冊を終えて十分満足だったけど注意しないといけないのは解説。たぶんブラウンを好きすぎるあまりか、掲載作品以外を含むネタバレも。

    なんにせよ、手許に置いてまたそのうち読み返したい本が増えてしまった。

    …まあ良いか。

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    2025年12月11日
  • さあ、気ちがいになりなさい

    Posted by ブクログ

    意外性と洒脱なオチを追求したフレドリック・ブラウン×ショートショートの神様、星新一という最高コンビによるSF短編集。12編収録。

    最後の最後に想像と違う方向に進む読み心地が癖になる。これは面白い〜!!!

    好きな作品は以下5編。

    緑色がない星へと不時着した男が救助を待つ「みどりの星へ」
    宇宙人に侵略された地球の最後の男が聞くノックの音とは?「ノック」
    人類とは?と思わず考え込む「不死鳥への手紙」
    →

    音は誰も聞いていない時にも存在するか否かを考える「沈黙と叫び」(これは「真っ白な嘘」にも収録されている。
    記憶喪失のふりをしていたはずの男は実は……「さあ、気ちがいになりなさい」

    カラリ、ザラリと渇いた読み心地が気持ちよく、読み始めたら止まらないブラウンの短編集、好きすぎる〜!!

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    2025年10月11日
  • さあ、気ちがいになりなさい

    Posted by ブクログ

    題名がおもいっきり放送禁止用語なんですが、翻訳者が星新一だなんて絶版にならない欲しい!
    星新一が翻訳したSFに興味をお持ちになりましたら絶版にならないうちに是非お読みください。

    『みどりの星へ』
    5年前に宇宙船の遭難で未開の惑星に不時着したマックガリーは、以前この惑星に不時着したはずの別の宇宙船を探している。その部品でここから脱出するのだ。
    この惑星の動物を相棒に、いや別れた恋人のように連れて話しかける。それがなければ彼は気が狂っていただろう。なんとしても緑の地球に帰るのだ、この惑星にはない緑色に囲まれたい。
    そんな彼の前に、救助の宇宙船が現れ…

    『ぶっそうなやつら』
    異常犯罪者を収容している病院から殺人者が脱走した。たまたま駅の待ち合わせ室で同席したジョーンズ氏とベルフォンテーン氏はお互いに「こいつが脱走した殺人狂に違いない!自分を守らないと!」と、相手に悟られないように武器を隠し持つ。
    と、そこへ本物の殺人者が入ってきたのだ。彼は考える。二人くらいなら殺れる。そして銃を出そうとした時…
    ==
    二人がお互いを疑うあたりは緊迫感も増して、このままだと酷いことになるかも…と思いながら読んで行ってたのに、その後の展開がコントかーー笑・笑

    『おそるべき坊や』
    ハービー少年は奇術ショーを楽しみにしていた。今日こそ舞台に上がって助手役を勝ち取るぞ。
    ところがその奇術師は本物の悪魔だったのだ。ハービー少年が舞台に上がったときにその正体を表す。
    ==
    なんかすっとぼけた面白いお話だったなあ。
    アメリカの奇術ショーを楽しみにする少年の話から、いきなりチベットの悪魔封印の話に飛び、そして悪魔奇術師による地球の大ピンチ! この展開の速さがなんともすっとぼけた感じ。
    そしてこの悪魔退治のスピード感も楽しい。
    しかしこの地球を救ったおそるべき坊やは、それを誰も(自分自身も)記憶しなかったため、いたずらっ子が受ける罰を受けたのでしたとさ。

    『電獣ヴァヴァリ』
    ラジオの電波に乱れが生じたことから、地球には電気を食う生命体が来たってことが分かる。
    地球は電気のない生活に戻る。慣れればそれなりにうまく行く。電話も、電波も、原子力も無くなった。人々は失業もしたけれど団結して蒸気機関車を動かし自転車移動を楽しむ。
    これだって静かで美しい世界ではないか。
    でもたった一つ、稲妻が懐かしいなあ。
    ==
    緊張感あるんだかないんだか(^_^;)

    『ノック』
    星新一ショートショート集『ノックの音が』はこの冒頭に出ている小話から取っています。
    「地球で最後に残った男が、一人で部屋にいると、ノックの音がした」ってやつ。果たして相手は何者なのだ!?

    この短篇でウォルターが「地球最後の男」になったのは、地球がザン星人に侵略されたから。ザン星人は地球生物を全滅させる前に、地球生物研究・動物園として動物を一匹(一羽・一頭)ずつ収集した。人間の男として収集されたのがウォルターだというわけ。
    物語としてはウォルターが収集された地球生物と、ザン星人の生態の違いに気がついてうまい具合に彼らを追い返す、って流れです。

    『ユーディの原理』
    友達の科学者チャーリーがなんでも願いを叶う機械を発明した。彼は「ユーディという小人がやってくれるのさ」と説明した。「私」が問い詰めると、その機械を装着した人は自己暗示に掛かって超加速で、自分が言った願いを自分で実行する、のだそうだ。
    物語は「それって本当に自分で超加速で動いたの?本当にユーディっていう小人が存在してるんじゃないの?」というような話になります。
    でももう確かめようも取り返しようもなくなってます。この二人、凄いものを発明したのかも知れないけど粗忽なんだよなあ。

    『シリウス・ゼロ』
    「私」は女房と娘のエレン、そして操縦士のジョニーと共に宇宙船で惑星を回っている。ある時地図にない惑星に不時着した。しばらく歩いてみると、地球の生物を元にしたなんともヘンチクリンな生物が歩いている。もう少し行ってみたら表だけの町があり、昔の知り合いのサムがいた。サムは「ここは未公表の惑星で、映画撮影セットを作ってるのさ」と言う。
    どうにも説明がつかないような妙な感じ。セットにしても中途半端、そんななかで地球の油虫そっくりの虫だけがとっても現実的すぎるのだ。

    『町を求む』
    ボスである町の顔役を裏切って取って代わろうとした男が、顔役と話をつけて自分がトップになれる別の町へ移住することになった。
     あんたの街はどんなだい?ほお、おれはまさにそんな町を探してるんだ。さっそく行かせてもらうぜ。

    『帽子の手品』
    若者四人が部屋で喋ったり飲んだり手品を見せたり。すると一人が帽子から悪辣なねずみを取り出して…。あれはなんだ!?
    翌日、一人がふと言った。「別の世界から生命がやってきて、人間の振りをしているって話があるよな…」

    『不死鳥への手紙』
    ものすごい長寿となってしまった語り手が、何度も経験した地球の文明の発達と崩壊ことや、そこを生き延びている人間のことを語る。
    人間は自分の作り上げたものを壊す狂気だからこそ、これほど長く存在してるんだよな。

    『沈黙と叫び』
    「誰も聞いていない森の奥で木が倒れたら、音がしたことになるのか?」問題で始まります。それから「では耳が遠い人がいたら、音はしたことになるのか?」それから「では、その場にいた人は耳が悪いのか悪くないのかわからないが聞こえていないという場合は、音がしたことになるのか?」
    この議論は何のためにしているかというと、ある”死”を招いた男は耳が遠いので無罪になったんだけど、死んだ人の遺族は、本当に彼は耳が遠いのを疑っている。そこでその男に罪をささやき続ける。もしも男に聞こえているなら、そろそろ良心に耐えきれなくなるだろう。(そしてどうやら聞こえてるんじゃないの、っていう仄めかしが…すると自分の罪を何度も何度も聞いている男にもゾッとする)
    ==
    殺人方法(これが殺人なら)も、それに対する復讐もなかなかゾッとするお話。

    『さあ、気ちがいになりなさい』
    出版社勤務のジョージ・バインは編集長に呼ばれ、「ある精神病院で妙なことが起きているとのタレコミがあった。君は精神病患者の振りをして内部調査してくれないか」と言われる。偽る精神病の内容は「ナポレオン妄想がちょうどいいだろう」。
    バインはちょっと困った。だって彼は本当にナポレオンなんだ。編集長が自分を騙して精神病院にいれるつもりじゃないだろうな。
    考えた末バインは精神病院に潜入する。その晩「さあ、真実を知るのだ」という声に起こされる。
    ==
    冒頭はすっとぼけてるんだかなんなんだか。
    それが正気だと退院できないけど狂気だとやっぱり退院できないみたいな「なんかのパラドックス」のような論調になり、最後はやたらにスケールが大きい、かと思ったらストンと小さな世界に帰ってきた不思議な感じ。
    謎の声が「さあ、気ちがいになるのだ、忘れるために気ちがいになるのだ、いや気ちがいになってもらわなければ困る」などと連呼するのも、恐ろしいんだけどどこか付きけてるような感じもしちゃう。

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    2026年02月16日
  • さあ、気ちがいになりなさい

    Posted by ブクログ

    フレドリック・ブラウンの短編集で訳者は星新一。
    短編なのでサクッと読み終わりますし、どれもハズレなしの面白さでした。
    中でも好きなのは
    「みどりの星へ」
    孤独の中でずっと生き延びてきた主人公。肩に乗せている相棒と、何より地球の緑の美しさを想うことが彼を生かしていたんだなぁ…。星新一っぽさも感じました。
    「おそるべき坊や」
    風が吹けば桶屋が…的な展開、みんな好きなヤツ。
    「さあ、気ちがいになりなさい」
    何度か、え?今どっち?結局どっち?となりながら読みました。結末がちょっと意外。
    「電獣ヴァヴェリ」
    これが一番好きでした。ある侵略者になすすべもない地球人、と思いきや。スムーズに適応していくところ。逆に豊かになってるんじゃないの?と思わせる静かな余韻。

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    2026年01月10日

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