昔、評論家向井敏の「文章読本」(良い本です)の作家のもつ文体の説明で、翻訳者による文体の違いの例として、ブラウンの星新一とほかの人の翻訳文章例があったのを思い出し、本屋で翻訳者をみて思わず買ってしまった。
計12編、最後の表題作のみ90ページと長い。
星新一訳が特に良いとは思えず、その点では期待が高すぎたようだ。
ミステリ系では「ぶっそうなやつら」「町を求む」、SFでは「みどりの星へ」「ユーディの原理」が面白かった。
むかし創元SF(&推理)文庫でブラウンの短編集を読んできた者にとっては、相変わらずの、期待通りのブラウンでした。