フレドリック ブラウンのレビュー一覧
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意外性と洒脱なオチを追求したフレドリック・ブラウン×ショートショートの神様、星新一という最高コンビによるSF短編集。12編収録。
最後の最後に想像と違う方向に進む読み心地が癖になる。これは面白い〜!!!
好きな作品は以下5編。
緑色がない星へと不時着した男が救助を待つ「みどりの星へ」
宇宙人に侵略された地球の最後の男が聞くノックの音とは?「ノック」
人類とは?と思わず考え込む「不死鳥への手紙」
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音は誰も聞いていない時にも存在するか否かを考える「沈黙と叫び」(これは「真っ白な嘘」にも収録されている。
記憶喪失のふりをしていたはずの男は実は……「さあ、気ちがいになりなさい」
カラリ、 -
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題名がおもいっきり放送禁止用語なんですが、翻訳者が星新一だなんて絶版にならない欲しい!
星新一が翻訳したSFに興味をお持ちになりましたら絶版にならないうちに是非お読みください。
『みどりの星へ』
5年前に宇宙船の遭難で未開の惑星に不時着したマックガリーは、以前この惑星に不時着したはずの別の宇宙船を探している。その部品でここから脱出するのだ。
この惑星の動物を相棒に、いや別れた恋人のように連れて話しかける。それがなければ彼は気が狂っていただろう。なんとしても緑の地球に帰るのだ、この惑星にはない緑色に囲まれたい。
そんな彼の前に、救助の宇宙船が現れ…
『ぶっそうなやつら』
異常犯罪者を収容して -
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ネタバレフレドリック・ブラウンの短編集で訳者は星新一。
短編なのでサクッと読み終わりますし、どれもハズレなしの面白さでした。
中でも好きなのは
「みどりの星へ」
孤独の中でずっと生き延びてきた主人公。肩に乗せている相棒と、何より地球の緑の美しさを想うことが彼を生かしていたんだなぁ…。星新一っぽさも感じました。
「おそるべき坊や」
風が吹けば桶屋が…的な展開、みんな好きなヤツ。
「さあ、気ちがいになりなさい」
何度か、え?今どっち?結局どっち?となりながら読みました。結末がちょっと意外。
「電獣ヴァヴェリ」
これが一番好きでした。ある侵略者になすすべもない地球人、と思いきや。スムーズに適応していくところ -
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訳者はSFのショートショートで有名な、星新一。
この短篇集を読んでいると、不思議と星新一が脳裏に浮かんできて、訳していて楽しかっただろうなと、ほくそ笑んでしまいました。
11の短篇の後に、タイトルの中篇で終わるのですが、最初の『みどりの星へ』から狂っています。
他にもサスペンス、ミステリー、SF、ファンタジーやコメディなど多岐にわたっていますが、どれも文章にキレがあり、また発想からして面白い。短篇は、短いだけにオチが重要と思いますが、どれも一捻りしてあって、とても楽しい読書体験でした。
ところで『ノック』の書き出し部分について、星新一自身の短篇『ノックの音が』の「あとがき」で、タイトルを付 -
購入済み
サンリオ版の出版希望
ブラウンさんと星さんが組んで作った作品で、日本語読めるなら、
面白いに決まっています。
実はこの組み合わせ、
サンリオ版からも出ていて、長らく絶版になっているので
版権の問題もあるのでしょうが、是非、切に、
電子化をお願いしたい。千葉なら、2021時点で
公立図書館で閲覧可能ですが、紙の本にも寿命があるので。
お好みで。 -
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ネタバレ星新一翻訳のSF掌編小説
随所星新一や筒井康隆が影響受けたであろう話が多いが、両者と違ってわかりやすく結論が明白なオチが少なく結論を読者に委ねるような余韻を残す話が多い印象
また随所ロジカルな要素を含んだ話も多くウィットに富んだインテリな印象も見受けられる
ただしそういった部分が要因である事からか翻訳に苦労した部分もあるようで星氏が創作した作品より読みづらい箇所も多くそこが難点と言える
各作品の感想
みどりの星へ
表題に便乗してる事もあってなのか主人公は正気か狂気か曖昧な話であった
叶えられぬ夢がある故に希望を望み続けたいと思うのは狂気か正気か
ぶっそうなやつら
日本の掌編小説にもありそ -
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フレドリック・ブラウンを星新一訳で読めるなんて幸せ。
今回も予想のつかない展開とオチが癖になる。
自分にはちょっとわかりにくい作品もあったけど、この4作品は特に好きだった。
『みどりの星へ』
第三惑星に不時着した男。数年後、ようやく念願の助けが現れる…。
こういうのがやっぱり好きだわー。
『おそるべき坊や』
オチでなるほど〜と唸ってしまった。
1番わかりやすくて楽しい。
『ノック』
地球上で最後に残った男。すると、ドアにノックの音が…。
ノックをしたのは一体誰なのか…。
『さあ、気ちがいになりなさい』
自分をナポレオンだと思い込む異常者を装い、精神病院に潜入入院するが…。
読んでるう -
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フレドリック・ブラウンの描く12の短編が収録された作品。
日本の有名なSF作家である星新一が訳した作品という時点で「面白くないわけがない!」と胸を躍らせて読書開始。
キャッチーな話から陰鬱な雰囲気の漂う話まで多種多様で、表題作に連なり短編集の中には狂気を強く意識した作品が多かった印象。そして何よりも、そのキレ味鋭い展開とオチに舌を巻くばかり。
作品の中では『みどりの星へ』『雷獣ヴァヴェリ』『ユーディの原理』辺りが好み。
特に『雷獣ヴァヴェリ』は未知の生物の襲来によって世界から電気が失われていく過程とその後を描いた作品なのだが、人類の強さと電気が失われた世界の美しさを短い物語のなかで上手く表現 -
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アメリカの作家「フレドリック・ブラウン」の短篇SF作品集『さあ、気ちがいになりなさい(原題:Come and Go Mad and other stories)』を読みました。
ここのところSF作品が続いていますね。
-----story-------------
ショートショートの神様による名訳
記憶喪失のふりをしていた男の意外な正体と驚異の顛末が衝撃的な表題作、遠い惑星に不時着した宇宙飛行士の真の望みを描く『みどりの星へ』、手品ショーで出会った少年と悪魔の身に起こる奇跡が世界を救う『おそるべき坊や』、ある事件を境に激変した世界の風景が静かな余韻を残す『電獣ヴァヴェリ』など、意外性と洒 -
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“星新一”訳ってだけで、もう読む気満々。
“村上春樹”訳の“サリンジャー”なんて目じゃない(…ごめんなさい)。
20世紀を代表するフレドリック・ブラウンの切れ味鋭い短編集を、これまた20世紀日本を代表する「ショートショート」の名手が訳した。
「狂気」が「滑稽」であるがゆえの「不気味さ」を切り取る。
地面に書いた円を示して「どちらが内側、外側?」と問いかける。
〇の中と思いきや、地球規模で見れば内・外の区別はない(森博嗣「笑わない数学者」)。
早い話、赤道で区切られた北と南に内と外はないということ。
表題作「さあ気ちがいになりなさい」は、そんな「ヒトの勝手な思い込み」を覆す。
「おそるべ -
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フレデリックブラウンものは実は生涯初めてだった。 星新一や筒井康隆や、SF 関係の文献で本当に度々登場する基本中の基本であるというようなことは認識していた。 感覚としてはショートショート的な切れ味の良い作品を想像していたのだが、設定こそ奇抜なのだが、話のひねり自体は論理的ととは行かず、イメージ的に落としたり馬鹿馬鹿しい方向に持っていくというような手法が多く見られた。 そういう意味ではカッティングエッジ感に乏しかったものの、 SF として楽しむことができた。 でもかと言ってこれが古典にして最高峰とは思えない。 感心して感動して思わず読後に声が出てしまうような作品は今まででも沢山あったが、本作の中
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あれ、読んだことがあるような……。
と思って調べてみたら、単行本ですでに読んでいた(汗)。
つまり、単行本で持っているのに改めて文庫を買ってしまったことになる。
うーん、後書きまで一緒じゃないか……。
こういうことがないように、こうしてネット上に読んだ本や購入した本を登録しているのに、全く活用していないなぁ。
まぁ、仕方ないか。
以下の感想は、単行本を読んだ時のものをそのまま引用しました。
フレドリック・ブラウン初体験。
星新一が影響を受けた作家の一人にあげていたが、その星新一自身が翻訳をしている。
確かに星新一が作るようなショート・ショート・タイプの作品が多いが(星新 -
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20世紀アメリカのSF作家フレドリック・ブラウン(1906-1972)の短編集。星新一訳。
星新一は、自分が影響を受けた作家としてしばしばブラウンの名を挙げている。物語の展開・オチの付け方とその余韻の残り方・作中の雰囲気に加えて、文体も(当然のことながら)星新一そのものなので、彼のショートショート作品を読んでいるようなテンポが思い出されて懐かしく、楽しめた。彼の無駄を排した乾いた静かな世界観と文体が好き。小中学生のころ彼の作品集を読みあさりそのテンポが沁みついていまの好みが作りあげられてしまったのかもしれぬ。
「ぶっそうなやつら」「電獣ヴァヴェリ」「シリウス・ゼロ」「町を求む」「帽子の手品